日常という名の風景



 「小僧、これ。」

氷室さんに遠羽警察署へ呼ばれて来てみると
挨拶もそこそこに氷室さんは自分のパソコンのディスプレイを指差した。

その指先を追ってみるとそこには一つのファイルがある。
ファイル名は「abc」、特にアプリケーションと関連付けはされていない。
困ったことがあると自分から事務所へ足を運ぶタイプの氷室さんだから
態々警察署に呼ぶなんて何か大事な用事なんだろうと急いで来てみたのだが、
俺を待っていたのはよく分からない一つのファイルだった。

 「こんなの置いた記憶ないんだけどなあ。」

 「開けてみなかったんですか?」

 「ん、いきなり爆発されても困るし。」

ば、爆発・・・。
氷室さんのパソコン音痴は今に始まったことではないけど、
この情報化社会の最中、ファイルクリックするだけで爆発って・・・。
コンピュータウィルスなんて知らないんじゃないだろうか。

 「ほら、詳しい奴がいなくなっちまったもんで。」

 「それで俺を呼んだんですか。」

頼りになった森川がいなくなったのは分かるが、
署内にも詳しい人はいるだろうに何故俺なんだろう。
もしくは娘に・・・って撃たれるから娘には聞けないか。

しかし本気で「爆発されると困る」と思っていたのなら
尚更俺を呼ぶ理由なんて余計に・・・って。

 「あ。」

 「爆発する物なら小僧がいいと思って。」

そう言うと氷室さんは少し口元を綻ばせた。

やっぱり。
確かに以前爆弾を解除したことはあるけど、
だからといって何でもかんでも呼び出されるのは御免である。

 「本当に爆弾だと思うなら民間人にやらせないでくださいよ。」

 「ん・・・小僧が来たほうが楽しいし。」

な、なんていい加減な・・・。
相変わらず適当というかノンビリしているというか。

まずいまずい、このままでは氷室さんのペースに嵌ってしまう。
とりあえず問題のファイルを見ることにしよう。

 (やっぱり関連付けされているアプリケーションは無いな・・・)

拡張子を表示しない設定になっているので何のファイルか一目では分からない。
まずは拡張子も表示させる設定に切り替えよう。

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よし、これで何のファイルか特定できる。
このファイルの拡張子は「zip」・・・圧縮ファイルか。
関連付けがされてないと言うことは解凍ソフトがインストールされていないんだな。

 「氷室さん、このパソコンに解凍ソフトって入ってますか?」

 「ん、何の答えを探すんだ?」

氷室さん『回答』じゃないですよ。
そうか、氷室さんに専門的なこと言っても分からないんだ。

 「あ、このファイルなんですけどね、
  効率良く管理する為にコンパクトなサイズにしてるんですよ。
  これを見るにはコンパクトなサイズから戻してあげなきゃいけないんです。」

 「よく分からんが・・・布団を片付けるときの圧縮機の原理みたいなものか。」

 「まあ、そんなようなものです。
  今は圧縮機にかけてあるような状態なので、それを戻すためのソフトが必要なんですよ。」

 「ふうん。」

氷室さんは分かったような分かってないような返事を返し、
そして間髪を入れず

 「小僧、そんなの俺が分かると思うか?」

と細い両目を少しハの字に傾けながら言った。
俺はその問いかけに無言で首を横に振った。
・・・分かるはずがない。

 「・・・で?」

 「とりあえず事務所のパソコンならそのソフトが入ってるんですけど・・・」

そういった途端、氷室さんは一転してにこやかな顔に変わり、

 「じゃ、行こうか。」

と、待ってましたとばかりに意気揚々と立ち上がった。
そんなに事務所で暇潰したいなら自分から来ればいいのに、
と心の中で悪態を吐く俺を他所に氷室さんはスタスタと部屋から出て行こうとする。

 「氷室さん待ってください!これを持っていく準備をしないと。
  フロッピー・・・この位の四角くて黒いプラスチック製の物ありませんか?」

 「ん・・・一番上の引き出しに入ってたような。」

 「借りますね。」

開けてみると引き出しの奥の方に無造作に置かれたフロッピーディスクがあった。
『よく分からないけど大事そうなので保管してあります』というのが見え見えだ。

 (さて、このフロッピーにファイルを保存して・・・って、あ)

このとき氷室さんは何故俺を呼んだのかを理解した。
そもそもファイルの持ち出し方が分からなかったんだ・・・。

無事保存が終わると、既に部屋の入り口に姿が見えない氷室さんを追って部屋を飛び出した。


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事務所には誠司所長、京香さん、氷室さんと俺・・・と何故か哲平の姿が。
理由を聞いて見ると「今のうちに捕まえておけ」と成美さんから依頼されたらしい。
とりあえず定時にはまだ早い旨を伝えると、終わるまで事務所で待ってると居座ってしまった。
これは「逃がさないぞ」という無言の圧力に違いない。

