第117号:2006年7月17日(月)

6月議会の報告A 一般質問その一


テーマ:(障害者自立支援法)福祉サービス自己負担の軽減をすべきだ
答弁:「何らか考える」
以下、その主なやりとり(要旨抜粋)
Q栗原 
障害者自立支援法で障がい福祉サービスの利用が「定率負担」(1割)となり、障がいをもつ人、その家族にとって著しい急激な負担の増加をもたらしている。三島市独自に軽減措置を講じるべきではないか。
A森井参事 
 現在制度が変わったばかりである。
 利用料はこの4月から1割負担となり、身体障害者の分野では福祉サービスの利用の抑制にはつながっていない。これは、生活において福祉サービスが必要不可欠なので、利用料の増加にかかわず、利用をしたからであると考える。知的障害者及び障害児の分野では、利用料は減少している。これは、余暇支援でのサービスが多いため高負担のため利用を抑制した結果であると考えている。
施設支援においては、食費の負担等により、負担増の結果が現われている。

 居宅サービスにおいて、低所得者の利用料を50%・全額免除した場合に必要となる公費は、
身体・知的・児童の対象者28名。年間約60万円。(全額免除の場合は年間120万円)
 施設支援において、
食費の50%減免を行なった場合は、身体・知的 対象者94名 年間約2200万円である。
これらは、あくまで現時点における年間見込みである。
A木内部長 
 現状で独自の減免制度を行っているのは東京、京都、三重の3府県60市となっている。県内では独自軽減を行なっている市町はない。
 今後の実績の推移、先進事例、県内状況等みながら、低所得者への負担軽減措置を何等かできないか検討していきたい。
Q栗原
急激な負担の増化であるが、最大のケースは?
A森井参事
 居宅支援において、負担増の最大のケースは、
身体障害者においては、24600円/月の増加。知的障害者の分野では11448円/月の増加、児童の分野では、5956円/月の増加である。
Q栗原
 このような負担の増加、「激変」ではないのか。「激変」と捉えているのか否か。
「激変」であるとすると、何らかの「緩和措置」が必要ではないか。
A木内
 表現によれば「激変」となると思う。ただしかし、「激変緩和措置」はぜんぜん無いわけではない。制度が変わり、個別減免や社会福祉法人によるサービスを利用した場合の減免。生活保護境界層の軽減措置、補足給付ということでいろんな減免の制度がある。それらは利用できる。
Q栗原
 それらの対応の諸々は、機能していないか、極めて不完全である。それらのすべてを講じた結果が24600円なのだ。これが「激変」なのだ。
 介護保険では制度導入時に低所得者に激変緩和措置が講じられた。定率1割負担を「3%」にした。そのうえ、さらに三島市独自の措置を重ねた。
高齢者はこのように激変緩和措置があるのに、障害者はなぜないのか。公平性に欠けないか?
A木内
 介護保険については施行後の経過をみてということであった。障害者についても、状況を見ながら研究しようとしているところだ。
Q栗原
 介護保険においては、最初から激変緩和は明確に行なわれた筈。公平性ということからしても考えるべきである。
 全額免除した場合でも120万円/年、半額免除なら60万円/年。三島市にとってそう大きな財政負担ではない筈。広く一般財源総額を考えれば捻出できない金額ではない。
 利用者の定率負担によって、公費は減額となる。その規模と比べて考えれば比べものにならない。現状の予算の「不要額」よりも小さな金額だ。どう考えるか?
A木内
 状況を見させてほしい。県内でも他市の状況をみるならばどこもやっていない。
Q栗原
小池市長はどう考えるか。
先進事例をもつ荒川区では、区長の強い姿勢があることを強調していたが。
何らかの減免の必要性についてどう認識する?
A小池市長
 先ほどからの栗原議員と木内部長の議論を聞いていたが、確かに負担軽減策は必要と感じている。
居宅支援分野においては0円⇒24600円/月・・。これはやはり「激変」と言わざるを得ないと私は思う。
では、三島市としてどうするかということを検討する訳であるが、3都府県60市がやっている。激変緩和措置等をすでにやっているということを考えると、何らかの対応を真剣に検討する必要があると考える。
Q栗原
 具体的な取り組みに期待する。
 県内やっていない。だからこそやるべき。三島市の取り組みが他市町にも好影響を与え、ひいては地域全体のレベルアップにつながる。いつまでも待てない。既に「激変」は始まっている。どうか。
A小池市長
 A市がやってB市がやらないというと、地域的に公平性を欠くという反面、福祉先進市を目指す三島市としては先進事例としてみんなを引っ張っていくということも必要。両面を考えながら真剣に対応していきたい。