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ボカシ肥料(アミノ酸核酸肥料・発酵肥料)

化学肥料と有機質肥料 ボカシ肥料とはなんだ? 『ボカシ』とはどんな意味か? 醗酵されればそれで良いのか?ノー ボカシの価値
極上ボカシ肥料のパワー源 水加減 腐敗臭アンモンニヤ発酵したら 失敗しない簡単な方法 ボカシ作りが失敗したら

微生物農法は”ボカシ肥づくりに始まりボカシ肥づくりに終わる”と考えるべきです。

















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化学肥料と有機質肥料

有機質肥料を使えば品質収穫が向上するか?というと必ずしもそうでもない。

化学肥料と有機質肥料の違いは、化学肥料が炭素を持たず土壌のC/N比をストレートに下げること、有機質肥料は炭素を持っていることに意味があります。

でも、炭素があるといってもまだまだ炭素率の低い有機質肥料(ほとんどC/N9以下)で土作り、すなわち物理性の向上や品質・収穫が向上した話は滅多になく困難なものです。

有機質肥料といえども使い方次第では、特に過剰施肥で化学肥料でいわれている土壌と水質汚染に直結しかねないし、化成肥料と同様、高栄養には土壌病原菌が先に喰いついて増殖し、病害も減収も余儀なくさせられる恐れが多大です。

土の土台である物理性(土壌中のC/N比・比重・三相分布)が適正であれば安い化学肥料でも無農薬・高品質・多収穫へのコントロールは容易です。

物理性が極端に不適切ならどんなことをしてもいけません。

◎有機質肥料の持ち味を活かし、その役割を期待できないか?

それがボカシ肥料(発酵肥料 アミノ酸肥料)です。

ボカシ肥料の作り方、出来上がりが大事になります。

炭素率の高い米ぬかを使って醗酵させ、アンモニア態窒素にせずアミノ態で植物に吸収させるようにする、有効微生物の塊をつくるところに価値があります。

『ボカシ』とはどんな意味か?

話をぼかす、色をぼかす、と同じ様な意味合い。

有機肥料を微生物によって発酵させて原形からぼかすところから、ボカシ肥料と呼ばれています。

ぼかすのに醗酵熱の蒸気で『蒸す』『ふかす』わけです。

ボカシ肥料とはなんだ?

一般に植物は『無機態チッソで吸収される』というリービッヒの法則を意識しますが、有機質肥料を醗酵(ボカして)させて『アミノ態・核酸で吸わせる』のがボカシ肥料です。

  アミノ酸は、窒素源
     核酸は、生物に共通の遺伝を司る化学物質で、農業上はDNA(デオキシリボ核酸)ではなくRNA(リボ核酸)のほうです。
     根から核酸関連物質を与えると窒素供給とは別に高い生育促進効果のあります。

ボカシ肥料は、数種類の有機質肥料((4種類以上 米ヌカ・油カス・骨紛・魚カスなど)に微生物資材を入れ、総有機質肥料の40%の水で撹拌、40日ほど掛けて麹のように醗酵させたアミノ態肥料のことをいいます。

  有機肥料は組み合わせると効果拡大する!
     有機肥料は、その種類によって無機化の特性が異なり、養分供給以外の効果も異なります。
     そこで、いくつかの種類を組み合わせて使い、それぞれの性質の恩恵にあずかるわけます。

「醗酵」という過程をとり、グレードの高い完熟有機質肥料を手づくりするわけです。

一般的には、コウジ菌納豆菌乳酸菌酵母菌放線菌という順序で微生物の力を借りて、有機材料を醗酵させていきます。

発酵させることにより生の有機質肥料より肥効が早く土壌中の有効微生物も多くなります。

ところが納豆菌乳酸菌あたりで腐敗菌(腐敗発酵)がはいるか、酵母菌放線菌という順序に届かず(焼けボカシと乾燥ボカシ)終わってしまう。

アミノ酸生成の浄菌(芳醇)発酵と腐敗発酵(アンモニア発酵)の違いは全く異質なものになってしまう。

アンモニア態窒素に醗酵させてものは、腐敗菌(病原菌)の塊なので化学肥料より性質が悪い。

ボカシの施用は、化学肥料の無機態で吸わせて葉でアミノ態を合成して根に戻しあらためて各部所に送る行程を省くことができるのです。

これにより、葉が自ら合成したアミノ態を自身が十分使うことができるわけです。

なおかつ、実にも十分供給することができて果実がいっそう美味しく、しかも品質向上や日持ちの良いものになっていくのです。

ボカシ作りは、有効菌を増殖させるために、できるだけ光が入らない暗い所で作る。

発酵を早めるために、ラクトバチルス(乳酸菌)、酵母菌など多くの菌を使ったボカシ肥料作りをおすすめします。最低1ヶ月以上は発酵期間が必要ですから、秋のうちから用意をしておきましょう。

