土つくり 耕楽園 いちじくの志田ファーム
ひゃくしょう |
土つくり耕楽園 小さな農場からの情報 |
微生物利用生態農法とは
微生物利用生態農法は: | |
微生物〈土壌生物〉の生態系を守る、生の有機物循環(微生物のエネルギー源である炭素の円滑な循環を図る〜食物連鎖)をおこない、全てを生かす土つくりをして植物生産をする ボカシ肥作りに始まり、ボカシ肥作りに終わる 病害は土つくりで回避 |
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微生物の生態系が土をつくり植物を育てる | |
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微生物たちが植物の健全育成させ、 病気を防ぎ、 植物生産の高品質多収に貢献する。 微生物利用有機栽培のものは色・艶・味・香りがちがう。 |
微生物利用生態農法とは: 微生物は畑の生態系の維持に不可欠な存在です。 畑の全てを生かすために、微生物(生物)のエネルギー源〈エサ〉である炭素(有機質資材)の円滑な循環を図り、天敵や微生物に働いて貰う生態系を保って、*有機的なつながりを創りだす。 微生物は、 土壌中における物質循環の担い手 作物養分の貯蔵源・供給源として重要な働きをする 植物の健全な生育をさせる 病害は、畑の微生物の生態系が崩れた時に発生する。 有機農法とは: 手間暇かけた堆肥、有機質資材を使うから有機農法ではなく、*有機的なつながりの中で土壌生物と共に生きるための農法をいう。 単位量当たりの土壌の微生物を増やす働きは、堆肥より有機肥料・生有機物の方が格段に高い。天敵や微生物に働いて貰うのにタダというわけにはいきません。 衣はいらないようだから、食と住を提供しなければならなりません。 絶対に必要なものは食の餌である生の有機物だけです。害虫も天敵の餌ですからこれは殺してはいけません。 棲みよい住環境の住は、彼らが自ら土を団粒化し通気性、通水性、保水性の良い状態にし乾燥や寒暖の差に強い状態に変えます。有機質資材は土壌物理性、化学性の改良効果が意外と高い。 *植物生産に必要な各部分が密接に結びついて互いに影響を及ぼし合って「―な関係」「―に結びつく」ように、各セクションが、互いに密接な統一と関連をもっていること。 |
微生物利用は農業科学 地球の土壌形成は、生命(微生物)の誕生と共に始まった。 それとともに新たな生命を生んで来た。 生命の生みの親、地球上の物質循環の主役である微生物を脇に追いやってはならない。 堂々と主役の座に据えて活躍させなければならない。 微生物利用は、農業の本来の姿で、古くて新しく、その考え方は自然科学であり、農業科学とも言えます。 微生物が土と植物を介していることを深く認識しなくてはならない。
病原菌になる微生物は少ない 微生物のなかには病原菌になるものもいますが、大部分は、動植物の生命・環境浄化に活躍してくれる微生物ばかりです。生命の生みの親たちが悪さばかりするはずがありません。 私たち動物の身体のなかで健康の維持にとってなくてはならない存在です。 また、身の回りでは、環境浄化・医療・発酵食品や洗剤用酵素などを作る微生物が活躍しています。 微生物は地球上の物質循環の主役でもあります。 動・植物の病原菌の多くは人間のエゴ、環境破壊から生まれている。微生物を非道に育てない、病原菌を進化させない、そんな心配りをしたいものです。 『生きた土』は微生物層が豊か 化学農薬や化学肥料を使いすぎると『死んだ土』になっていき、土壌小動物・微生物層が豊かになると『生きた土』になります。『生きた土』の『生きている』部分は、土壌小動物・微生物たちの増殖と活躍がみられます。 人間が病気にかかるように、野菜も病気にかかります。 病気を治すためには人は薬を使い、野菜は農薬を使っています。 野菜の場合、微生物を利用して、助けられて病気を防ぐこともできるのです。 自然界では微生物の弱肉強食の生存競争と共生・協働が見られ、野菜などの植物に病気を起こす微生物もいれば、その微生物をエサにしたり、活動を抑えたり、溶解する微生物もいます。 