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一般質問を行います。
 さて今議会、長丁場の2月議会でありますが、代表質問・一般質問あわせてこれが最終の質問となります。みなさんお疲れのところかもしれませんが、ヤジも大歓迎ですので(笑い)よろしくお願いいたします。

【市民のプライバシー保護のために住民基本台帳の大量閲覧の禁止を】
 まず、お伺いいたしますのは「市民のプライバシー保護のために住民基本台帳の大量閲覧の禁止を」ということで伺います。このことについて小池市長のお考えを求めるのとともに、なかなか難しい問題でもありますので法律(これは住民基本台帳法)上の解釈と運用についてを質問いたします。
 さて、この住民基本台帳の大量閲覧、最近新聞やテレビでも論議を呼んでいます。ご承知のとおり、「振り込め詐欺」「架空請求」など、住民データを悪用した悪徳商法・犯罪行為が横行しています。いったいどうやってこうした住民データが入手され、そして流通していくのか、はっきりとはわかりませんが、情報の出所は、役所の住民票ではないかとも言われております。さらに先日の名古屋市での犯罪、これは母子家庭であることを把握し、わいせつな行為をはたらいていた男が逮捕されたという事件でありますが、住民票の大量閲覧制度を悪用したものであることがあきらかになっております。
 そもそも、この住民票の大量閲覧とはなんなのか、そのことについて若干触れながら質問をしていきます。
 市役所の市民課には、市民すべて(一部特別な場合をのぞいてですが)、市民個人個人の「住所」「氏名」「性別」「生年月日」、この4つの情報を「4情報」と言いますが、この4情報のリストがつくられ、閲覧用に準備されております。これは法律(住民基本台帳法)に基づいて作成されていますが、これを閲覧用のリストと言います。そして、このリストは「何人でも閲覧を請求することができる」と、住民基本台帳法ではそうなっておりますので、いろんな事業所が市役所を訪れ、このリストを閲覧していくのであります。その目的も「DM送付のため」とか「アンケート調査のため」とかさまざまな理由が掲げられ、そして閲覧の対象を「昭和○年生まれの人」とか「20歳代の男女」とか「今年生まれた子ども」など何らか年齢をターゲットにする場合、また、市内「日の出町」とか「西本町」とか地域をターゲットにする場合とか、いろいろな形態があります。
 三島市の場合、一回につき200人まで、そして、一月に一回まで、そして手数料として1人の閲覧につき300円と、他の自治体に比べると比較的制約を強くしているほうであります。ここで強調しておく必要があるのは、「閲覧」というと「見るだけ」という感じを受けますが決してそいうではなく「書き取っていく」ということであります。
 これを市民の側からすると、「自分の情報が」「自分が知らない間に」「誰かに書き取られていっている」ということになります。そして、自分の関知できないところで、その情報がやりとりされ、利用(ときとして悪用)されるということになります。これが、今回私が禁止を求めているところの「商業目的の大量閲覧」ということであります。 
 私は、こうした閲覧の実態を調べるため、東京にあります特定非営利活動法人・情報公開クリアリングハウスが行った「大量閲覧」に関する全国調査に三島市当局の協力を得ながらでありますが、この全国調査に参加をしております。
 まずは、平成15年度(2003年度)の大量閲覧の申請の申請書を情報公開条例により開示請求をさせていただきました。この年度は閲覧の申請が、件数にして90件、事業者数にして33事業所、この結果、12483人の方のデータが書き取られていっています。(これが申請書、情報公開コーナーに同じものがある)一年間でこんなにも多くの申請がなされ、おびただしい数の住民データが書き取られていっている、というのが実態であります。
 さて、この調査を通じて明らかになってきたことのひとつに、こうした閲覧事業者の中には「株式会社○○○○」と名乗りながら、実は、調べてみたらその会社は存在していない、また存在していたという痕跡もない、ということがあります。言うならば「株式会社」を装って閲覧をしている事業所もある・・ということであります。その「会社」が、三島市にも閲覧にきていたという事実。このことが浮かびあがっております。
 H15年度の申請事業者33事業者のうち、2つの事業者がこうした「架空」の株式会社でありましたが、私も独自に調査を続けまして、さらに「架空」の「株式会社」が存在していることが判明しております。尚、こうした調査は、法務局において、会社の履歴事項全部証明書の交付申請などの費用もかかりますが、市民のみなさんからお預かりしている調査研究費を使わせていただいておりますことを付け加えさせていただきます。
