上巻を読んでいた間のあのイライラ!!もぅ何て言うか本当に辛かったです。
この作品は今まで俊介君達を愛して来たファンへの試練でもありましたね。勿論最大の
プレゼントだったのも言うまでもありませんけど。
まさか太田先生が俊介くんシリーズで叙述トリックを使って来るとは思いませんでしたから。
まんまとはまってしまいました。ん、でも上巻の最後の方は流石に「違う!これは違う人達だ!」って
思ってましたけど。
でもね、あの上巻があるから、下巻で彼らの本当の絆を感じられたときの喜びが大きいんですね。
本当の彼らは、こういう時にこうして乗り越えるんだよって、まざまざと見せつけられて、
それがもぅ至福の喜びでした。「そーなのよ!これなのよ!」みたいな。
こんなに些細な言葉や行動で感激出来たなんて、本当に策略が上手いなぁと思ってしまいます。
だから、この作品は絶対に「俊介くんシリーズ」を読んだ事の無い人には読んで欲しくないです。
彼らが今までどんなに素敵な絆を作って来たかをちゃんと知っている人だけが味わえる快感ですよね。
下巻で池田さん、高森警部、美樹ちゃんなどが出て来た時の喜びだって、読んで来なければ分からない。
だから、そういう意味では「プレゼント」だと思います。シリーズものの強さですよね。
そして今回も謎が魅力的でした!最初の小説通りに進んでいく殺人。同じ点、反対に違っている点を
ひとつひとつ見つけて行くのがパズルみたいで楽しかった。
水越さんが殺された時点ではもぅ「走れ〜!次は泉子だっただろ〜!!」とか叫びたくなったりしたし(笑)。
でもそれが術中にはまってたわけですなぁ(笑)。
ラストは私自身としては、「彼は未来をかいま見ていた」という結論を支持しています。
最後が近づくに連れて、そう思って行ってたから。その方が全ての人がハッピーエンドな気がするし。
そういう事があったって良いじゃない・・・。みたいなね。
切ない、でも甘酸っぱい様な終わり方が、太田先生は本当に得意だと思います。
今回は表紙がとっても素敵で、淡い色合いが読後感に似ている。
でも挿し絵はありませんでしたね。形式的に挿し絵が入ったら変になってしまうものね。
ちょっと残念だけど、余りある表紙のキレイさでカバー。でも、上巻読み終わった時点では、
あの俊介くんの凛々しい顔がちょっとだけ憎たらしかったのでした(笑)。
ん〜、私は普段いまいち俊介くんを信用出来て無いんです。俊介くんって「おとなしい」子ではないと思う。
我が強くて、結局自分の意見は通してしまう様な、そういう子だから、
野上さんを裏切るとまではいかないけれど、もしも意見が決定的に食い違った場合、
彼は自分を取る様な気がしてならないんです。だから、ずっと、本当は喧嘩を一度して、
仲直りして和解できたら、一番の絆を築けるんじゃないかなぁ?とは思っていたんです。
なれ合うだけではいけないでしょう?でもまさかあきちゃんと喧嘩するとは思いませんでしたけど(笑)。
絶対に俊ちゃんはAB型だと思う私・・・。
とにかくでも、何か振り回されちゃいました。太田先生にいいように振り回されました(笑)。
楽しかった〜ん。一気に読んでしまった。勿体ない。折角の新刊を・・・。