「嵐の中の少年」


きまぐれな 台風の奴 のおかげで
電車は止まり
僕ら 2人だけ 迷子のよう
この風では カサもご機嫌ななめみたい

やっと戻ったホールにも
誰もいるわけがなくて

びしょぬれた 僕らは
ただ 闇の中 ぽつんと

まぶしく白い 君のシャツも

肌に そっと とけて・・・

瞬く 車のヘッドライトに
時折 あやしく うつしだされる

雨は 女性をきれいに 変える

静かに伝わる 君の体温が
じんじんと 心に刺さった

おびえる 君の表情が かわいくて
でも 僕には 肩を抱くこともできなくて

このまま 時が止まればいい

そんな想いを壊すかのように
嵐の中 そいつは 現れた
君が tell して呼び出したのは
父親でも 母親でもなく・・・

こんな結末 痛すぎるよ

僕には 君を送る 足もなくて
初心者マークさえ つけることが出来ない
こんな嵐の夜も
ただ 隣に座っているだけ
ステージの上でしか 君を抱きしめることが出来ない
髪の色も 服の趣味も 左耳のピアスも
タイプが違いすぎるよ
ほんの少しでも 僕に似てる奴ならよかったのに

ただひとり のこされた僕
風が泣いていた