 こうした架空会社が、わざわざ三島市に来て、そして、たいへんもっともらしく社印(会社の印鑑)を押して申請をし、そして住民データを書き取っていく。なんとも不気味であります。また、実在する会社であってもそれは実は「名簿屋」であったりもします。その会社の業務内容を調べると「リスト販売・買い取り」「住民票閲覧代行」などとなっております。当然のこととして、一旦書き取られた住民データは売り買いの対象になるでしょう。住民データはこのように、たいへん無防備な状態に置かれている。そのように指摘をせざるを得ないのであります。
 以上述べてきましたが、大量閲覧の問題は、こうした架空会社や名簿屋の存在もさることながら、問題はそのことだけにあるのではなくして、もともと、個人情報がその個人の知らないところで書き取られていっている。しかも営利目的のためにというところにあります。個人のプライバシー権と、このプライバシーを守る行政の責務との関係、ここに問題の根本があると考えます。
 したがって私は、単にこうした事業者に対する規制を強めよという主張ではなくして、商業目的の住民票の大量閲覧を原則的に禁止をすべきであるという主張を致します。私は小池市長にその方針を求めたいを思いますが、いかがでしょうか。
 それから、このことは住民基本台帳法との関係を余儀なくされます。先ほど言いましたが第11条で「名人も閲覧を申請することができる」と条文を紹介いたしましたが、もっと正確にいうのであれば、この閲覧申請については「不当な目的」や「拒むに足りる相当の理由」があるときにはこの申請を拒むことができる」とあります。そのしくみからすれば市の独自の判断基準によって、この商業目的の大量閲覧を拒むことは、法が定めているところであります。したがって、そうした対応をすることが可能であり、合法であると考えますが市当局の見解をお伺いいたします。尚、この問題は4月から施行される個人情報保護法との関係も出てまいりますがその点については後ほど自席からお伺いを致します。


【清水町の住民発議による「2市2町合併協議会設置」について】
 引き続きまして、「清水町の住民発議による「2市2町合併協議会設置」についてをお伺いいたします。この問題については、代表質問・一般質問を通じ多くの議論がされてきましたので、多くのことを伺うつもりはありませんで、ひとつの点についてのみお伺いいたします。
 すでに小池市長は今回の「2市2町合併協議会設置案」に対し、「適切ではない」という考えを示しました。その理由として5項目を掲げています。
 私は、小池市長がこれまで、この合併問題について市議会やふれあいトークなどを通じて示してきた基本姿勢、その基本姿勢と今回の「2市2町合併協議会の設置」ということの関係性についての質問となります。
 小池市長はこれまで「法定協議会設置に至る過程の中で住民投票を行う」(市民ふれあいトーク・市議会)としてきました。通常、合併に至る道筋においては、それ相当の経過、これは任意協議会を通じ、ある程度合併についてのアウトライン、制度的なすりあわせ、また、財政的な見通し、などについて協議がなされ、そうした下積みを経て、はじめて法定協議会が設置され、そして新市の建設計画など具体的な検討がなされるという2段構えのプロセスを経るのが一般的であり、本来の姿であります。法定協議会を設置して以降、合併が破綻する例もあるので、法定協議会の設置=合併ではないと言えども、やはりそれ相当の重みがある筈であります。この法定協議会の性格ということを考えるときに、このプロセスの中で市民に充分情報が行き渡り、この合併について主体的な判断、選択がなされていくという前提がたいへん重要であると考えます。
 小池市長が、「法定協議会の設置の前に住民投票を行うことが適当」としてきたことについて、私は妥当であると受け止める一人でありますが、この小池市長の姿勢の根底には、いま申し上げたようなプロセスと、そして市民への充分な情報伝達、さらにはそのことを前提とした「合併についての市民の自己決定権」というものを意図したものであると私は受け止めております。
 その点からすると、今回のこの「清水町からの住民発議」に基づく法手続の中では、実質的に住民投票を行うことはできないし、また、そのための経過、環境に至っていない、結果として「三島市民の自己決定権が保証されない」・・という形にならざるを得ないと考えます。これは単に法制度からくるところの時間的な制約ということではなく、合併問題についてたいへん重要なことだと私は考えます。
 この点について小池市長の考えをお伺いします。