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この世界が嫌い!
自然破壊・環境汚染・人種差別・宗教戦争・家庭内暴力・幼児虐待・いじめ・自殺・・etc
連日ニュースでこの言葉の無い日を聞かない・・輝くような明るい未来なんて信じられなかった。
だから願った・・・この世界から居なくなることを・・
そして、私は・・・
強い日差しが全てを乾燥させようと差し込む無味乾燥な砂漠
生きるものなど見えないその中を一つの黒きものの姿が砂塵を上げて行った。
鉄の塊とも言える姿だが、その流麗な姿と動き、そして特徴的な上部砲塔部から、戦の女神を想像するかのようなシルエットを持っていた。
「んっ? 父さん! あそこに誰かいるよ!」
上部ハッチから体を覗かせ周囲を見ていた少年は、風除けのフードとマスクを取り車内にいる父親に向かい声を上げた。
「どこだって? 双眼鏡を貸せ」
もぅ一つのハッチから体を出し差し出される双眼鏡を当て指差す方を見る。
「ねっ、あれって人だよね? でもどうしてこんな砂漠の真中に・・・」
しばらく覗いて様子を見ていた父親は双眼鏡を少年に渡し、また車内へと入っていった。
「子供のようだな、急ぐから捕まってろよ」
そう言い、急発進させた。
「わわっ! ・・っと、相変わらず乱暴なんだから。でも子供って・・・」
ほどなくして、倒れている子供のそばに止まり2人は降りてきた。
父親は横手にぐったりと倒れている子供のそばに寄り添い、様子を見た。
「はわわ!? このこ裸だよ! でも何でこんな大人の着るようなサイズの服を着てる・・っと言うよりくるまってるんだろう?」
父親の肩越しから様子を見ていた少年は不思議そうに言った。
「あぁ、そうだな。おまえと同い年ぐらいみたいだ・・・それに」
「それに?」
「この子は、女の子だ」
「へっ!? ・・・・・わぁ!ゴメンゴメン!! み、見てないよ!!ボク見てないよ!!」
顔を真っ赤にし大慌てに背中を向ける。
その姿に苦笑しながら、女の子を抱えあげクーラーの効いた車内へと連れて行った。
「コリャ、おまえの服を借りるからな」
そう言い、ちょっと大き目の衣類を着せていく。
「よしっ、もぅこっちに来てもいいぞ」
「う、うんっ」
さっきの事もありバツの悪そうな顔を浮かべながら少年はベッドに寝かされた少女を見やる。
(こうしてみると結構、可愛いかも・・・はっ!)
さきほどの事も思い浮かべ、更に顔を真っ赤にさせる・・
その様子を見て、苦笑すると少年の頭をポンポンと軽く叩いた。
「・・・・んっ」
「あっ、気がついたみたいだよ!」
少女の意識が戻った様子を見やると優しく声をかけた。
「大丈夫?」
「・・・ここは・・どこ?」
「ここはワルキューレの中だよ、ボクと父さんの戦車さ!」
うつろな目を少年に向け、
「わたしは・・・誰? なんでここにいるの・・」
「へっ? 何にも覚えてないの?」
「・・・・・・」
焦燥しきった表情を浮かべ、何かを思い出そうとする少女・・
「どうやら何かのショックで軽い記憶喪失になったみたいだな。近くの街に病院があるからそこで見てもらおう」
そう言うと、操縦席に向かいワルキューレと名乗る戦車を発進させた。
「わたしは・・わたしは・・・」
何も思い浮かばない事を怖がってるのか、苦悶の表情を浮かべる少女の手を優しく握ると
「大丈夫だよ、そのうち思いだすさ! それまでボク達と一緒にいよう」
そしてニッコリと少女に笑いかける
「・・いいの? 迷惑じゃないの?」
「全然! いままでずっとボクと父さんの2人きりだったし、それにキミが居てくれた方がボクも・・」
顔を真っ赤にして鼻の頭を照れくさそうにポリポリと掻く。
「・・・ありがとう」
少女は初めてニッコリと笑いを浮かべた。
「えへへっ、そうだ!名前ぐらいは分かるかな? ボクはコリャと言うんだ」
「わたしは・・・わたしの名前は・・・・うっ!」
「あっ、無理して思い出さなくてもいいよ! ゆっくりと思い出せば・・」
「ううん、何か思い出してきたの・・・そう、わたしの名前・・・」
ベッドから上半身を起こし、少年・・・コリャを見つめ呟いた。
そう、わたしの名前は・・・・・・セ・・・
〜続く〜
−前書き−
っと言うわけで、始まりました「One to Heart」!
これは1年以上も前の98年11月から、目がランチャーさんのHPで開催されていた
「リレー小説式人気投票」と言うもので書かれていた作品のセラくんバージョンです。
どんなものかと言うと、自分の好きなキャラを登場させて投票するという
一風変わった人気投票だったんです。
で、自分が参加したのは途中からだったのですが、その特異的なシステムもありストーリー内容は・・
面白ければ何でもあり!
と言う感じでした。(^^;
またリレー小説という形ですので大元のストーリーなぞ無く、投票する人が好きに繋げて行くことが出来ました。
途中からはある程度の形にまとまり、最終的にはエンディング&エピローグを迎え、
半年もの長きに渡り連載されてきたSSは終了しました。(まぁ、毎日投票では無かったのですが)
上記にもあった「面白ければ何でもOK」という事で内容や設定はかなり無理無茶です。
また、投稿する人たちが、メカ&軍事オタク・アニメ&ゲーム好き・・etc
ということもあり、内容はそちら方面のSFアクション的な感じでした。(笑)
まぁ、自分自身も関わっていたので人の事は言えないんですけどね。(^^;
そして、今回書き始めたSSはこれをベースにしたセラくん独自の「One to Heart」です。
オリジナルをベースにしながら自分なりの味付けをして行こうと思ってます。
っと言うわけで、
・このキャラはこんなことしない!
・こんなこと出来るわけない!
・自分のお気に入りのキャラをこんな目に遭わせて!
・好きなキャラが出てこない・・(笑)
などと言ったクレームは一切なしです。
自分が関わった思い入れのあるSSであり、一番好きなSSでもあるこの作品を
自分の好きなように、また作りあげていこうと思います。
誰かに読んでもらうというより、自分が読みたいから書く・・みたいなものですね。(^^;
それでは、後書きでまたお会いしましょう♪
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