仕方ない今日は覚悟しようと気持ちを入れ替えて
早速例のファイルを開いてみることにした。

 「京香さん、パソコン借りますね。」

 「うん、いいわよ。」

快くOKした京香さんは席を立ち俺に場所を譲った。
俺は席に座り、氷室さんはその後ろディスプレイが見える位置に陣取る。

 「小僧、たのむわ。」

 「ええ。」

フロッピーディスクを挿入し、ファイルをハードディスクにコピーするための操作を始めた。

 「恭ちゃん、何やそれ?」

いつの間にか俺の後ろに立っていた哲平が興味深々に覗いてきた。

 「うん、氷室さんのパソコンに入っていたファイルなんだけど、
  氷室さんのパソコンじゃ開けなくてさ。
  事務所に持ってきたんだ。」

 「おっさん、ほんまは開きかた分からんかったやろ。」

 「いやあ、おじさんが触ると色々大変でなあ。」

すかさず哲平が隣に立つ氷室さんにツッコミを入れる。
そして氷室さんは全然悪いと思ってなさそうな返答を返す。

そんないつも通りのやり取りを不思議と微笑ましく思いながら
ハードディスクに移したファイルを解凍ソフトで解凍し始めた矢先、

 「ほう。」

後ろで見ていた氷室さんが突然感嘆の声を上げた。

 「どうしました?」

 「いや、パソコン触ってる姿が森川に似てるなと思った。」

 「森川・・・ですか。」

いきなり森川の名前を出されたので正直驚いた。
机を挟んで自分の正面に立っていた京香さんの表情も心なしか曇った気がする。

 「うーん、パソコンに詳しい人間なら全員そうかもしれんのだが
  いとも簡単にパソコンを操作している姿が森川っぽくてな。」

 「・・・」

事務所内は沈黙に包まれた。
勿論、氷室さんに悪気はない。
常日頃から森川に接していた氷室さんだからこそ、
パソコンを触っている姿が森川を想い出させたのだろう。

 チャラリラリ〜

そんな沈黙を破ったのはパソコンが発した解凍終了を知らせる音だった。
無機質なパソコンに雰囲気を読む力は無い。
そんな無慈悲なパソコンに今回ばかりは感謝しつつ解凍されたファイルを確認すると、
OS付属のワープロソフトで開けるドキュメントファイルだった。
バージョンの違いはあるかもしれないが、
最新版がインストールされている事務所のパソコンでは問題なく開けるだろう。
念のため解凍されたファイルをウィルスチェックにかけ、

 「開きますね」

と宣言してからファイルをダブルクリックした。
その言葉に反応して全員ディスプレイが見える位置に集まる。

 「小僧、爆発は大丈夫なのかぁ?」

 「大丈夫ですよ氷室さん・・・。
  あ、開きましたね。」

ディスプレイを全員が同時に覗きこみ、そして次の瞬間全員驚きの表情に変わった。

読み込みが終わり画面内に映し出されたものは
森川から氷室さんに宛てられた手紙だったのだから。


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氷室さんへ

お久しぶりです、氷室さん。

氷室さんがこのファイルを開いているとき、
既に私は氷室さんの側にいないと思います。
いや、既にこの世にすらいない可能性が大でしょう。

まず氷室さんには謝らなければなりません。
自分の信じた「正義」が結果的に氷室さんを欺く結果になってしまいました。
目指す先が同じでもその道程は人によって異なることはあります。
ですが、それが心から尊敬している人を欺いてしまうことになるのはやはり心が痛みました。
謝ることで許されるとは思いませんが本当に申し訳御座いません。

刑事になって氷室さんに出会えて私は本当に幸せでした。
氷室さんがいなければ私の信じるものは「正義」と呼ぶにはおこがましいものになったでしょう。
今でも現場の人間が冷遇される警察の体質を許せなかったこと、間違いだとは思っていません。
氷室さんのような人が国や警察という組織に「飼われる」ようでは駄目なんです。
最後、いや最期までこの気持ちを貫けたこと、
せめてもの恩返しになると思ったら氷室さんは迷惑でしょうか。

願わくば、氷室さんと鳴海さんと京香さん、そして真神やその友達も集まって
全てのわだかまりを捨てて皆で騒いでみたかった。
みんなで酒を飲んで冗談を交わしたり時には真剣な議論したり・・・
こんな仲間に囲まれた人生を歩んでいたらと今更ながらに思います。
ですが、これも夢で終わってしまいそうです。

