| 遅れましたが11月議会の報告です |
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今回の質問の趣旨は、知的障がいをもつ人への地域福祉を進めるために、 @障がい者支援費制度の現状と課題は? A支援費制度では対応することができないニーズを、静岡県のライフサポート事業の実施により補うべきではないのか? ということでした。 市としては、@については一定の状況報告をし、そしてAについては徹頭徹尾「検討する」という姿勢でした。 小池市長に対し、「財政難のなかで、どのように福祉施策を進めていくのか」という総論的なことを質しましたが、小池市長は「財政状況の厳しさ」を前提としつつも、福祉財源のもつ経済波及効果が高いこと。そして福祉予算に意義について、障がい当事者の力をつける、地域の力をつける、ということの基本認識を示しました。そうした観点から予算編成に取り組むということなので、注目していきたいと思います。 |
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栗原の質問 一般質問を致します。 はやいもので今年も残すところあと3週間程になりました。来る12月9日は「障がい者の日」となっております。そして、去る3日から今日を含み来る9日までのこの一週間、「障がい者の週間」として、三島市でも障がい者福祉の推進のためのキャンペーンの最中でもあります。「みんなでつくる福祉のまち・みしま」をスローガンに掲げた旗が、この市役所の駐車場周辺にもはためいておりました。が、昨日の強い風でその大半が吹き飛んものの、現在では復旧されております。 今回、私は「知的障がいをもつ人の地域福祉の推進について」をテーマとしてお伺いをいたします。 さて、言うまでもなく、障がいをもつみなさんへの福祉サービスのしくみが2003年(H15年)を境にして、大きく変わっています。「措置から契約へ」というキーワードに代表されるように、それまで行政が決める福祉サービスから、障がいをもつ当事者がサービスの種類を選んで、自分が決めていく。もちろんここには、行政による決定、どのようなサービスをどのくらい受けられるのかという「種類や量」の決定=これはサービスの支給決定と言われるものですが、その支給決定にそって、サービスを提供する事業所との契約に基づいてサービスを受けるというしくみであります。この仕組みは「障害者支援費制度」と言われております。その「障害者支援費制度」がはじまって1年と半年が経過しています。 私は、この間、三島市の支援費制度への取り組みは、この静岡県内の市町村、または周辺の市町村と比較をしてどのような状況であるのかについて、関心を寄せてきたところであります。現時点で入手できるデータなどから言えることは、総じて三島市の取り組みは、県内でもトップクラスに位置しているという認識に至っております。「これは意外だと」思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実態はそのような状況であります。 2003年度(H15)・・支援費制度が始まった年度でありますが、たとえば、ホームヘルプサービスの実績を見てみたいと思います。三島市において行われたホームヘルプサービスの時間数は年間で「22314.5時間」。これを人口比で考えると県内72市町村の中で「第2位」、市としては静岡市を抜いて「第1位」、富士川から東の東部地域でも「第1位」ということになっております。 この要因として考えられることはいくつかあります。ひとつは、利用の希望に対して、行政がこれを尊重する対応をしてきたこと。なお、窓口対応の善し悪しに幾ばくかの課題があると思われますが、総じて、利用希望の尊重という対応がなされたこと。また、その前提となる、サービスを提供する事業所が他の地域に比べ、多く存在していること。などがあると考えられます。利用者のニーズに沿って、行政・事業所が創意工夫をしてこのような状況が生まれていると考えます。 しかし、これはホームヘルプと言いましても、その対象が、身体障がい者、知的障がい者、障がいをもつ児童の、トータルとして時間数の比較でありますから、今回の質問である、「知的障がいをもつ人(子どもも含みますが)」について、比較できるデータはいまのところは無いのですが、この9月時点における支給決定の件数での比較からすると、特に児童のホームヘルプの件数は49件、ですから49人の子どもたちが支給決定を受けているのですが、ちなみに沼津市では80人、長泉町では7人、清水町5人、函南町8人であります。人口規模からの比較でいきますと、県内では静岡市が一番多いことに対し、三島市はこれには及ばないものの、東部エリアでは富士市を上回る第一位ということになります。今回の補正予算では児童の支援費が増額されましたが、この利用の増加ということと相まって、特に児童のホームヘルプというジャンルで優れた状況にあると言えるのではないでしょうか。 あまりいい点ばかりを強調してもいけません。