微生物のなかで有害な病原菌を退治する微生物を拮抗(きっこう)菌と呼んでいます。 特定菌だけ占有させないように、微生物の生態系を整えて微生物相のバランスをとってやる。あるいは拮抗菌を畑のなかに増殖環境をつくってやれば、農薬を使わなくても病気の発現を抑えることができます。 例えば:枯草菌(こそうきん)で土壌病害を防ぐ。枯草菌は納豆菌の仲間で、枯れ草の中 にいます。 萎凋病、苗立枯病、立枯病、黒腐菌核病、そうか病、根腐萎凋病、青枯病、 微生物農法の取り組みは、微生物のエサや居住環境作りなどを理解して行うとよい成果があげられると思います。 地力は有効微生物の生息数に比例する 有効微生物の生息数が増えれば生産力も上がるわけです。 土壌の性質や気温の関係があるので、微生物・有機栽培に当ってはこの性質を理解しおく必要があります。 農業の中での微生物の役割は、有機物・有機肥料や化学肥料を分解し、植物が吸収できる栄養分に代えることです。単に有機質や成分を与えただけでは植物の生育の役には立たないのです。それらを栄養分に代えてくれる微生物が必要なのです。 地力窒素と言われるのは、土壌中の有機物から発生する窒素なのです。 作物の吸収する窒素の50%は施肥料によりますが、残りの50%は地力窒素に由来しています。 この50%地力窒素のうち約半分は微生物の菌体から吸収していると考えられるのです。 酸素の供給は良質品をつくる 地表1〜5cmの土の中に植物に必要な栄養を作り酸素を作る工場群があります。 この1〜5cmのところに水が含まれると微生物は酸素を作り、またN(窒素)を硝酸態にし、有機質を分解して植物の根に送る役目をしています。 私達動物の胃や腸は体の中にありますが、植物は体の外の土であり、土の中の微生物なのです。 生物は酸素でエネルギーを燃焼させ生活しています。植物は葉で光のエネルギーを利用し炭酸同化作用を起こしグリコーゲンを合成して、そのグリコーゲンを根から吸収した酸素によって燃焼させて生育のエネルギーを得ているのです。 植物エネルギーのグリコーゲン→酸素→燃焼して生長エネルギー 生長エネルギー 葉を出し、花を咲かせ、実をつける 微生物 酸素呼吸→代謝エネルギー→硝酸態Nでありアミノ酸、ビタミン、ホルモンな どの水溶性物体→根から吸収されて栄養となる
酸素が多いと、栄養吸収が多くなり、着色が顕著に表れ、糖の含有度が多くなり、酸が糖に変化するときの酵素の働きを活発にし、果実にミネラルを増やし糖度と酸度の間にバランスを持たせ、ビタミン・ホルモン・ミネラルの含有度を高める働きをします。 酸素はどこにでもある一方、原因不明の生理障害や病害の原因が酸素不足であることが少なくありません。 微生物が役目の中で土の団粒化を図り酸素を作り植物の生育に貢献している。 酸素の供給は、 1.根腐れが起こる 2.発育が止まる 3.樹勢が劣える 4.落葉・秋葉がする 5.病害にかかりやすい などを防ぐ。
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有機物と土壌生物のリサイクル
土の中には様々な微生物が生息していています。 この多種多様な微生物を活性させるためには餌となる有機物の施用が大切になります。 有機成分を微生物が分解し、植物が吸いやすい養分として供給して活性化させる。 植物の根から出る代謝物などを栄養源とするたくさんの根圏微生物が多種類集まります。 この中には、これをエサとする土壌病害菌、線虫なども集まります。土壌病害菌、線虫をエサとする微生物やミミズが増え、ミミズをエサとするオケラ・モグラなどが出てきます。 有害菌といえども有益菌のエサとして必要だ。 これらの微生物や小動物が水や酸素を深層部まで誘導し棲息領域を広げながら団粒土をつくっていく。 その結果、植物の根張りをしやすくするため活性化させる。微生物の活動で地温も自然に上がるのです。 微生物が死ぬと有機物として他の微生物エサに利用される。 微生物・土壌小動物間で弱肉強食、生存競争、共生共存がなされ、リサイクルが行われているのです。
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