この制度をご存じでしたか


身体障害者、知的障害者、高齢者、母子家庭の母のみなさん。
保育園などの児童福祉施設で非常勤職員として働くことができる制度があります。
その制度は1990年度から始まったもので、「児童福祉施設における入所児童処遇特別加算」というものです。ちょっと、こむずかしい名前ですが。
高齢者や障害者や母子家庭の母が、保育園などの児童福祉施設で、正規の基準に基づく保母の配置以外に、非常勤ですが職につくことができるのです。
三島市では、行われていません。静岡県ではほんの少しだけ行われています。





児童福祉施設における入所児童処遇特別加算について

この制度によって雇用できる人は
@
高齢者(60歳〜65歳までの人)
A
身体障害者(身体障害者手帳をもっている人)
B
知的障害者(療育手帳をもっている人、または「判定書」をもっている人)
C
母子家庭の母及び寡婦

です。
また、業務の内容は、
@
子どもたちの話相手
A
子どもたちの身の回りの世話
B
通院、買い物、散歩の付き添い
C
クラブ活動の指導
D
給食の後かたづけ
E
食事の介助
F
選択、掃除
G
その他

です。どんな仕事をするかは、その園との契約によります。
高齢者、障害者を雇用しようとする園が県知事に申請をし、要件を満たしていれば申請は知事によって認可されます。
高齢者、障害者、母子家庭の母などの雇用を進めながら、こどもたちの「処遇改善」を図るという制度なのです。
(保育園は公立、私立ともに実施できます。保育園だけでなく、養護施設などすべての児童福祉施設で実施できます)





全国の保育園で、どのくらい行われているか

全国の実施状況はかなり差があります。
静岡県では殆ど行われていません。
全国都道府県の担当者に電話で問い合わせをしました

各地の担当者のみなさん。親切に教えてくれた方、迷惑そうに教えてくれた方、
ご協力本当にありがとうございました。
*政令市、中核市は数から除かれています。○=雇用されている、×=雇用されていない
雇用された人の人数や雇用の時間数など詳しいことはわかりません。
都道府県
実施してる保育園の数
(施設数)
公立・私立の区分
被雇用者の区分
高齢者
身体障害者
知的障害者
母子家庭の母寡婦
大阪府
113
公立71・私立42
神奈川県
(不明)
山梨県
(不明)
長野県

×
×
×
×
愛知県
公立・私立
×
×
×
京都府
42
公立・私立
×
東京都
477
公立・私立
千葉県
65
公立・私立
×
宮城県
私立
×
×
×
10三重県
17
公立12・私立5
11熊本県
65
公立・私立
12北海道
(不明)
13青森県
26
公立1・私立25
14秋田県
12
公立1・私立25
×
×
15岩手県
34
公立・私立
16山形県
20
公立・私立
×
17福島県
12
私立
×
×
18新潟県
(不明)
19富山県
37
公立・私立
×
×
20石川県
公立・私立
×
×
21福井県
27
公立14・私立13
×
×
22茨城県
24
公立・私立
23栃木県
私立
×
×
24群馬県
公立・私立
×
×
25埼玉県
48
公立・私立
×
×
26岐阜県
12
公立・私立
×
×
27滋賀県
16
公立・私立
28兵庫県
(不明)
29奈良県
14
公立・私立
×
×
30和歌山県
公立・私立
×
×
31鳥取県
私立
×
×
×
32島根県
58
公立・私立
33岡山県
10
公立1・私立9
×
×
×
34広島県
20
公立・私立
×
×
35山口県
35
公立・私立
×
36徳島県
公立1・私立8
×
37香川県
公立4・私立4
×
×
38愛媛県
22
公立・私立
×
39高知県

×
×
×
×
40福岡県
(不明)
41佐賀県
公立・私立
×
×
×
42長崎県
32
私立
×
×
43大分県
(不明)
44宮崎県
97
公立・私立
45鹿児島県
(不明)
46沖縄県
176
公立・私立





この違いはどうしてでしょう

上の表からわかるとおり、沖縄県や東京都、大阪府などではかなり多くの園で障害者などの雇用がされています。対して、静岡県と同様に殆ど行われていない県もあります。
私が電話で直接担当者に問い合わせをした感じでは、実績のある県の担当者は自信があるせいか、かなり親切でした。一方、殆どやってない県は「なんでおたくにそんなことイチイチ答えなきゃなんないの?」という感じでした。それにしても、この取り組み方の違いはいったいどこから来るものなんでしょう。
この調査結果は「不明」も含んでいるので「中間報告」です。政令市、中核市の状況も明らかにして、その結果を三島市と静岡県に提出する予定です。そして、その「違い」について、市や県の担当者といっしょに分析をしたいと思っています。