原材料

微生物資材

備考

ボカシ肥料

山・多・畑・海のものをできるだけ数多く混合を原則とする。

なたね油カス、魚カス、骨紛、米ぬか、カニ殻、魚腸血粉、グアノ、ピートモンスくん炭、粘土鉱物など

放線菌・土着菌・ラクトバチルス(乳酸菌)・酵母菌・枯草菌など多種の菌を使用

雑菌の少ない11月以降3月までの時期に嫌気性・好気性発酵させて作ります。

参考 ボカシの材料のページ

ボカシにも炭素

 ボカシ肥を作るのにも炭素が関係しています。有機質肥料は炭素率が9以下です。

炭素率9以下の場合腐敗菌が入りやすい。炭素率10〜12位に上げて作るのがいいでしょう。私は炭素率20の米ぬかを余分に使っています。

粘土、土、モミガラなどを使う人もあります。このことはその人たちが意識しているか否かはいずれにして炭素を上げるのに大いに役たっているわけです。

他にはゼオライトを使う人もあります。

ボカシつくりに炭素と水調節が大事なポイントになります。

醗酵されればそれで良いのか?

ノーです。

『腐れボカシ』(アンモニア発酵)だと腐敗菌(病原菌)をわざわざ増やして畑にばら撒くようなもので病害を拡大する手助けとなります。

『焼けボカシ』と『乾燥ボカシ』はボカシ肥料としての価値は薄い。

有機質肥料成分を減らした上に、本命の微生物群が激減してボカシ肥料の体をなさない。スイカに水分が無く綿菓子のようになったより悪い。

是が非でも浄菌醗酵させ『極上ボカシ』にする必要があります。

ブドウ糖、高級アルコール、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、有機酸・核酸・酵素、植物ホルモンなどを含み、完熟が31、中熟が31、生加減が31の三相があるようにする。これで肥効の長期利用が出来る。

ボカシの価値

肥料成分もだがそれ以上に畑自体にもプラスαの効果があり非常に大事なことなのです。微生物の働きと彼らが分泌するもの、そして彼らの死骸による成分が想像以上の大きな効果をもたらします。

微生物の力をあなどってはいけない。

ボカシ肥料の最大のメリットは、団粒構造にして物理性を善くするだけでなく、化学性、生物性を改善する。作物にとっては美味しくなり日持ちがするということでしょう。葉物でも甘味が違う。

ボカシ肥料は肥料成分の施用とともに有用微生物の施用も主たる目的なのです。

ボカシ肥料の窒素成分であるアミノ酸が、直接根から吸われるため野菜自身が糖分を貯めやすくなるためです。

肥料である点で化学肥料と似ていますが、有機質の発酵を利用(有効微生物群)する点で化学肥料と異質なものです。農業の基本は土作りにあります。

とりわけ有機農業においては、その労働と英知の大半を土作りに充てているといっても過言ではありません。

それは健全で力強い土地を育むことによって、病害虫に強く、栄養豊かで安心安全な作物を作ること、そして多収につながるためです。

有機質肥料としての肥料成分に加え微生物の活用でいっそう優れた肥料に高めているためです。農業分野における微生物の活用が脚光を浴びていると言う人達が多いが、農家の微生物利用は昔からあったものです。

ボカシ肥料は肥料成分の施用とともに有用微生物の施用も主たる目的なのです。微生物増殖のためには、微生物の餌(人間・動物と同じ)になる生有機物の存在と、微生物の住処を提供する炭などの存在が重要なのです。

上質ボカシ肥と100%有機肥料は違う

有機肥料をボカすとアミノ態肥料に変わる。有機質肥料とアミノ態肥料はまったく異質な肥料です。
生育・肥大 生育・肥大
タンパク質合成 タンパク質合成
アミノ酸に変化するまでの四行程が省略できる。
この間に必要な吸収エネルギー、代謝エネルギーは直接タンパク質合成に使用でき、含有成分以上の働きが発揮できる。
アミノ酸 植物に吸収 アミノ酸
アミド
葉の糖分を使用(糖分消耗)
葉  一部アンモニア態窒素に還元
植物に吸収
微生物と共生   
微生物に分解されて
微生物に分解されて 亜硝酸態窒素
硝酸態窒素 ーーーー
微生物に分解されて
アンモニア態窒素
化学肥料・100%有機肥料 上質ボカシ肥アミノ態肥料



