| 報告:本会議の録音テープから |
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栗原の質問 (1)商業目的の住民票の大量閲覧を原則的に禁止をすべきである。小池市長にその方針を求めたいが、どうか。 (2)「不当な目的」「拒むに足りる相当の理由」があれば三島市の判断によって、閲覧を拒めることは法が定めている。だから、「商業目的の大量閲覧」について閲覧請求を拒むことは可能であり、合法であると考えるが市当局の見解を求める。 《詳しくはこちらを》 |
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【小池市長の答弁:大量閲覧を禁止する方向で要綱を研究していく】 三島市も全国連合戸籍事務協議会を通して総務省へ、職務上・公益的閲覧以外を禁止するよう住民基本台帳法の改正を要望してきた。H155.28要望先総務省、提案元、三島市、住民基本台帳の公用、職務上及び公益的請求以外の閲覧を禁止するよう住民基本台帳法第11条第1項の改正を要望する」と、公的に出してる。また、全国市長会からも閲覧に関する要望が国に向けてだされている。これもH16、6月、個人情報保護の観点から請求者の範囲の制限などを含め適切な措置を講じること」と政府に対し要望している。 閲覧された個人情報により名簿が作成されたり、販売されたり架空請求がなされることが危惧されている、これは栗原議員がおっしゃるとおりなので、そういった昨今でもあり、被閲覧者を特定しない大量閲覧を禁止していく方向で、住民基本台帳法に抵触しない要綱等の作成に向けて研究を進めていきたいと考えている。この基本台帳は、法第11条で「何人も閲覧を請求することができる」としてあるが第3項で「不当な目的であることが明らかな場合」「不当な目的に使用されるおそれがあるときはこれを拒むことができる」とある。この「不当な目的」ということの解釈、栗原議員が言ってるように運用を厳しくする。よいうことによって私はこれを制限することができるではないかと考える。法に抵触しないように準備を進め要綱等の作成をしていきたい。 |
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【水口環境市民部長の答弁:解釈運用を厳しくすることは可能】 総務省は平成17年2月24日、「個人情報保護法の全面施行に伴う住民基本台帳事務の取り扱いに係る留意事項について」を全国に通知した。このなかで、閲覧に関することとしては、@個人情報保護法施行後も住民基本台帳の閲覧は法に基づいて行なうものである。なお、請求者が個人情報保護法にいう「個人情報取り扱い事業者」である場合には個人情報保護法に基づく義務が課せらることになるので、閲覧請求に応じる場合にはその旨請求者に注意を喚起すること。 A個人情報保護法に基づく義務を遵守していない「個人情報取り扱い事業者」からの閲覧請求については、住民基本台帳第11条にいう「不当な目的」「請求を拒むにたりる相当の理由」にあたるものとして請求を拒否して差し支えない。 B閲覧により取得した情報をもとに名簿を作成し不特定多数のものに販売することを目的とした閲覧の請求についても、住民基本台帳第11条にいう「不当な目的」「請求を拒むにたりる相当の理由」にあたるものとして請求を拒否して差し支えない。 と、住民基本台帳法第11条第1項の規定はそのままにし、従来通り「原則公開」とし、請求を拒む場合の具体的理由が増えただけのものになっている。 したがって、これでは「個人情報取り扱い事業者」に該当しない事業者の請求については個人情報保護法の適応外となり、従来のままとなる可能性があると考える。個人情報保護法第3条では「個人の人格尊重の理念のもとに」という文言は憲法13条の個人の尊重と公共の福祉との関連を示唆しているという意見もある。また、住民基本台帳法第3条第1項では、「市町村長は住民に関する記録の管理が適正に行なわれるよう必要な措置を講じよう努めなければならない」と。第4項でも「何人も閲覧により知りえた事項を使用するにあたって個人の人権を尊重するよう努めなければならない」と。住基ネットでは本人確認情報の提供状況の開示請求ができるなど「自己情報のコントロール権」にも配慮している。 また、各市の事例の中には不特定の住民を対象とする閲覧請求であって、閲覧で知りえた事項が不当な目的に使用されるおそれがないことが確認できないときは、当該請求に応じないものとする」という要綱を定めている市もある。 「不当な目的」の解釈運用についてはケースByケースによりかねて総務省から何回となく通知がきているが、いずれも住民基本台帳法第11条の「何人でも閲覧を請求することができる」という規定により大量閲覧を完全に禁止・制限することに至っていない。 「架空会社」の件については戸籍届、印鑑登録申請、住民基本台帳カード交付申請の本人確認も行なわれており、住民移動届もこの10月から行なわれるので閲覧に関しては検討を考えている。 法は「何人でも閲覧を請求することができる」と規定し、「何人でも閲覧することができる」とは規定していない。また、総務省は「『不当な目的』とは、閲覧により知りえた事項が不当な目的に使用される蓋然性の高いときをいう」としている。このことから「不当な目的」ということの解釈運用を厳しくすることは可能だと考える。 したがって、全国の市町村の中には大量閲覧に対する懸念から法に抵触しないギリギリの範囲で規定を設け制限しているところもあるので、以上のことを念頭におきながら市長の答弁により、要綱等を作成し、その研究を進めていきたい。 |
