| 2009年度 政務調査はこのように使わせていただきました |
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2009年度(平成21年度) 活動報告書
栗原一郎
1.研究研修費 (1)第1回生活保護問題 議員研修会 於:東京星陵会館 4月17日、18日 旅費 22,200円 参加費 20,000円 「リーマンショック」以降、全国的にも急増する生活保護ニーズに対し、各自治体での対応は必ずしも充分ではなく、対象者の餓死事件なども起こっている。そんななかで、適正な生活保護行政が確保される必要性があり、生活保護法各条項の解釈と運用についてあらためて研修する機会であった。この分野の専門家や法律家を含め豊かな講師陣による解説は、自治体の現場への検証や論議に大いに役立つものとなった。また、経済学者である金子勝氏による講演「穴だらけのセーフティーネット」は「小泉構造改革路線」が経済政策として失敗していることを論証し、わが国における政治の欠落について厳しい指摘をし、参考になる論旨が展開された。 (2)かながわ自治体ファイナンスシンポジウム 5月11日 旅費 10,300円 参加費 3,000円 前三重県知事・北川正恭氏による基調講演「真の地方政府を目指すために〜自治財政権の確立」は、議会改革について考えるうえで示唆深いものであった。同氏は現状に自治体議会のあり方について「学芸会」などと批判するのであるが、それは自治体議会の本来のあり方を求めることの裏返しの表現であることが理解できた。自治体が地方政府であるためには、議会の役割や機能を向上させる道は避けて通れないということを改めて実感した。 (3)市議会議員勉強会 8月26日 旅費 5,300円 県内の政党に属さない自治体議員有志による財政、下水道整備のあり方に関する勉強会が開かれ参加した。「財政健全化法」に基づく、実質公債費比率、将来負担比率についての見方や考え方、各議会での論議のあり方等について勉強した。また、下水道整備のあり方について、各自治体における実態等の資料をもちより、互いに検証し、今後のあり方についての論議を交え認識を高めた。 (4)「地方×国」政策研究会 2月8日 旅費 11,100円 参加費 1,500円 自治体議員政策情報センター主催により、政権交代後の新政府による始めての地方財政計画・地方財政対策、地域主権等について、国会内で総務省スタッフを交え、研修会が行われこれに参加。とりわけ、地方財政対策における「臨時財政対策債」への考え方についてたいへん勉強になった。地方主権については概念自体が非常に曖昧であり、問題が多いことが質疑等のなかで明らかとなった。また、地方財政についての現状と経過を、澤井勝奈良女子大学名誉教授が講演。統計資料等に基づく客観的な内容であったが、今日の財政難において地方財政計画の問題点への認識が改めて高まったものとなった。 2.調査旅費 *詳しくは別紙・行政視察報告書に掲載 (1)静岡県建設部都市局生活排水室 6月5日 旅費 5,300円 (2)千葉県市川市 10月26日 旅費 10780円 3.資料作成費 ・議会資料等作成のためコピー機を使用した。 6,961円 4.資料購入費 調査研究のため以下の書籍等を購入した。 ・福祉新聞購読(購読料09年4月〜10年3月) 18,900円 ・市街地再開発事業にかかる各種評価マニュアル 4,000円 ・再開発必携 8,500円 ・上記2冊手数料 420円 〃2冊送料 500円 ・精神保健福祉法詳解(中央法規) 5,700円 合計 38,020円 5.広報広聴費 無し 6.人件費 無し 7.その他の経費 ・5月20日 下水道行政のあり方について富士市を視察の際、おみやげ(茶)を購入。 3,150円 ・6月5日 県庁都市局を視察の際、おみやげ(茶)を購入。 2,000円 ・10月26日 千葉県市川市を視察の際、おみやげ(茶)を購入。 3,000円 2009年度(平成21年度) 行政視察報告書 市民自治ネットワーク 栗原一郎 1.