第92号:2004年10月12日(火)

9月議会 一般質問をしました(毎回やってますが)


9月24日(木)、一般質問をしましたのでその報告です。
今回は、言葉をほぼそのまま掲載しました。録音テープから文字にするのに3日間。
ちょっと長いですが、読んでもらえたら嬉しいです。
(ご意見などお聞かせください)


第一問 FMみしまかんなみ(第三セクター)のあり方について
(この質問の後、FMみしまかんなみの社長が辞表を提出・・複数、新聞報道あります)

【質問・栗原】
 最初は、「FMみしま・かんなみ(第三セクターでありますが)のあり方について」お伺い致します。
 総務省は、昨年(H15年)12月、各都道府県や指定都市、及び各市町村に対し「第三セクターに関する指針の改訂」という通知をしております。この通知は、さかのぼってH11年の5月に出された「第三セクターに関する指針」を改訂したものであります。
 それらの指針の趣旨をおおまかでありますが、ここで紹介させていただきます。
 まず、H11年の5月に出された最初の指針。これは、一般的留意事項として「一部の第三セクターでは赤字の累積等により、経営が深刻化しているものがみられること等にかんがみ、第三セクターの経営状況の点検評価を行うとともに、積極的に運営改善を促し、設立団体の財政運営に影響が及ぶことのないよう指導監督等に努めること。」また「第三セクターの事業や、公的関与の内容について積極的な情報開示に努めること」などでありまして、第三セクターへの出資団体であり、そして株主である市町村は、その第三セクターの運営について、赤字が深刻化しないように指導監督をしていきなさい。また、第三セクターに関する情報公開を進めていきなさい。という趣旨でありました。
 また、H15年にこの指針は改訂され、さらにその趣旨を強める形になっています。というのもこの改訂の背景として示されていますが、第三セクターをとりまく社会経済情勢が大きく変化していること、また、第三セクターの経営が一段と厳しさを増していることが言われ、全国の解散・倒産件数はH12年度では28法人であったものがその後2年の間に68法人に増えていること(143%の増加)、赤字法人における赤字金額は、H12年で1602億円が2年後には1756億円(10%の増)に至っている現状が示されております。(それぞれ東京商工リサーチ、及び総務省の調査)
 こうした背景のもとで、第三セクターの経営について、さらに指導監督を強める、また情報公開を徹底するという趣旨が重ねられたというものであります。
 もとより、この、第三セクターに関しては、自治体の監査が及ぶか否か、市長の調査権が及ぶか否か、第三セクターの資本金に対する自治体の出資比率によるものであります。これは地方自治法に規定がされています。しかしながら、私がここで特に強調したいこと。それは何かというと、これら2つの指針が示しているのは、こうした地方自治法の規定にかかわらずに、その一定の必要性において議会へ経営状況の説明を検討すべし。改訂指針は「出資比率50%未満でも筆頭株主である等を勘案して必要に応じて議会や住民に情報開示すべし」(これは要約ですが)と言っていることであります。残念ながら三島市においてはそのような取り組みはされてきませんでした。
 さて、そこで質問ですが、この第三セクター「FMみしま・かんなみ」の経営の状況に対し、三島市の姿勢というものはどのようなものであるのか、まったくよくわかりません。法律上は民間の商法法人、したがって、三島市とはまったく別人格である。現状の出資比率からすれば、市長の調査権限が及ぶ範囲以下、監査委員の監査が及ぶ範囲以下である。であるから、三島市としては関知しないでよい。ということなんでしょうか。私は、そうであってはならない。筆頭株主として責任をもった対応が必要であると考えます。FMみしま・かんなみの経営状態に対する三島市の基本姿勢。このことについて、まずお伺いいたします。また、市議会への報告についてはどのようにあるべきと考えるのですか。
 私は今回、この質問をするについて、三島市から「FMみしま・かんなみ」の決算書を提供していただいております。その決算書によると、設立から8年を迎えた現時点において約7650万円の赤字が累積しております。三島市としては、この経営状況をどのように把握しているのかを伺うと同時に、この累積赤字は解消されていくのかどうか、三島市としてはどのような見通しをもっているのかについてを伺います。以上です。
【答弁・山田総務部参事】
株式会社FMみしまかんなみ通称ボイスQについては行政情報、迅速な災害情報、地元身近な情報なの提供を目的にH8年9月に設立されている。設立当初の資本金は1億円。H14年に2200万円の増資。現在1億2200万円。市、町のほか商工会議所、農協、各株式会社、個人などの34の団体・個人による出資により官民共同出資による第三セクターとして運営されている。