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【栗原の質問:世帯の状況もわかってしまう?】 大量閲覧の実態についてを述べてきたところだが、閲覧は「4情報」となっている。が、ここは私の問題提起だが、実はこの「4情報」を提供するということは、それだけではなく同時に「世帯の状況」という情報も提供してはいまいか?三島市の閲覧用リストは50音別なので、これがただちに世帯構成を意味していない。しかし、パソコンなどへの入力から、これを町内別・番地別に置き換えることにより容易に世帯状況を推察できる。直接的ではないにせよ、世帯情報を含め「5情報」が提供されている。もともと「4情報」から年齢が提供されることからたとえば「母子世帯」「70歳のひとり暮らし」「20歳のアパート暮らし」なども同時に判る。これがどういう形でやりとりされていくのか、売り買いかれるのか、現状からすれば何等不思議ではない。これが実態ではないか。 担当部長に伺うが、4情報だけではなく実は5情報、提供されていることになる。このことへの認識はあるか。 ということになると、どう考えても、三島市では「個人情報保護条例」を定め、市民のプライバシーを守ろうとしてきた。このことには整合しない。百歩譲って「4情報は法に定めがあるから、個人情報保護条例の規定に該当しない」という立場に立ったとしても、この「5情報」は整合しない。そう考えるが、どうか。 |
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【水口部長の答弁:完璧ではないが。】 基本的には三島市の場合「あいうえお順」になっているので世帯別や住所別としてリストを作成していない。したがって、世帯情報は提供されないが、珍しい苗字の場合などは世帯構成がわかるおそれもあると認識している。完璧ではないがやはり世帯別が把握されると認識している。 |
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【栗原の質問:「不当な目的」って誰が決める?】 三島市は全国的に見れば「良心的対応」をしている。しかし、それをもってしても尚限界性があり、個人情報保護条例の基本理念、住民基本台帳報でいう「適正管理義務」これらに反していると言わざるを得ない。 この状況をもとに考えていきたい。「合法か違法か」と問うた。自治体が「不当な目的」が何であるかについて自ら定め、そのもとに規制をしていく。これが住民基本台帳法第11条の「何人も請求できる」に照らして「合法ですか、違法ですか」という質問だが、答弁はどうもハギレが悪かった。 再度伺う。「不当な目的」「拒むに足りる相当な理由」というのは、誰が決めるのか、国なのかわれわれ自治体なのか?明確にしてほしい。 |
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【水口部長の答弁:市が決めると解釈している。】 実は昨日、時事通信に麻生総務大臣の閣議後の記者会見の模様が報道された。「住民基本台帳の閲覧制度を悪用する事件がおきていることについて『不当な目的ならばいまでも閲覧を拒否できる。そうしたルールを周知徹底することからスタートするべきだ』と述べている」ということで、法改正ではなく、運用で対応する考えが述べられている。ということからしても、やはりその判断は市にあると解釈している。 |
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【栗原の質問:市が決め制限することは合法。で、他の自治体の例は新居浜市?】 いまの「国としての見解」、これは当然の話だ。だが、国はそんなこと言ってるヒマがあるんなら、法律を改正すべきだ。国が法改正をしないから、だから自治体がこれだけ悩んでいる。 話を戻すが、判断は三島市であり、したがって三島市が設けた判断基準で大量閲覧を規制することは合法であると確認する。(水口部長:大きくうなずく) 先ほどの答弁で他市の事例が紹介された。「不当な目的ではないと確認できないときは請求を拒む」という規定。これは新居浜市の要綱か? |
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【水口部長の答弁:Yes】 新居浜市の要綱である。 |
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【栗原の質問:新居浜市は大量閲覧ゼロに。これ合法?】 私、新居浜市の要綱運用後の効果について状況を把握しているので紹介したい。2003年8月に運用をはじめたところ、この大量閲覧は「ゼロ」になったと。そこで伺う。答弁で再三「法律に違反しないぎりぎりの範囲」と言っている。たとえばこの新居浜市の要綱は「法律に違反しないぎりぎりの範囲」に含まれると考えるか、それとも問題が生じると考えるか、いかがか。 |
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【水口部長の答弁:合法と考える】 紹介した規定、新居浜市の要綱は合法の範囲として考えている。 |
