『クラインの壺』 岡嶋二人

 

 久しぶりに岡嶋二人を読みました。「絶対に面白い」って分かって読むのは、本当に楽しくてドキドキします。この作品はずっと読みたかった作品でしたし。最初からもぅ魅力的な題材で、どんどん読みました。
 途中から「これは気を付けねば!」と警告ランプ灯して、かなり慎重に読み進めたのですが、やっぱり騙されました。現実とK2の世界は、何処から何処までか、もう一度読み返して検討したい所。最後は読者に判断を任せるような、曖昧な終わり方をしていて、ちょっと拍子抜けしたのですが、今となっては上手いやり方だなぁ、と思います。私的には断然ナナミの居る世界の方が現実だと思っています。だってそうしないと「K2を遊園地などのアトラクションにする」という矛盾点が解決されないから。
 出てくる人々が魅力的で、人を素直に信じられない現実味とかもたっぷりあって、
本当に岡嶋二人の作品ははずれが無いなぁ、と感心してしまいます。