 市はこのうち3000円万円を出資し、資本金総額の24.6%の出資比率。放送開始以来、コミュニティーFM放送として、行政の情報、地元の身近な話題、特徴のあるパーソナリティーによる人気番組等で多くのリスナーを擁している。その聴取率は高いと聞いている。
 経営状況は設立当初からH13年度までの6年間は初期投資の設備機器類の減価償却などで営業収支は赤字が続いていたがH14決算で初めて黒字となり、今後の発展が期待されたがH15年度決算は営業収益は増えたがその一方、経費も嵩み、収支は赤字に転じている。累積赤字は議員も指摘のように約7650万円となっている。
 出資者である三島市としてもこうした厳しい経営状況についてそのまま放置できないのでなんらかの方策を講じなければならないと考えいる。三島市の出資比率は、地方自治法第199条第7項の規定による率に達していないので三島市による直接の監査はできない。また、既に株主総会で決算は承認されているのであるが、H15年度の収支について赤字の要因を株式会社FMみしまかんなみの監査役により再度調査をしていただくようお願いしている。その結果を踏まえ、市としても今後の改善方策を会社側に申し入れる予定。
 また、議員が指摘している「総務省の指針」により@監査体制の強化A政策評価の視点も踏まえた第三セクターへの点検評価の充実B経営状況に関する情報公開への積極的な対応等が求められているので、自治体としての共同出資者である函南町との連携を密にし、指針に沿った対応を検討していきたい。
 「累積赤字の解消策」であるが、累積赤字額約7650万円であるが、このなかには、経理上実際の支出を伴わない原価償却費が各年度含まれている。減価償却費の累計は約6470万円。この金額は留保されていると考えると、現金収支上の赤字類計額は約1180万円ということになる。H15年度末の決算書では債務として未払い金の580万円のみで借入金はゼロ。無借金経営であり、運転資金の面からは債務超過ではなく、借り入れをしなくても事業の継続は可能。しかしながらH15年度の収支決算をみていると、スポンサー料や事業収入が約7650万円に対し、経費が約8120万円と収入が前年とほぼ同額であることに対し経費が約600万円と増えている。結果として約470万円の赤字となっている。
 決算書をみるなかでは経費支出の圧縮、また節減合理化によって収支の黒字化は可能を考えている。監査役の調査の結果を踏まえ、FMみしまかんなみに今後の経営改善計画を申し出てまいりたいと考えている。
 こうした計画により給与体系の再点検、経費支出の節減合理化、事務改善、ともに新たなスポンサーの開拓により単年度収支を黒字化して累積赤字の解消を促していきたい。
【質問・栗原】
 今回、第三セクターFMみしまかんなみについての質問は、@累積赤字が拡大しているという経営状態Aこれに対する市の点検評価・指導監督という問題B情報の公開性 という3つの問題について伺っている。これらの問題はそれぞれ関連しあっている。
 ところで、情報の公開性ということについて考えるに、情報公開ということは必ずしも市町村・都道府県・国という公的機関だけの問題ではない。一般の株式会社とか、商法法人含めて、広い範囲の問題であろう。
 もともと、商法上、株式会社に対しては一定の情報公開の義務があることについてはご承知と思う。この「情報公開社会」の中で、一般論からすれば積極的に株式会社が情報公開に取り組んでいく。そのことによって企業のイメージがよくなって経営上の利益に貢献するという、そういう社会になっている。商法では株式会社に対して、貸借対照表またはその要旨を公告しなければならない。これは商法283条にそういう規定がある。株式会社は定期株主総会の承認後遅滞なく貸借対象表またはその要旨を公告しなければならないとされている。私は、この規定は第三セクターである株式会社にも、このことは及ぶという認識をしている。当然、FMみしまかんなみにも、この商法第283条による貸借対照表の公告の義務を負っていると判断をしている。確認の意味で伺うが、この規定はFMみしまかんなみについて適応されるのか、さらないのか。いかがか。
 それから私の把握では、これまでこの義務が履行されてきたということが見当たらない。市としてはどのような把握をしているか、伺う。
【答弁・山田総務部参事】
 FMみしまかんなみは商法法人なので当然、適応される。それから、公告についてはこれは取締役が公告についてはこれまでなされていない。この件については、商法改正でホームページ上で行なうことも可能になったので早い機会に行なうように指導・要請していきたい。
【質問・栗原】
 残念ながら履行されてこなかった、怠ってきた、ということ。ちなみにこの義務を履行しない場合「100万円以下の過料」が課せられる。商法第498条にその定めがある。この過料は課せられているか、またはいないか。市はどのような把握をしているか。