ショートステイ、デイサービスなどはサービス提供事業者の不足から利用したくてもできない状況。また、成人の利用実績についてはやや低いのが現状ではないかと思われます。 多くの課題も残していることがある一方、支援費制度、それ自体を巡っては、介護保険との統合の問題はどうやら先送りされたようでありますが、尚、たいへん不安定な状態にあると思われます。来年の通常国会に提出が予定されている(仮称)「障がい福祉サービス法案」これは、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者のいわゆる「3障害の一本化」ということを含みながら、現状の利用者負担のあり方をはじめ、多くのことが検討されていることから、今後、制度が変わっていくこともあり得ると思います。そしてまた、「財源不足」ということがことさらに強調されていますが、その不安も否めないところであります。 しかし、このようななかにあってもたえず、後退せず、前に進むことが求められていると思われますが、三島市の支援費制度への取り組みへの基本姿勢、及び運用状況の概要の報告を求めるとともに、どのような課題を把握しているかについてお伺いいたします。 さて、先ほど述べた点、ショートステイについてはサービスを提供をする事業所が不足していることにより、サービスを受けたくても受けることができない。ということに加え、これは制度的な問題ですが、中学生や高校生は、その必要性があるにもかかわらずデイサービスの利用が認められていません。また、通学・通勤について緊急の場合をのぞいてガイドヘルプサービスの利用は原則的に認められていないなどの問題があります。 質問の第2点目になるのですが、このように、支援費制度では満たすことができない福祉ニーズに対し、これを補う目的をもって、静岡県は「ライフサポート事業」を制度化しております。この実施主体は市町村になることから、三島市がこの事業を実施することによって、支援費制度上の課題の克服にもつながり、もって、支援費制度と連携して、障がいをもつ人(児)への地域生活へのサポートの水準はかなり向上することが見込まれますが、少しずつでも可能なことから取り組んでいくというお考えがないかと伺います。以上、壇上からの質問といたします。 |
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木内部長の答弁 初めに支援費制度の現状と課題、また姿勢について答える。 障がいのある人が自分自身にあった福祉サービスを自ら選択することを尊重し、利用者の希望に沿ったサービスを提供することを目的とした、支援費制度が平成15年度にスタートして2年がたとうとしている。 まず、市の現状として、平成16年11月現在の支援費支給決定者の総数は、施設・居宅支援利用者をあわせ、身体障害者62人、知的障害者149人、障害児68人の合計279人となっている。 そのうち、居宅生活支援の決定者数は身体障害者32人、 知的障害者34人 障害児68人合計134人の方が申請をされ、支援費のサービスを受けている。 また、支給額においては、ホームヘルプサービス等の居宅生活支援で、今年度4月から7月までのひとりあたりの月平均支給額は身体障がい者で、13万1千8百円となっている。これは全身性障がい者は日常生活を行なうため長時間の介護が必要となるため他市と比べ支給額が多くなっているものと考えている。 また、知的障がい者では1万4千4百円。障がい児では2万5千8百円となっている。デイサービスのひとりあたりの月平均利用額は、身体障がい者8千6百円 知的障がい者7万4千7百円、同様に、短期入所(ショートステイ)では、身体障がい者1万2千円、 知的障がい者1万2千9百円、障がい児1万2千3百円となっている。実際の支援費サービスの利用者だけで算定するとさらにひとりあたりの支給額は大きいものとなる。また、措置制度から支援費制度に移行後の居宅生活支援での実績額は、措置制度での平成14年度決算額においては身体障がい者1152万4190円、知的障がい者では246万2640円、合計1770万2830円となっている。支援費制度に移行した平成15年度の決算額では身体障がい者では4262万3280円、知的障がい者では1118万9280円、障がい児では1044万8730円、合計で6426万1290円となった。制度改正後は4655万8460円と、総額で前年度比約3.6倍の増加となっている。平成16年度においてもなお増加が見込まれる。支援費の大幅な延びは県内の市町村にとって大きな負担となっている。尚、三島市の支援費の支給額は他市に比べても非常に大きなものとなっている。また、支給量については特に全身性障がい者の方には日常の生活が行なえるよう、一日10時間の長時間ホームヘルプを、また、障がい児の余暇支援に対する移動介護では必要に応じて週1回、一日8時間を余暇支援として勘案している。 次に、事業がはじまって1年余のなかで私どもが感じている課題は、まずひとつは市町村間のサービス格差である。このため、一部の福祉サービスに恵まれた市町村に障がい者が集まる「福祉移民」が生じているとの新聞報道もある。