チップ詳細
チップが欠け易い ➡ スピンドルの回転を上げる、給圧を下げる
チップの摩耗が激しい ➡ スピンドルの回転を下げる、給圧を上げる
- 土木ボーリングチップの性質
- 土質による使用例
- チップとスピンドルの回転数との関係(rev/min)
- 【チップの損傷と対策】チップが欠け易い➡スピンドルの回転を上げる、給圧を下げる/チップの摩耗が激しい➡スピンドルの回転を下げる、給圧を上げる
チップとは? 超硬合金(超硬:Hard metals semented carbides)
現在、超硬合金は切削工具、耐摩耗工具部品、鉱山土木のほか広い分野で利用されております。身近なところではボールペンのペン先(小径の球体)等に使用されるなど意外な所にも超硬合金は浸透してきております。
この超硬合金の主な特徴は
1.硬度が高く高温下でも軟化しにくい。
2.空気中での耐食性が良い。(錆びない)
3.圧縮強度に強いが引張強度には弱い。
4.熱膨張係数が小さい(鋼の1/2)等が上げられます。
以上の様な特徴を生かせる分野では超硬合金は無くてはならい金属として活躍しております。
超硬合金の製法はタングステンと炭素を化合させた炭化タングステン(WC)に、結合材としてコバルト、ニッケル、その他目的に応じチタン、タンタル等の添加物を混合し、プレス圧粉体にします。この時の圧粉体は石鹸と同じ位の硬さにあります。これを1450℃から1500℃の高温で焼結処理(焼結:加圧成形した圧粉体を焼結炉で焼くことにより粒子結合させる)することにより超硬合金が完成します。
合金に添加されるコバルトには大きな役割があります。コバルトは粘性が高い物質であり、結合材としての役割以外にも、硬さ調整に大きく影響する物質でもあります。コバルト含有量の多い材質は靭性は高くなりますが、硬度は低くなる。逆に少ない材質は硬さは高いが靱性は低くなる。と言った具合で硬さと抵折力には相反する作用が働くのも特性の一つであります。又、WC粒子の粒径が微粒化するほど硬度は高くなりますのでWC粒径と結合材は超硬合金の特性に大きな影響を与えている要素の一部でもあります。
<超硬合金の歴史>
1918年、第一次大戦後のドイツではダイヤモンドが欠乏した為、ダイヤモンドに変わるダイス用材料の開発がOsram社で始まります。ここで始めてWC粉末を作り、これに鉄系金属粉末を添加する事により、焼結処理を世界で始めて成し遂げます。こうして出来た合金は均質で強靱性に富み、強硬度である事が判明。焼結法による合金製造は当時としては全く新しい発想でもあり、その後同研究はKrupp社に引継がれ製造技術に関する進化を遂げていきます。
1925年合金は工具として工業化に成功し、翌年にはWidia(Wie Diamant)の商品名で市販が始まります。日本では1928年頃から東芝製作所(現、東芝タンガロイ)、住友電気工業、三菱金属(現、三菱マテリアル)各社で独自の研究がなされ、1945年ごろには合金組成の大要が明らかになったと言われています。
(資料提供:日本ハードメタル株式会社)