【答弁・山田総務部参事】
 過料が課せられているとは聞いていない。
【質問・栗原】
 過料が課せられるべきとは言わないが、たいへんお粗末な話だ。株式会社がそうである以上に、第三セクターは公的な性格が強いので、当然そうした点についてキチっとした対応が求められるだろう。
 先ほどの答弁の減価償却費の累計額と累積赤字額との関係性の議論についてはここでは斟酌しかねるが、いずれにしても赤字が拡大している。総務省が懸念するように万一、経営破たんに陥った場合、三島市の出資金額が回収できないという恐れが多分にある。もちろんそうなってはいけないが。
 それだけに、赤字が拡大していかないようにしなければならないのは当然のことだ。答弁もその趣旨であった。単年度、単年度、一年ずつの積み重ねになるが黒字決算を打っていかねばならない。そのためには、収支均衡、支出の圧縮なども含め黒字決算をなんとか重ねていくということだ。放漫な経営などということがあったとするならば、それは厳に軌道の修正をしていかねばならないというのは当然のことだ。
 それで、決算書を拝見した。非常に疑問に感じることもあったので市はどのように把握しているのかについて伺う。先ほどからの話で「支出を抑えていかねばならない」ということの中で、支出中、交際費というのがある。この交際費、金額が207万2843円とある。私はこれをみて何やら異様なものを感じた。というのも、三島市長、小池市長の交際費はH15年度決算額で102万1627円。以前、歴代の市長はもっと多かったものを小池市長が節約に取り組んだ結果、102万円に留まっていると受け止めている。助役、収入役にいたっては0円と聞いている。これに対し、FMみしまかんなみの交際費が207万円というのはこれはいかにも多い。
 このことついて、市はどのような把握をしているのか。この交際費は社長ひとの交際費か。
【答弁・山田総務部参事】
 交際費は法人としての交際費ということになる。FMみしまかんなみは、売上の約3が三島市及び函南町の公共のスポンサーになっているもの。7割が民間からのスポンサーを得ているもの。という状況の中で、いろいろと営業上、成果を得るための諸手立てという性格も含まれている。交際費の内容的は、慶弔関係ついては全体の約2割、飲食費等は約5割、中元歳暮4割程度と伺っている。
【質問・栗原】
 JCBA、コミュニティー局の団体のHPからの数字を見ると、各局に対する広報費、三島市が番組制作等の委託で行なっているものの金額は、県内7局がそれぞれどれくらい関連の自治体から広報費を得ているかを比べてみると、簡単には評価できない面もあるが、FMみしまかんなみの場合、自治体広報費が2000万円としめされている。H10年では。多局はそんなに得ていない。一概には言えないが。
先ほど「3割が公共のスポンサー」という答弁だったが、公共からの分が少ないから営業の努力が必要であって、従がって、交際費が嵩むという趣旨に聞こえる。はたして、そうだろうか。
 交際費207万円のうち飲食が5割程度ということが、なぜそんなに飲食ということが必要なんだろうか。それをしないと、営業活動ができないというのであれば、そのあり方そのものを問わなければならないんじゃないかと私は思う。
 コミュニティー放送だから、地域に愛される、聴かれる、そういうことによってさらに営業成績が上がっていくという、本来の循環を確保していかねばらない。
市長に伺う。 「これから必要な点検評価、必要な対応をしていく」ということだが、ぜひそうしてほしい。飲食の関係も決算上の数字に表れていないものもあるかもしれない。商法上、株主による「帳簿閲覧権」を持ち出すまでもなく、
三島市として、細かい点にまでキチっと精査をしてみる必要があるのではないか。
また、FMみしまかんなみであるが、実態把握のうえに点検評価をして、しかし、尚運営改善がはかばかしくないということであれば、一定の段階で根本的にそのあり方を考えるという必要になってくのではないか。最悪の事態を招かないためにはそういうことが必要ではないかと思うが、市長はどのように考えるか。
【答弁・小池市長】
 まず、交際費の問題から話が出てるが、ボイスQについては監査役の監査の結果をみないとわからないが、交際費の207万から発するこの話、今後においては経費の節減、事務事業の合理化に向けて努力をまずしていくと。そいいうことをする中で最悪の事態を招かないようにすることがまず先決を考えている。
【まとめ・栗原】
 ぜひ、厳格に対応をお願いしたい。
指定管理者の質問に移る。


第二問 公の施設の指定管理者への移行について
う〜ん、このやりとりは殆どかみあっていませんね。
時間がなかったせいもありますが、攻め方を考えて再度遣やる必要あり

【質問・栗原】
