時間が10秒以上は必要なのに、10秒未満の時間制限しかないのでは現実においても、
ウサギがカメに追いつくことは絶対にありえないことになる。            
 理論上での結論が一致するわけだから実際ここにはパラドックスは生じないのである。
                                        
 おそらく、全てのパラドックスは、このような要素が欠けたまま、理論と現実の食い違
いを考えて生じたモノと、現実には絶対に存在しえない、言葉や仮想の中だけのモノとに
分けられるのではないか。                            
 ちなみに、後者は、”黒い白馬”とか”まっすぐな曲線”とかである。       
                                        
 こう考えると、パラドックスが現実に存在することはありえない。         
 だが、パラドックスが存在しないからといって、考えるのはくだらないとか、ばかばか
しいというわけではなく、一つの事実は残されている。               
 過去あった、幾多の大発見の多くが、パラドックスの理由を考えることから始まってい
るのは疑いようのない、事実なのである。                     
 パラドックスを認めようとしないで、法律も、くだらない通説もまかり通る世の中では
”パラドックスは満ちあふれているのに、現実には存在しない”というパラドックスも埋
もれてしまうのではないだろうか。                        
  
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