上質ボカシ肥を使うと、省かれる過程がある分成長速度が速い。

上質ボカシ肥を使うと、葉の糖分は消耗されないので、糖分の高い作物が収穫できる。

併せて高品質・多収穫ができる。


100%有機肥料と上質ボカシ肥の肥料効果は異質なものです。

温かく(作物の成長期)なって高栄養の有機肥料と微生物を投入して圃場でボカシをつくる考えは捨てるべきです。病害の巣を作る行為です。

高栄養の有機肥料を投入すると、はじめに食いついてくるのは雑菌であります。この雑菌の中は腐敗菌、有害菌が多い。有機肥料は有益菌のえさにならず病原菌のエサになってしまう。

だからこそ、ボカシ肥つくりは低温時期(冬季)に行うのです。

日照不足時・低温時の相異点

普通肥料            上質ボカシ肥
                    (アミノ態肥料

日照不足   低温時             ↓

↓      ↓              ↓

光合成低下  肥料吸収低下           ↓

↓      ↓              ↓

光合成産物不足  体内肥料分不足        ↓

↓______↓              ↓

↓                 ↓

  追肥 →体内養分(糖・アミノ酸)不足  体内養分(糖・アミノ酸)不足

   タンパク質を合成減少↓                    ↓

生育不良             アミノ態で吸収

高効率にタンパク質を合成 ↓

 生育肥大回復

植物は、葉で日照、適温を利用してアミノ酸、核酸、糖類等をつくって、それを一度根に戻し各部所に配布してタンパク質を合成して生育、開花→結実、肥大につなげる。

アミノ態で吸収させることにより根に戻し各部所に配布する手間を省いてやれる。
それによって葉で生成された糖分は根に戻さず葉で消費するだけでよい。
体内養分不足をおこしてもアミノ態で吸収させることにより生育肥大に必要な養分は確保でき多収につながる。


アミノ酸は、炭素、水素、酸素、窒素、そしてまれに硫黄(いおう)からなる。

参考
光合成細菌PSBの分泌物中には、アミノ酸の一種プロリン、核酸の一種ウラシル・シトシン等の物質が多量含有され健全な開花結実を促し、増収をもたらす。

参考

光合成 葉緑体: 

太陽のエネルギー→化学エネルギーに変換→ATP(植物の各代謝にエネルギーを供給)が生成→空気中の二酸化炭素(CO)と水(HO)→有機物(糖)を合成し酸素を発生

窒素の代謝 酵素反応により生成されるもので窒素同化産物

無機態窒素グルタミン 一次アミノ酸の生成そのほかのアミノ酸への転換ペプチド、タンパク質、核酸など複雑な窒素化合物へと変化

ボカシ肥料の特長

アミノ酸が美味しい作物を作ります。

微生物が根をガード連作障害病気が減ります。

作物の根はりが断然違います

作物の増収に。

主なアミノ酸の特長

旨味(グルタミン酸、アスパラギン酸)着果促進(プロリン)

糖の蓄積(セリン)着色効果(ロイシン、イソロイシン)

抗菌物質で病原菌侵入阻止(フエニルアラニン)

など

極上ボカシ肥料のパワー源

1、酵素

2、キレート化と錯体化

3、植物ホルモン

4、ビタミン

    5、有機酸・核酸・アミノ酸

温度・水加減

ボカシの失敗のほとんどが水加減だと思われる。

ボカシづくりスタート時の水分は40%。材料100kgであれば水40g。計量器で計るなら40kg。

高水分(50%)高温(50℃)で醗酵させると腐敗醗酵しやすい。

醗酵温度は、50℃を限度とする。

水分30%と水分40%では醗酵時間が変わる。水分が少なければ遅くなるのは当然です。

醗酵温度が30℃まで下がったら水分を補給して醗酵熱を上げ、20日間醗酵を続ける。

腐敗臭・アンモンニヤ発酵したら

木炭かゼオライトの混入をする。それでも臭いがあるときは光合成細菌を使う。

『失敗しない簡単な方法』のBを行う。

光合成細菌を使うのに、最初からでも途中水を加える時でも良い。

失敗しない簡単な方法

@菌の種類を変えてみる 好気性菌を使用していたら嫌気性菌(カルスNCRなど)に変える。

A失敗は水分と温度がカギ 水分40%と温度50℃以下を厳守。

B一度につくる量を分ける 1tつくる場合200kgづつ5山にする。

 失敗した山が出来たら早い段階 (醗酵してから5〜7日のうち) で、良い醗酵の山に10%程度づつ入れて混合する。それを710日繰り返せば終わる。

ボカシ作りが失敗したら

悪いボカシは、入れてはならない。

ボカシ肥料の効果が無くなるばかりか、腐敗菌が増殖して土壌病害・害虫などの増殖土壌を作ることになる。


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