三島市でも支援費のスタートと前後して障がい者の転入がみられるようになった。障がいが重い方は、ひとり概ね700万円余の支援費が必要となっている。このように一部の自治体に大きな負担がかかるなど問題がでてきている。 二つ目は、支援費制度では利用者本人の希望するサービスを公平に提供するものであるとしているが、障がいの程度が同じでも利用者の希望や家族の状況、生活環境等により支援の内容や支給量が違ってくる場合もあり、利用者の方から他の利用者の支給量に比べて多い少ないの不満が出てきている。 三つめとして居宅支援での移動介護の制限等、利用の制限がある。 4つめとして一部、サービスにおいて支援費指定事業者の不足。 5つめは支援費制度の財源不足。2004年度の国の在宅サービスの補助金が、当初予算で約170億円不足する見通しであり、2年連続して100億円を超える大幅な不足が見込まれている。このため国では財源不足を補うために平成18年度から介護保険制度との統合を視野に入れた検討をしているとも報道されている。 三島市では平成15年度、国庫補助金申請額の約95%の補助額となっている。県の補助金については最も影響のあった三島市、富士市をはじめとして県下各市町村の要請により申請額通りの補助金が得られている。 平成16年度については、国・二分の一、県・四分の一の補助金を全額得られるよう静岡県に対し要望している。 今後の支援費制度の方向性としては、厚生労働省が平成16年10月12日、障害保健福祉施策改革のグランドデザイン等を社会保健審議会障害者部会に示したところである。このようななかで、三島市においての支援費制度への基本姿勢であるが、支援費制度が始まって2年目を迎え、制度への理解がすすみ利用者が増加し裾野が広がる中で、三島市としても障がい者への支援対策としてサービスの利用の拡大、利用料の公平性に留意しまた利用者の自立に寄与できるよう努力していきたい。 |
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森井参事の答弁 ライフサポート事業への評価と取り組みについて。 障がい児者ライフサポート事業については、平成16年6月4日、県から実施要綱が示された。この事業の趣旨は、支援費制度の円滑な利用を推進し、障がい児や障がい者、その家族が地域で安心して生活できるよう生活支援サービスを提供することにより地域福祉の向上を図ることを目的として創設された。 この事業の実施主体は市町村であり、また、利用対象者は実施市町村に住所を有する障害者で、障害者支援費制度の対象となる障がい児者、及び特別支援教育対象の児童生徒である。 事業内容としては、ヘルパー派遣利用によるホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスがある。この事業費の割合は県・三分の一、市町村三分の一、利用者三分の一となっている。県内の市における取り組みの状況は東部においては、10市のうち4市が取り組みのための補正予算を組んでいる。富士市においては、実施事業所が現在のところ無いようだ。富士宮市においては12月より送迎サービス等を始める動きである。また、下田市においては来年1月よりホームヘルプサービスをはじめると伺っている。さらに沼津市では実施に向けて調整中の模様である。 ということで、実施に向けては各市町村ともかなり苦労しているのが現状である。この制度は障がい者に対する支援費制度が2年目を迎え、利用者、利用料とも大幅に延びているなかで支援費制度が利用できない人や支援費制度に追加または併用して利用した人にサービスを提供するもの。 市としては引き続き支援費制度の円滑な利用の促進を第一としながら、さらにこの制度での補完により障がい者の支援充実を図るため、利用者の需要、またサービス提供が可能な事業者の状況等について調査し、どのようなサービスが提供できるか、さらに近隣市町の状況などをみながら研究・検討していきたい。 |
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栗原の質問 再質問は、支援費制度でのひとつひとつの課題を具体的な形で掘り下げをしながら、後ほど小池市長に支援費制度、ライフサポート事業について、総論的な質問をしていきたい。 答弁の中で、支援費制度のひとつの課題として「事業者の不足」ことがあった。これは制度上、サービスの利用はできるが、事業所がないために利用したくてもできない。という状況がある。 そのひとつにデイサービスがある。そこから発生するひとつの問題として、子どもたちの「放課後対策」がとれない問題がある。学校から帰ってきた後の時間の過ごし方、また放課後だけではなく夏休みなどの時間のすごし方なども含めて「放課後対策」としてある。が、本来はデイサービスが自由に利用できるのであれば、障がいをもっている子どもさんの「放課後対策」はここで対応することができる。しかし、事業所が無い、ということの中で「放課後対策」がとれない。という現状がある。 