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引き続きまして、大きく2つ目のテーマに移りますが、「箱根の森を育てていくことについて」お伺いいたします。 私は、かねて箱根の森に関するテーマについては、何回か質問を重ねてきたところであります。箱根の森のもつ多面的機能、そのうち、二酸化炭素の吸収機能や水源涵養機能、災害防止機能などの「公益的機能」は、広く市民に恩恵をもたらすことについては言うまでもありません。とりわけ、大雨が降る度に不安、そして危険にさらされる大場川の治水問題にとっては根本的な課題として、この箱根の森林のあり方が大きく影響しています。 もちろん、一面において、こうした森林は多くの場合、私有(わたくし)財産であります。私有財産であり、なおかつその「公益的機能」ということからすると「市民の共有財産」であります。この二面性をもちながら、森林のその真価を発揮させていくうえでの課題を共有している。ということになると思われます。 さて、去る10月28日。三島市生涯学習センターにおいて「森づくりフォーラム」と題する催しが行われました。私も参加者のひとりでありました。基調講演として西部文理大学客員教授である小田孝治氏の「次世代につなぐ森づくり」、そして「森づくりの重要性と私たち」と題するパネルディスカッションが行われました。パネラーは、三島フォレストクラブをはじめとして森林をフィールドに活動するNPO団体、林業事業者、そして行政(三島市・板橋区)でありましたが、こうした顔ぶれで森づくりについて議論をするのはかつて無いことであったと思われますし、決して大きな会場ではありませんでしたがその雰囲気からして森づくりに対する市民の関心と、その気運の高まりを感じているところであります。 そこで今回、あらためて箱根の森を育てていくことについてをお伺いする次第であります。現在、三島市においては森林整備計画に基づいて間伐などの整備が進められていることは承知しております。この森林整備計画は森林法に基づいて策定されている文字通り森林整備についての計画でありまして、法律に基づき、箱根のエリアを「水土保全林」「森と人との共生林」そして「資源の循環利用林」に区分し、それぞれ整備を図っていこうとする計画となっていますが、私がここで申し上げたいのは、この計画をいったいどのようにして進めていくのかがよくわからない。言うならば「施業計画」(実施のための計画)を伴っていないということであります。 当然、計画を策定するうえで縦覧などの一定の法手続きを踏まえてきたことに異論はありませんが、しかし、この計画がどの程度市民に浸透しているものなのか、はたして計画をどのような手法で進めていくのか、その財源の確保の見通しはどうなのか。私はこの計画を決して否定するものではありませんが、そうした点で大きな課題を残していると考えるところであります。この間、三島市が森林所有者にかわって間伐を行ってきました。箱根山の現状からしてこのことは必要なことでありますが、しかしそれだけでよいのか。森林所有者や、そしてあらたに森林ボランティアのみなさんの主体性や自主性というものとどのように協働できるのか否か、など検討すべき課題は大いにあるのではないでしょうか。 この課題に向き合っていくために、施業において、たとえばモデル的に取り組みを進めながらその箇所にあった有効なあり方をいくつか模索していったらどうかと、そして「モデル林」のようなものを実際に施業していったらどうかと、考えますがこの点いかがでしょうか。そのような取り組みを通じ、森林整備計画を実際に血の通ったものにしていく必要があると思うのですがこうした点について答弁を求め、第一回目の質問としたします。 |