('99年 12月22日 更新)

雨読天晴耕

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“でろ”とは?


古来,いにしえの昔よりこの地方駿東一円富士山麓一帯では土のことを,ツチ,ドロとはいわず“でろ”と表現している。
いわく
「またそんなにでろだらけになって遊んできて・・・・」
いわく
「少しぐりゃあでろがついていたってでゃじょうぶだから喰え・・・・」 いわく
「風が強くってうちんなかじゅうでろだらけだ・・・・」 などなど。
それは,泥→どろ→でろになったものと思われる。
“どろ”の語感はなんとなくねばっこい
“でろ”ならいかにも乾いた感じで親しみやすい。 我が幼少のみぎり子供心にもそこらじゅうが田や畑だらけでずいぶんのどかに感じられた,朝から晩までその“でろ”の中で生活していたわけだから今でも“でろ”に対する不潔感,嫌悪感はない。
何百年となく永々と続けられてきたわが農耕民族,どこにでもある田舎の風景,使役の働力は牛や馬,それらが落とすおみやげは農道にも家の前の街道にもところかまわず点々としていた。

真夏の日照りの頃真冬のからっ風の吹く頃などにはそのおみやげが乾ききって風に舞い上がりその香ぐわしい匂いと共に吸い込み,あるいは,でろと共にのみこんでいた。
そんなわけで“でろ”の語感には今でも強い愛着と執着があるわけで・・・・。
長じて趣味を生かした家庭菜園作り。人生どこでどうなるものやら世はまさに生涯学習余暇作り生きがいをみつけてボケ防止,週休2日で金はない・・・・。ならば昔なつかし“でろ”いじり金もかからずストレス解消穫れたて旬の味三昧,もとより汚れる事には抵抗なし必要とあらば,なつかしのあの物体を素手でいじくりこねくりまわす。昔から永々と続けられてきた世にいう有機農法,色つや良くて香り良く甘みほのかに旬の味。
かくして“でろ”と戯れ日がな一日。
雨が降ったら書をひもとき,晴れたら耕す晴耕雨読,晴れたらいいな雨でも・・・・さ・・・・。
そんなこんなで,5,7,5,7,7の31文字ミソヒトモジ。
鍬を振り振りひねってみたら不思議と簡単すらすらできる,思いついたら実行あるのみ,できたぞできた我れにもできた,ひねってこねくり行雲流水,森羅万象,花鳥風月,汗牛充棟,欣喜雀躍・・・・。
かくして「ねえ,どうせなら関心のある人に見てもらったら・・・・」という事にあいなった。
果たして世の常識知識人の反応やいかに・・・・!!


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