三島市内には「放課後対策」においては「放課後児童クラブ」が14箇所運営がされている。多くの子どもたちが利用している。夏休み等も利用している。これからももっともっと利用されていくことが求められている。しかし、現状、「放課後児童クラブ」に養護学校へ通っている子どもさんはひとりも利用していない。「放課後児童クラブ条例案」の時にも議論してきたが、制度上、14箇所の「放課後児童クラブ」に、養護学校の子どもさんも利用できることになっている。しかし、その時の、教育部長の答弁では「実態として非常に困難である」ということであった。制度上はあくまでも認められている。にもかかわらずこれが利用できないとするなら、養護学校に通っている子どもさんにとっては、この「放課後対策」というものは存在しないに等しい。 ここで考えたいのが、養護学校ではない子どもさんにとっては「放課後児童クラブ」があり、しかし、養護学校の子どもさんいとってはこれが無いとするならば、不公平ではないか。この点についての認識を伺いたい。 さらに、この問題について考えるならば、「放課後対策」の必要性。これは、むしろ養護学校へ行ってる子どもさんのほうが本当は必要性は高いのではないか。 この点についてどのような認識か。 |
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森井参事の答弁 養護学校へ通っている子どもさんは、沼津養護、東部養護、御殿場養護、小学部、中学部、高等部、合計60人が市内から通っている。沼津養護学校においては父兄が当番制で教室をお借りして一定の時間、放課後の面倒をみていることを伺っている。また、児童クラブの関係では、現状、受け入れが困難で、可能であれば保護者も助かるということについては認識をもっている。 ライフサポートのなかで、そういうサービスが提供できるような形がとれるのか、事業者があるのか、どんな方法でやるのか、今後、調査研究したいと考えている。 |
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栗原の質問 ぜひ、検討をしてほしい。が、伺ったのは、「不公平じゃないのか」ということへの認識だ。学校で保護者の方が当番制でという話であったが、これは苦肉の策であろう。制度として、「こっちがあって、こっちが無い」というのは不公平だ。その点も含めて検討してほしい。 いまの話は小学生の場合。中学生、場合によっては高校生のみなさんも、必要とされるケースもあるだろう。ここは、支援費制度との関係からすると、デイサービスをその対象として認めていない部分だ。そこをフォローしていくという考え方にぜひ立っていただきたい。 いま伺っているのは、支援費制度で認められていない部分を、ライフサポートを活用することによって、これを補うことができるということなのだが、ひとつの具体的な話としては移動の介護という問題がある。通学、通園には移動介護が認められていない。しかし、ライフサポート事業ではこれを補うことができる。ただしかし、ご承知と思うが車を使って有料で送迎するということについては道路運送法の規定からして現状では制約がある。そこで、検討のなかでこの点を考えていただきたいが、送迎というものは必ずしも車で行なうとは限らないということだ。公共交通機関を使ってヘルパーさんが子どもさんをサポートする。こういうあり方も十分に考えられる。 特に、伺っておきたいのは、公共交通機関なら即、ライフサポートで可能なんだと。この確認をしたいがいかがか。この点がひとつ。 そのような形で、知的障がいをもつA君、 三島から沼津養護学校、非常に遠いのであるが、高校に通うとする。高校の場合、小中と違いスクールバスがないので保護者の方が車で送迎をしているケースが大半。A君が、もしも公共交通機関、電車やバスでヘルパーさんのサポートのもとにであっても、場合によると、そのトレーニングのなかでヘルパーさんが付かなくもいい状況が生まれるかもしれない。ということがひとつ。仮に、やはりサポートがずっと必要な場合であっても、3年間そういう形で高校に通ったとしても、そのことは、どれだけ彼の力になっていくだろう。卒業後、作業所にいくか、就職ができるかはわからないが、3年間そうやって通ったことが、どれだけ本人の力になるだろうか。そのような観点をもってもらえるのか。 繰り返し伺う。第一点はライフサポートにおける送迎は、公共交通機関でも可能か否か。二点目としては、実はそのことは、保護者の負担が軽減されることに間違いないが、それ以上に、本人の力になっていくという観点をもっていただけるのか否か。 |
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森井参事の答弁 公共交通機関をつかっての送迎は制度的には可能である。 しかし、実施するか否かはいろいろな状況があるので、即実行できる内容か否かは研究が必要だ。通学について、支援費制度では認められていないものを、緊急時などは認めるなどかなり柔軟に対応しているが、議員の言っている公共交通機関を用いての送り迎え、是非どのようにしたらできるのか、実際には無理なのか、その可能性についてはこれからも研究していきたい。 |
