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2000年8月3日(木)
静岡県教育委員会教育長 杉田 豊 様 障害児(者)の高校進学を実現する静岡県ネットワーク
県立高校入試についての要望書
日頃からのご尽力に感謝いたします。
1.「定員内不合格」を絶対に出さない。このため、各県立高等学校長宛文書通知し、また説明会等で趣旨を徹底する。多様な高校教育が公教育において求められて久しくなります。同時に高校進学率も年々100%に近づきつつあり、子どもたちの個性を積極的に受け入れ、その子らしい高校生活を送ることができるように関係者の努力が求められています。 文部省通知「高等学校の入学者選抜の改善について」(平成9年11月28日文初高第242号)も、このような社会的な要請の中から示されたものと考えます。その通知は、高等学校の入学者選抜の現状について、「選抜方法は『狭い意味での学力の評価に重点が置かれるなど画一的な点が多い』などの状況にあると考えられること」とし、さらに障害をもつ子の選抜については「選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図ること」としています。決して「障害をもつ子は養護学校の高等部への入学をすすめる」などとはしていない点が注目されます。そして、その方法の改善を促している点が注目されます。 さて私たちは、「障害」をもつ子が地域で共に生き共に学ぶあり方を求めてきました。このため、静岡県の県立高等学校の入学者選抜のあり方について改善を求めてきました。というのも、「障害」をもつ子は静岡県下の公立高校へは入学できないという現実が頑としてあるからです。そしてこの現実はいっこうに改まりません。また、その結果、他県の私立高校や公立高校への入学を余儀なくされたこどもたちがその学校で豊かな高校生活を送っている事実もあります。静岡県立高等学校は、このような子どもたちを排除し続けているのです。 貴職に対し要望を重ねてきましたが、引き続き、以下の点について要望致します。 【例:千葉県教育委員会による通知】
2.「知的障害者」に対する受験手続きの配慮を中学、高等学校に文書通知する。 【例:千葉県教育委員会による通知】
3.静岡県立高等学校入学者選抜実施要領を次のように改訂し、趣旨を徹底する。 (1)障害をもつことによる不利益な対応をすることがないよう留意すべき旨を明文化する。 【千葉県の例】
(2)「身体に障害のある志願者」の表記から「身体に」を削除する。 4.「自己申告制度」、「選考の特例制度」などの制度的検討をする。 【例:千葉県、東京都】
5.入試方法を改善をすること。 【例:面接のみ実施など】
4.推薦要件を緩和し多様な生徒の入学を認めること。 【例:「充実した中学生活を送った」「人格が優れている」など、障害をもつ子に対する適正な評価が可能な項目にする】
5.中学校、高等学校相互の連絡協議体制の整備を図り、「障害」をもつ生徒の受験や入学について研修などに取り組むこと。 【例:千葉県を始め東京都、神奈川県、埼玉県などでは実施済み】
6.入学後の状況に応じ加配教諭や非常勤講師の配置などを適宜行うこと。 以上 |