5年ぶりに陽子から手紙が来た
Dear大地&留奈
お久しぶり!元気ですか?...
そうはじまった手紙には、
ニューヨークで開かれる個展の招待状が入っていた
突然舞い込んできた便りに
ふと学生時代のことを思い出してしまう
幼い頃から、いつも3人いっしょだったな
いつの頃からか、お互いを 異性と意識しだして
ぎこちない時を過ごしたこともあったっけ...
掃除の時間
陽子の机を運ぶだけで、ドキドキしていた
僕は陽子のまわりをぐるぐる・・・
留奈は僕のまわりをぐるぐる・・・
まるで太陽と地球と月のように、
決して お互い 触れ合うことはないのに
ニューヨークへ発つ日、陽子が言ったっけ
「知ってる?月は地球から少しづつ離れていってるのよ」
そう言われて、初めて僕は、後ろを振り向いたんだっけ・・・
今では、留奈はいつでも僕の隣に
そして、ぼくと留奈との間には
2つの人工衛星がぐるぐると
元気に走り回ってる
いまでも、一人で輝き続けてる太陽に
僕からも手紙を出してみようかな・・・