黒猫の三角
珍しく犯人が分かった作品です。心の銃で電柱の間を打ち抜く。そういう性癖と、
犯人の日付へのこだわり方が本当に近いと思えたので。私もそういうの気にする人間だし。
側溝の蓋を一つ一歩で渡ったり、横断歩道の白いところを踏まなかったり、
階段を数を数えて登ったり、そういうのと似ているんじゃないでしょうか。
理由は「何となく」って感じで。あるいは「たまたま」とか。商店街のモザイクタイルとか大好きですから、私(笑)。
でも、そういう所は良く理解出来ても、保呂草さん(偽物)の性格、容姿って凄くつかみにくかったです。
ひとつに定まらないというかね〜。そこが余計気になってたのかも。


今回は新シリーズって事で、全然分からない状態で読み進めたのも面白かった。
誰が正しい事を言ってるのか、判断に躓いたり、そういうのが楽しかったのです。
「気さくなお人形、19歳」も大好きだったんだけど、あれを読んでいたから、尚更感慨深いというか。
練無くんに愛着持てました。ちゃんと「生きて」る気がしたんです。
他の部分を見知っていたから、今回何を言ったりやったりしても、生活の一部に見えるのが素敵。


登場人物で好きなのは、紅子様(何故様なのかな?「マジック快斗」の影響と思われるけど)ですね。
そしてへっ君。ショタの血が滅茶苦茶くすぐられまくりやがりでした!はぁはぁ。
こまっしゃくれたおガキ様大好きです。そして林さん。つまりこの一家が好きなんですね。
林さんはダンディで、男の色気プンプンです。林さんと一緒の時の紅子様がこれまたかーいらし〜★
喋り方が高飛車で好き。
反対に紫子ちゃんはちょっと苦手でした。あぁいう女の子っぽい子は苦手なのかも。ん〜ん〜。


一番印象に残った所はやっぱり「力をセーブして生きてる」って部分でしょうか?
私は正反対ですから。無い力を精一杯使ってる、出してるけど、「まだまだ余裕だもんねぇ」という
態度を取っていたい、格好付け人生ですからして(涙)。
でも何だか分かる気がしたんです。「そうやって生きてる人も居るんだろうなぁ」って。


最後は何だかカラッポになる様な感覚を味わいました。何だかんだ言って、私は結局保呂草(偽物)に
感情移入していたのかも知れない。彼が居なくなった部屋が切なくて寂しかった。
だから本物の保呂草さんに暫くなじめないかも知れない。だってちょっと悔しい気がします。
ポッと出てきて、ねぇ。次のこのシリーズの作品が出るまで、私の中の「保呂草さん」は偽物の彼だけです。
そして、徐々に慣れて行って、最終的に保呂草(本物)ファンになってたりして(笑)。


これからが本番!って感じ。ラストでやっと全員集合、みたいなね。
読み終わった後「はやく〜〜続き〜〜!!」とかのたうちまわりましたから。