公の施設への指定管理者制度の導入についてをお伺い致します。
 すでに、指定管理者制度が導入されております。まず、坂地区の放課後児童クラブにつきまして制度が導入され、そして、指定管理者を指定する手続きについての条例も既に成立し、今議会は市民文化会館、市民体育館、市民温水プール、長伏プールの管理を、それぞれ指定管理者の管理にゆだねていく旨の条例案が提案されております。
 今後もさらに指定管理者に公の施設の管理をゆだねていくための準備が進められています。こうしたことに伴って議会での質問も活発に行われています。しかし私は、一連の議論を聞いてある懸念を感じております。
 率直に言わせていただいて、三島市には、この指定管理者制度の導入についての基本的な理念が無い。方針が無い。と感じられてならないのであります。法律が改正されたので、現在、管理を委託している施設については、指定管理者による管理に「横滑り」させていくという「短絡」。また、このことによって単に行政コストの削減が図れる。などの「安直さ」だけが見え隠れしているように感じてなりません。
 どの施設を指定管理者にゆだねていくのかという、各施設に対する個別具体的な検討以前に、制度の導入によって何を実現していくのか・・というところの観点が欠けているのではないでしょうか。本来、あるべき姿としては、指定管理者による管理にゆだねることが、それを使う市民にとってメリットがある。たとえば、もっと施設が利用しやすくなるとか、そこで提供されるサービスがさらに充実するとか。市民にとって直接的な利益がもたらされるということが制度導入の基本的な理念でなければならない筈であります。
 また、この理念のもとに、どの施設を指定管理者にゆだねていくのかについての方針が導かれます。「公の施設」と言っても、多種多様であります。行政分野別にみるならば、教育分野、福祉分野、公園、などさまざま。また、性質別にみるならば、それが単に「貸し館」的なものであって、行政サービスが展開されない施設、逆に、何らかの行政サービスを展開するための施設。たとえば、福祉サービスを展開するための施設(佐野学園、佐野母子寮)であったりします。また、それらは複合的なものとして機能しているというものもあります。
 さらにここで、たとえば福祉サービスの具体的な内容に着目するのであれば、介護保険や支援費制度など、その福祉サービスが社会的に市場化(マーケット)されているという背景をもっているものと、そうでないものとがあります。この意味では、佐野学園と佐野母子寮は性質上、共通点もあると同時に明らかな違いをもっています。
 このように、指定管理者の管理にゆだねていく施設を選定したり、また、その業務の範囲を考えていくうえで、公の施設のこの多様性について、行政分野やその性質による「類型」に照らした方針を定め、そのうえにたって、個別的・具体的な検討が必要であると考えます。そのことが、「市民にとっての利益」という最大の目標を実現していくうえで必要であると考えますが、いかがでしょうか。この点についてお伺いいたします。
 また、今回伺っておきたい点はもうひとつあります。指定管理者にその管理をゆだねた場合、「ダメだったらリセット」ができる。という仕組みが大事であると考えます。制度上、当然「指定の停止」ということもあるし、「指定の期間」を過ぎるときの次なる選択という場面も訪れます。必要なことは、指定管理者に対する市民や議員のチェックが及ぶことであると考えます。
 そうした点で、指定管理者の情報公開、また、個人情報保護ということは重要でありますから市の情報公開条例、また個人情報保護条例を改正し、指定管理者が「業務について
情報公開を行うための必要な措置」などを設ける。また、「個人情報保護を行うについての必要な措置」などを設けるべきだと考えますが、この点いかがでしょうか。
 以上、壇上から伺います。
【答弁・小池市長】
 指定管理者導入の基準。施設全体についての方針は、三島市公の施設に係る第4条 平等性の観点 効果・効率性の観点 能力・技術性の観点 経済性の観点 の4点が基準となる考え方である。さらに、個別具体的な方針は施設それぞれの特性や設置目的にしたがい、それぞれの個別別条例で規定していく。
利用承認、料金収受 文化の振興にかかる企画及び実施 など。このことは議員が心危惧されている「文化の振興の実施主体を市から指定管理者に転嫁しようとするもの」ではなく、当然のこととして、文化振興は所管部署で実施していくもの。従来の文化会館自主文化事業の門戸を指定管理者にもひらいていこうとするものである。
また、体育施設条例案では利用承認、料金収受、施設等の維持管理等を示している。ここでは、体育振興関連事業の企画実施の規定はない。それは、スポーツ振興課が従来通り書簡実施するからである。