私の人生、氷室さんと出会えたことで救われました。
感謝の言葉、いくつ連ねても書き足りません。
本当に有難う御座いました。

氷室さんの今後の御活躍を御祈りしております。
さようなら。

森川直治


追伸
 氷室さん、早くパソコン覚えてください
 分からないからと言って今度は真神を頼ってはいけませんよ
 おそらくこのファイルも真神に頼んだのでしょうけど

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事務所内に京香さんのすすり泣く声が聞こえる。
表情は見えないが氷室さんも感極まっている雰囲気が伝わってくる。

俺には手紙を送ってきたけど
氷室さんへのメッセージはパソコンにファイルとして残してあったのか。
氷室さんへの想いは勿論のこととして
憎まれ口ばかり叩いていた俺達に「仲間」という言葉を使ってくれたなんて・・・。

 (なんて真っ直ぐで、そしてなんて不器用な奴なんだ、森川。)

少しでも御互いに分かりあっていれば変わっていたかもしれない森川の人生。
その可能性を「仲間」という2文字から見出したとき、俺も目頭が熱くなった。
同じく表情は見えないが哲平も同じ気持ちに違いない。

事務所内の全員が次の言葉を紡ぎだすのに苦労している雰囲気が漂う。
とそこへ所長が一言。

 「こりゃ『夢を現実に』だな。」

簡単で分かりやすい言葉だった。
その言葉だけで事務所内全員の意思は統一された。

 「どうせ成美さんもいるんならスピリッツでいいんじゃないですか」

と、俺が言うと続いて哲平が

 「ほな、奈々ちゃんにも連絡しとくわ
  ・・・って未青年やなあ。」

ちらっと氷室さんの方を見る。

 「いや、その時間は俺非番だからさあ・・・。」

 「よしきた!氷室のおっさん話がわかるで。」

哲平は一つ手を叩き早速携帯のメールを打ち始めた。
それに続けとばかりに京香さんも

 「定時まであと20分だけど今日は事務所閉めるわ。」

と所長代理とは思えない宣言をする。

 「京香、さすがに就業時間は守らないと・・・」
 「お父さん就業時間守ったことないじゃない!」

・・・これで唯一の「所長」という砦もあっけなく突破。
所長は小声でブツブツ文句を言っているが、さすがに立場も弱く京香さんには逆らえないらしい。

これがいつも通りの光景だけど
森川に仲間だと認めてもらった今日はいつもより頼もしくそして輝いて見えた。

そんなみんなの連携プレイを眺めながら、俺は氷室さんにこっそり耳打ちした。

 「氷室さん、あのファイルなんですけど
  もしかして森川が置いたと勘付いてたんじゃないですか?」

 「・・・さあな。」

氷室さんはニヤリと口元を歪め、出口に向かって歩き始めた。

今日は楽しい夜になりそうだぞ、森川。
・・・ちょっと怖いけどな。


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 「かんぱ〜い」

何故か奈々子の音頭で宴が始まった。

スピリッツに集まったメンバーは総勢7名。
4人席のテーブルを2つ繋げて
左回り順に京香さん、誠司所長、成美さん、哲平、奈々子、俺、氷室さん、
という配置になっている。

席順から予想できることだが
静かに飲むという大人の飲み方とは程遠い展開が期待できる。
まあ、今日は森川も飲むんだから少しくらい騒がしい方がいいだろう。

ちなみに哲平が奈々子に送ったメールは
「奈々ちゃん、今日は森川の昇進パーティや。スピリッツ集合で。」
だったらしい。
全てを分かっていて『昇進パーティー』と言った哲平、
そして全てを分かっていて快く参加した奈々子、
こんな連中と席を並べられる俺は幸せだと思った。
そして今日はこの幸せを少しでも森川に実感させてやろうと誓った。

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立ち上がりこそ当たり障りのない会話を肴にちびちび酒を飲むという静かなものだったが、
開始一時間後にはやはり予想通りの展開となった。
誠司所長に絡もうとする成美さんを京香さんが執拗に牽制したり
ノリノリで酒を飲む奈々子にノリノリで付き合う哲平
目の前で未成年の奈々子が酒を飲んでいるのに
我関せずと言った顔でのんびり煙草を吸っている氷室さん。
全然まとまりが無いように見えるけど、みんなの想う気持ちは一緒。
騒がしいけど心地良い、そんな雰囲気がある。