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【栗原の質問:「研究」と「検討」の違い。小池市長の真意は?】 いま「自治体での大量閲覧への規制は合法である」ということが確認できた。それで、たとえば新居浜市の規定は合法の範囲であるとのこと。ここで再度、市長の考えを問う。 先ほどの答弁だが、小池市長の方針としてはこの大量閲覧を基本的に禁止をしていくということなのかどうか、再度、答弁を求める。 もうひとつ。実はこの問題について、私は1999年11月市議会で、まったく同じ質問をしている。このときの小池市長の答弁も「要綱を検討していく」というものであった。今回「大量閲覧の禁止」が方針として述べられたことは大きな前進として受け止めるが、しかし、「要綱を研究していく」ということで、5年が経過した今、「検討」と「研究」の2文字が違うだけだ。(笑い)ここのところの真意がよくわからない。再度伺う。 |
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【小池市長の答弁:早急に要綱で禁止を】 栗原議員の質問を聞いていて、1999年の11月議会、いまから5年前の議会で同じ質問を受けたのを思い浮かべていた。その当時は正直言って、国が法改正を第11条を改正してくれればよいと考えていた。ここに全力を注いでいこうという気持ちであった。「禁止」を要綱で定めることについては、その当時は「完全に適法ではない」「もしかしたら違法かもしれない」という認識があったことは事実。しかし、法の解釈というものは時代とともに変わる。5年が経ていろんな懸念される状況も出てきた。今回においては、大量閲覧を禁止する判断は、私は法には抵触しないと考える。早急に要綱をつくりたい。 |
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【栗原の質問:個人情報保護法施行では解決しない。自治体の取り組みが大事?】 この4月からの個人情報保護法の全面施行により、民間の事業所に適応範囲が及ぶことになる。個人情報のやり取りなどに一定の歯止めがかかり、自由奔放にできるという環境が少し変わると認識している。しかし、答弁にもあったが万全ではない。この大量閲覧問題については殆ど貢献しないのではないかとさえ思う。だからこそ、いまの小池市長の基本姿勢を確実なものとし、ルールをつくっていただきたい。 ひとつ提案。新居浜市の要綱が遡上にあがっている。これが「合法の範囲」とするなら、同様の規定をまず設け、考えていくというのはどうか。さらに、条例化向けた可能性をも探るなどもある。どうか。 |
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【小池市長の答弁:新居浜市の要綱をベースに急ぐ】 三島市としては、まず新居浜市の要綱をベースとして急ぎたいと考えている。 |
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栗原の質問
清水町の住民発議による提案は、合併についての三島市民の自己決定権を保証できない |
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【小池市長の答弁】 今回の清水町の合併特例法第4条に基づく住民発議による法定合併協議会の設置請求において、私は住民投票を実施し住民の意思を問うという考えはない。 理由は3つある。 1. 法第4条第5項の規定により、すべての市町の回答が議会に付議する旨の回答であった場合60日以内に議会を召集し付議しなければならない」ため、時間的制約から、住民投票条例を制定し住民投票により合併の是非を問うことはできない。 2. 今回の住民発議は三島市民によるものではなく、清水町民による単独の請求。 3. これまで、議会や市長と語るふれあいトークにおいて法定協議会設置前に住民投票を実施すると説明してきた。このためには、まず、合併の調査・研究を行い、合併についてさまざまな情報を市民に提供し考えてもらい、市民の合併の機運の醸成を図りそれから任意協議会をたちあげ具体的な項目の検討をし、そこでの議論を経て市民の合併の是非が判断できる環境が整い、ようやく法定合併協議会を設置する段階になってから、その前に住民投票条例を制定し、市民に合併の是非を問うという考えによるからである。 今回の「2市2町」を枠組みとする清水町の住民発議について、三島市民の関心はまったくといっていいほど低い。と思う。どういうことかというと、今議会の各会派の代表質問に対して、私は「三島市、清水町、函南町、長泉町との1市3町の枠組み」が最適であることを表明し、このことを新聞各紙が報道した。その翌日、私のところにも、合併対策室にも、市民からは何一つ電話がかかってくる訳でもなく意見をいただく訳でもなく質問も無かった。 以上の理由により今回の清水町からの2市2町による合併協議会設置請求については住民投票を実施しないが、今後市民の合併に対する機運が醸成され、さらには合併法定協議会の設立が現実のものとなってきたときには住民投票を実施し、市民のみなさんの合併の是非についての考えを問うつもりである |
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栗原のまとめ 妥当な答弁であると受け止めた。 |