 このように、施設ごと、設置目的ごとにそれぞれ特殊性に応じている。全施設共通の普遍的な指定基準は定め難いという実情と公の施設の指定管理者制度道ニュにはその適正を期すべく、施設の特性効用を十分に考慮していることについてはご理解いただきたい。
 メリットについての話もあったが、たとえば毎週月曜日の休館など、月1回第三月曜日になる。年末年始もいままでは休みだったが、開館できるので、市民にとってはかなりメリットがあると考えている。
【答弁・山田総務部参事】
 毎年度終了後に指定管理者は事業報告書を提出することが義務づけられている。自治体が公の施設の管理状況、住民の利用状況、収支状況等の実態把握のためのもの。これらは当市の情報公開条例に照らしても第8条の「不開示情報」には該当せず、情報公開の対象となる。
 個人情報保護ということにおいては、三島市の個人情報保護条例第12条では市や教育委員会などの実施機関から委託を受けたものの個人情報保護のためになすべきことについて規定している。ここで委託は狭い意味での委託に限定されず広く実施機関が他のものに法律行為や事実行為を依頼することを意味しており、指定管理者も含まれる。さらに、議会のチェック権限としては自治法第244条の2第6項の規定により、指定管理者の指定をするには議決が必要である。
 また、自治法第199条では監査委員の監査対象に入るので、議会は自治法に基づき、指定管理者の出納その他の事務の執行に関することについて、監査の実施及び、この報告を求めることができる。242条の規定により、財政支援等と同様、自治体の指定管理者に対する公金の支出等に違法、不当と認められるときには住民監査請求の対象にもなる。
 このようなことから、指定管理者に対する市民や議員のチェック機能は法令上、条例等で制度化されており、条例改正の必要は現在のところ、ないと考えている。
また、指定管理者の指定の手続上、協定書の締結が必要だが、この際にも確認の意味でも個人情報保護についての規定は明記していきたい。
【質問・栗原】
 私は、方針を定めるべきであること。チェックのため、情報公開、あるいは個人情報保護、これを整えていくべきだと主張をしている。
答弁では、個人情報保護についてはあらためて条例の改正する必要性はないということだったが。
 個人情報保護条例第12条は、確かに「委託に伴う措置」と規定されてる。指定管理者も含まれるから、これで必要性は満たせるという認識だろう。しかし、12条で言っていることは、個人情報保護条例の内容からすると第8条の「個人情報の適正管理」ということだけだ。これは当たり前の話だ。なぜ私がこういう質問をしているかというと、たとえば、第7条の「収集の制限」、これは思想信条にかかわる個人情報や社会的差別の原因となる個人情報については取得してはいけないという規定。第9条「利用提供の制限」外部に個人情報を提供してはならないよという規定。実施機関にはその義務が課せられている。第10条「電算機処理の制限」いま、こういう個人情報に関して危険な世の中なので、電算機で個人情報を処理する場合、あらかじめ審議会の承認が必要ということ。
 いまの答弁では、これらの中で第8条しか満たしていない。おわかりだろうか。指定管理者だって市の個人情報保護条例の第7条、第9条、第10条などの規定も必要な筈ではないか。だから適応を受けるように整備をすべきなんだということ。
【答弁・落合総務部長】
 「現状のままでは不備だ」という議員の指摘。指定管理者制度が各市で導入されているが、指定管理者制度の制度に先駆けで三島市ではH12年の制定。後に指定管理者制度の導入になった。情報公開条例関係を手直しした団体があるかどうか調べている。中には、札幌市や函館市の例もある。市民や議員のチェック機能は法令などですでに確保されているし、個人情報保護制度の「自己情報コントール権」も確保されていると考えている。
 しかし新しい制度なので今後さまざまな先進市の事例なども出てくることが考えられる。三島市としても個人情報保護条例について調査・研究をしていきたい。
【まとめ・栗原】
 現在の個人情報保護条例では捕捉されない点がたくさんある。だから改正すべきだと指摘をしておきたい。
「方針」の点で理解されていないことがある。市の検討結果の中では、たとえば箱根の里についてであるが、「管理者(三島市)は単に施設の管理運営に留まっていない。そして社会教育施設の利活用を通じ青少年健全育成をしている」と。つまり、このことはその施設が単に「貸し館」ではなくして行政活動をそこで展開している。だから指定管理者移行にはなじまない。という考え方だ。
この考え方は教育分野の施設についてはそうなのか。福祉分野の施設についてはどうなのか。そこがはっきりしない。
 今回、条例改正の提案されている文化会館では、指定管理者が文化振興という行政活動を行なうことになっている。まちまちなのだ。だから、そこを普遍的に統一した方針が必要なんだということを言ってる。検討してほしい。