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栗原の質問 単に、保護者の負担軽減だけではない。もちろん、これはこれで大きな要素であるが、そのこと以上に本人の力をつけていくことに向けての観点をもって、検討を願いたい。 総論的に小池市長に伺いたい。 ライフサポート事業については研究する、利用者の個別的なニーズ、あるいは、事業所が協力していただけるのかどうかの把握、こういう答弁だったと思うが、ぜひこれは着実にやっていただきたい。 やはり、財政が非常に厳しいという状況はある。私もいろんな問題にふれて、財政状況の厳しさを言ってきたひとりのつもりだ。 しかし、財政が厳しいなかで、福祉政策をどのように進めていくのか。ということは三島市にとって大きな課題になっている。ひとつ言えることは、財政厳しいなかでこそ、ニーズと向き合っていく。財政厳しいからニーズから目をそらしていくというのではなく、ニーズと向き合う。がっぷりと四つに組む。そしてどうやったらそれを満たすことができるのかという、そういう能動的な姿勢、受動的ではなくて能動的な取り組みの姿勢が、財政厳しいなかでますます必要ではないか。財政厳しいなかでの市の姿勢というものがどうあるべきか、この点について市長の認識を伺う。 もうひとつ。障がい者の分野において、福祉財源のもっている意味。これをキチっと捉える必要性があるのではないか。先ほどのA君の話ひとつとっても、そのことにより保護者が安心して働くことができることによる経済効果があるだろう。数年前、私は、福祉財源のもつ経済効果、雇用効果は、土木建築部門よりも実は高い、ということを当時の茨城県による調査により、小池市長の見解を質したことがある。小池市長は「まさにそのとおりではないか」と答弁した。 この経済効果の点がある。 そのことに加え、今回、強調したいのは、「A君の力がつく」当事者の力がつくということは同時に地域との関係性が生まれ、ひいては「地域の力」がつくということにつながる。福祉財源というものは、人を育てる。そして地域の力をつける。そういう、創造的な意義をもっていると私は考える。 いま、施設から地域へという大きな転換期にある。こういうなかでこそ、当時者の力をつける、地域の力をつけるというのは非常に重要なテーマになっているのではないか。福祉財源というものは、こうした地域を創っていく力をもっているというのが私の認識だ。小池市長の見解を伺う。いま、障がい者週間だが、そのことにちなんだ答弁を期待したいが、いかがか。 |
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小池市長の答弁 栗原議員から「ちょうど障がい者週間だから、そのことにのっとった答弁を」をという話。私も、地域福祉、ノマライゼーションの実現をみることができるように努力していかねばならないと常々考えている。 12月4日に農業際があった。JAみしまかんなみが大々的に市民町民と一緒になって農業を考える機会。南二日町広場の、あの広い広場がいっぱいとなるようなテントが張られ、人々が来られた。その壇上で私もご挨拶したが、昨年からその農業際において障害者の皆様方が作られた作品を展示販売するテントが張られた。それを農協さんが主催してやっていることにたいへんな意義なあると考える。昨年も感謝をしたが、今年も強調してそのことについて御礼を申し上げた。社会福祉協議会の会長も同様であった。 まさにそれこそが、障がい者の皆さまを健常者の皆さまが一緒になって、働く世の中をつくる、地域福祉の実現だと思った。そういう社会の実現に、今後とも市長として努力していかねばならない。 栗原議員からの質問、財政が厳しいからと言って、福祉を後退させることなく、ニーズと向き合う、受動的でなく能動的な姿勢であるべきという指摘をいただいたが、私もまさにその通りだと思うが、財政というものを無視しては市長として市政の運営ができない。そのこととの兼ね合いが非常に難しい。福祉の後退はぜったいにあるべきではないし、そうかといって財政が潤沢ではない状況下で、福祉の花咲くまちを創っていくにはどうしたらいいかと。そのことについては苦労をしている。17年度の予算案の策定にあたっても、議員のご指摘の「能動的な取り組み」、よく頭の中に入れて対応していきたいと考えている。 それから、福祉予算の経済効果、雇用効果が高いというご指摘。私もそのことは十分考えている。栗原議員から2年くらい前に質問を受けたが、確かに福祉事業をやることによって雇用が発生するし、経済的効果もある。そのとき、確か栗原議員は数値まであげられ、指摘をされたことを思い出す。そうしたことは事実なので福祉の充実はいろんな効果があるので、そのことを踏まえ、財政的にも対応しなければならないと考えている。 さらに、先ほどの「A君」の話、A君の力がつく、地域の力がつくという話があったが、私もそのことについて十分考えるなかで対応していきたいと考えている。 |