「レクイエム」


ぼんやりと 立ちのぼる煙を見てた
あれが君のかけらだと思うと 透き通る空も遠く映る
ほんの数時間で できた白い砂は
今までの思い出も モノトーンに変えていった

君と別れてから 君がいない生活には慣れたつもりだった
平気な顔して 式にもでられたのに
どうしてだろう?
ベッドに入ったとたん 涙があふれて止まらなかった

友達と楽しそうにはしゃぐ 君の声が聞こえる
どうして 君なんだろう?
セピア色の世界の中 鮮やかに輝いてた君が
静かに 色あせてゆく....

選んで離れていった君
あの日から 上手く君のこと憎めなくて
何度も 忘れようと思った
けど 出来なかった

絵の具 染まるパレット
真っ白に洗い流すように
冷たく かじかむ手
そっと あたためるように

冷たき石へと 変われし君に
涙を流す 理由はあるのか

なぜ あの時 引き止めなかったのか?
・・・もう これ以上 傷つけたくなかったから
どうして ここへ 戻ってきたのか?
・・・今も 今も わからない

胸の中で 歌い続ける
彼女に捧げる 小さなレクイエム