Beginnerのためのいちじく栽培

一文字整枝仕立て

いちじくは、風当りが少なく日当たりの良い場所で、乾燥しない所であれば土質は選びません。いちじくの新梢はすべて結果枝になり、実は一葉に一果なります。

【いちじくの主な品種】 いちじくの品種は数10種類ある。私はそのほとんど知らない。 

夏果専用種

ビオレー ドーフィン

サンペドロ ホワイト

など

花が雌花で第一期果は単為結果し、第二期果は受粉が必要となる系統種で、果実は生果や乾果として利用されます。

秋果専用種

蓬莱柿(ほうらいし)

ネグロ ラルゴ

セレスト

アンドリアチック、など

花は雌花で受粉あるいは単為結果で結実します。生果、乾果として利用されます。

夏果秋果兼用種

桝井ドーフィン

ブラウン ターキー

ホワイト ゼノア

カドタ

ブルンスウィック、など

日本では「桝井ドーフィン」と「蓬莱柿」の栽培が多い。

桝井ドーフィンは果果実が大きく収量も多いのですが、品質的には中程度です。

家庭果樹用としては「ネグロ ラルゴ」、「セレスト」、「ブラウン ターキー」などがあります。缶詰用には「カドタ」、乾果用には「ブルンスウィック」が適しています。

セレストブルー

ひとくちサイズで皮ごと食べられる。ねっとりと甘く品質極上品種。

カドタ

熟しても緑の美味しい品種。

ネグロラルゴ

外見黒色で濃厚な風味を持った品種。

ザ・キング

外見緑色の大果種。糖度が高く非常に甘い。

蓬莱柿

熟すと先から裂けてくる。子供の頃食べたイチジクは全てこの品種。美味しい。

リサ

ニュージーランドからの輸入種。上品な甘味と爽やかな風味。

いちじくは加工しても美味しい。加工のポイント:必ずレモン汁で補うこと。いちじくは甘味が強いのですが酸味に欠けているからです。

植樹準備

耕起: 秋 30〜50cmほど耕こす。

・植付ける捕場は、水稲を栽培していた水田あとが良い。普通畑に植える場合は、ワラ等の有機物と石灰をすき込んで置くとよい。

苗木植樹

植え付け時期: 12月から3月、厳寒地方は12月か3月上旬に定植するとよいでしょう。

◆植え付け:排水良好の場所で・水やりがし易い場所

 排水の悪い所では、畝を高くする等の工夫をして下さい。

  畝幅は2m〜2.5mとして、4m間隔で植える。

(畝間×株間を 1.5m×4m〜2.5m×4m)

場所がなければ適宜で。ポット植えでも結構。

植えたら、地上から40〜50cmのところで切り落とす。

 (切り落とした枝を挿し木にしたら。)

定植後は十分な敷きワラをして下さい。ワラがなければ腐葉土、落葉、刈草、ダンボールなどでもいいです。

新植樹の管理

・1年目(翌年春以降)は主幹の両側に1芽づつだけ残し、将来の主枝(左右に広げる枝)に育てます。

残す枝は勢力が強く、主幹に対して発生角度が広いものを目安とします。

その他の使わない枝は芽かきして捨てます。

 ・主幹の両側に出た2本の枝(主枝候補の枝)は、下図の要領で支柱を立てて誘引します。

  主枝候補の枝は45〜60度に倒して支柱で誘引し、冬季剪定の時期までそのまま伸ばします。あまり倒しすぎ
  ると横枝が出てくる。

若木でも果実は着くけれど全部欠き落とそう。

 ・乾燥に弱く水が好きだが水のやりすぎに気をつけよう。(溜まり水は嫌う)

芽かき

左右真横に40〜50cm間隔で結果枝(芽)を出し支柱を立てる。それ以外(真上・下枝を含む)は芽かきをする。

施肥:9月にお礼肥え、12月〜2月に元肥え・有機物・腐葉土などを表土に敷く。

   生育にあわせて追肥を行う。

成木の年間施肥成分量/m2当り : 窒素;15〜20g・リン酸;10g・カリ;15〜20g

整枝剪定:

「一文字に仕立てる」作業収穫しやすい。

樹高は管理上あまり高くせず、12月〜2月中(休眠期)に剪定します。

いちじくの新梢はすべて結果枝になります。夏果は前年生枝に、秋果は本年生枝に結果するので、品種によって剪定の方法が異なります。

●夏果専用種:間引きを主体に・枝を多めに残す。結果部位が上昇して枝が下垂してきたら、枝を切りつめて新しい枝が出るようにします。

●秋果専用種:若木や樹勢の強い木は間引きを主体に、落ち着いた成木は側枝の切り返しを主体に、衰弱した木は主枝の切り返しを主体にします。

●夏果秋果兼用種は両方の剪定を適宜とり入れて剪定をします。

夏果秋果兼用種の結果習性

新梢の各葉腋に着果した果実のうち、下位節のものは秋果として8月から秋にかけて熟します。

これより上位節のものは冬の低温に合って落果しますが、さらにその先端部は芽の状態で越冬し、翌年の夏果となります。

でも秋果(8月〜10月)のほうが美味しい。秋果を楽しむほうが収穫も多いし無難です。

なんか難しい話になってしまったがとりあえず2芽残して根元から切り落としてしまえ、・・・ってことです

コンテナ栽培

コンテナ栽培は露地栽培と比べると密植ができる。

コンテナは狭いので樹が大きくならず、根も老化しやすい。それに乾きやすい。

コンテナの間隔は:約2m。

整枝:一文字仕立てにし、左右1m伸ばす。

   片側にそれぞれ4〜6本の結果枝を立てる。

コンテナの容量:11号(直径 約33cm)ぐらいで深さ60cmぐらいのものから。

用土量:植え付け4年目まで24〜48リットルが適当。

用土:一般的コンテナ用土は バーク堆肥2:サバ土(真砂土)2:パーライト1 ということになっています。

   大事なのは排水がよいことです。

植栽:コンテナに土を六分目くらい用土を入れて植える。

   いちじくの根は上根なんです。

それで毎年3cmずつ客土して新しい根を出させます。

上に敷きワラなどでマルチをする。

夏場のかん水はこまめに。

増殖は:挿し木

冬に剪定した枝を5℃で保存して5〜6月に挿し木をする。

冬季の挿し木(私の方法)

小正月が過ぎると仕事始めに剪定をします。剪定枝を挿し木にするのです。

必要な穴溝を掘ります。

モミガラを少量混ぜた腐葉土(落葉)を下に敷き詰めるか囲い、土を盛ります。

挿し木をした後に敷きわらをする。

ビニールを掛ける。凍るような夜はコモを掛けます。

腐葉土(落葉)の中に米ぬかで増量した微生物資材をチョビッと入れています。

少量の挿し木でしたら発砲スチロールの吐露箱を使ってもいいですよね。

説明が解りにくいようでしたらご連絡ください。解りにくい説明なら私の勉強不足ということです。