富士市下水道課 実施日 平成5月20日 テーマ 下水道行政のあり方について 富士市においては、下水道計画区域・認可区域の見直し縮小により、下水道による面整備から個別合併処理浄化槽による排水処理への転換を図っている。同計画の内容や考え方、取組状況について視察した。 個別合併処理浄化槽による対応は、浄化槽の維持管理に要する個人負担の増加に対応するための公費助成を考慮したとしても、今後の「面整備」に要するコストとその効率を考慮すれば、個別合併処理浄化槽による対応のほうが経済性において優れているというシュミレーションが成り立つ。 その場合、「面整備」「個別合併処理」の区域をどのように区分するかなどの点や、広く市民、とりわけ影響を受ける市民への理解を求めることなどが大きな課題となる。また、「個別合併処理浄化槽」の排水についての検査(法11条検査)が、法的受検義務がありながら殆ど履行されていない点なども明らかとなった。 この検査機関は、国(厚生労働省)の指定により決められているが静岡県内では指定機関が極めて少数であることも受検義務が履行されない要因であることが思慮された。 いずれにしても、今後の三島市においても、今後の「面整備」については同様の状況をきたしつつあり、共通の課題が考えられるなど、大いに参考となった。 2.静岡県都市局排水処理室(流域下水道) 実施日 6月5日 テーマ 流域下水道の現状と課題 三島市における流域下水道は、大場川以東の区域を対象とし、整備が図られている。この排水処理はは西へ約30キロ離れた原(女鹿塚)の処理場において対応され、極めて不効率な現状にあると言える。そこで、東部処理区・東部浄化センター(函南町)での処理への切り替えの可能性などについて話を伺う。 事前の推察として、この件について県の認識としては、上記の趣旨については認めることはないと予期していたのだが、実際に話をしてみると、実現の可能性は別として、趣旨については理解をしたくれたように感じた。むしろ、夏梅木ポンプ場(三島市)の更新の時期など、一定の機会にその検討をする価値があるとの認識が示されたことは、意外であった。 西部処理区の下水道計画を包含する流域総合計画についての進捗状況や今後の課題等について説明を受け、研修を終えた。 3.千葉県市川市障害福祉課 実施日 10月26日 テーマ 障がい者自立支援協議会について 障がい者自立支援協議会は、自立支援法に基づきその区域において障がいをもつ人への個別的な包括支援を充実させる目的をもって、全国的に各自治体に設置されつつある。しかしながら、設置しても、必ずしも充分は機能がはたされていないとの指摘を多い。各自治体では、市町単独に設置する自治体、広域で設置する自治体、まちまちである。三島市においては未だ設置に至っていない現状にある。 千葉県内の自治体においては、千葉県が県としての取組を総括しており、一定の水準にあることが伺え、市川市においては市単独で障がい者自立支援協議会を設置し、相談支援の体制の整備が比較的充実している。このための自立支援協議会が有効に機能していることを事前の調査等で把握した。 このため、同市に赴き実際の話を伺うこととなった。 当市は、精神障がい者に対する「ACT」(医療・福祉・インフォーマルを組み合わせた包括的個別支援)を実施している数少ない自治体のひとつであり、これは筑波大の大学施設や医療施設などの社会資源に恵まれていることが背景にある。また、相談支援業務は、自立支援法に基づく市町(県も)固有の業務であるが、その異議について理解をしている自治体は残念ながら少ない現状のなかで、この業務の意義に対する認識が非常に高いことが伺えた。(個別支援会議のあり方など) また、同市における相談支援は、自立支援協議会の設置に呼応して設けられた「えくる」という相談支援事業所が担当し、個別支援会議の実質を受け持っている状況が把握できた。 当然、他にも相談支援の事業所との連携のあり方を含む「えくる」の稼働状況や、同市からの委託料などを伺い、それでもまだ課題が多い実態について、担当者はたいへん積極的な考えをもっていた。 今後の三島市において、自立支援協議会の適正な設置・運営についてたいへん参考となる内容であった。 |