しかし、静かに浸っているところへ横にいる奈々子が突然絡んできた。

 「見習い〜飲んでるか〜」

 「ああ、飲んでるよ・・・ってお前酒臭さ!!
  明日学校行けるのかお前!?」

どう見ても明日は二日酔いコースだろう。
奈々子はそろそろ止めたほうがいいんじゃないだろうか、なんて思っていたら
このやり取りを目ざとく発見した成美さんが更に追い討ちをかける。

 「恭介、あんた今日はペース遅いわね。」

 「いや、ちゃんと飲んでますって。」

と、慌ててフォローするも、

 「1時間経っても恭ちゃんがテーブルとニラメッコしてへんのはオカシイなあ」

相棒哲平が容赦無い成美さんへの援護射撃。
お前、本当に相棒か!?
こうなったら最後の良心に頼るしかない。

 「氷室さん、ヘルプ」

 「ん、仕方ないなあ。
  じゃあ今日の御礼に御酌してやろう。」

と、ジンライムのグラスにウィスキーを注いできた。
このやり取りに全員大爆笑。
どうやら今日も記憶なくすの確定らしい。

・・・でも、今日くらいはいいかなと思う自分もいた。


おそらく森川はこのファイルを俺が開くことを予測していたのだと思う。
そしてその予測通りに俺がファイルを開いた。

パソコンを操作している俺が森川に似てると言った氷室さん。
それは偶然ではなく必然のことだったのかもしれない。
あの時あの瞬間に森川は俺達の元に還ってきたのだから。

注がれたウィスキーに口をつけ、
俺は氷室さんの横にある席に向かって心の中でこう呟いた。

 (・・・また、みんなで騒ごうな森川。)

誰もいないはずの席。
このとき確かに森川が笑っていた。

 

コメント(言い訳)
どうもZac.です。
「森川&氷室」を題材に書いたつもりだったのですが、
結局「森川&真神恭介とその仲間達全員」が題材になってしまいました。
最後の台詞なんて恭介ですし。
本当は氷室が森川の吸っていた煙草に火をつけるのが良かったんですけど
演出としては本編で一度やってますし回避しました。

とりあえず書きたかったのは森川も含めて「仲間」なんだぞ、ということ。
そして森川自身も恭介達に「仲間」を感じていたこと。
やっぱり真神恭介とその仲間達の中に森川が欲しいんですよね。
作中ではこれっぽっちもそんな雰囲気はありませんが、
私の中ではそのように脳内変換されてます。
そう思ってない(感じてない)人には迷惑だっちゅう話ですな。

本作で書いたスピリッツの宴会では
席順が京香さん、誠司所長、成美さん、哲平、奈々子、俺、氷室さん、
となっていますがその次に森川が座ったとすると・・・
かなり良さげな配置になると思いませんか?
この8人が席を囲む姿、私の妄想界ではかなりデフォルトです。
甲斐甲斐しく京香さんの世話をする森川に茶々を入れる氷室さん。
その京香さんと言えば誠司所長に絡む成美さんの牽制に躍起になり、
絡む成美さんの酒量を上手く抑えようとその隣でペース配分に気を使う哲平。
でも哲平の隣は奈々子で哲平も奈々子のノリの良さに徐々に酒が入り
その姿を見て「ああ、今日も大変なことになる」と悟る恭介。
とは言え恭介も酒に弱いため、酔っ払った奈々子に散々飲まされようとして一生懸命逃げるも
既に御機嫌状態の成美さんに文句を言われてしまい、
最後の手段!と氷室に助けを求めたものの氷室は面白いからという理由で恭介に酒を注いでしまう。
で、それを見て大笑いする森川だが、京香さんが「真神君が可愛そうよ」と言うと
途端に態度を豹変させて「真神、弱いんだからあんまり飲むなよ」と気遣う森川。
全員、森川のあまりにもの豹変っぷりに総ツッコミ。
でも鈍い京香さんは何がなんだか分からず(笑)
森川はあんたが好きなんだってばさ・・・。
という感じで。

作中では手紙を送っていた森川ですが、
今回はパソコン上にファイルを残すと言う形を取ってます。
事故の多い手紙やメールは同じ警察組織の人間と言うことで避けてまして(なんじゃそりゃ)
氷室のパソコンでは開けないファイルなら氷室はおそらく恭介に頼み、
それを見た恭介は開けないから自分の事務所で開こうとする
という流れを森川が読んでいたことにしてしまいました。
ま、そこまではアリかなあと思ったりするのですが、
いつか氷室がファイルの存在に気が付くというところも森川が計算に入れてたことにしてまして
スゲーな森川と書いた自分でも思ってしまいます。

書きたいことは書けたんですけど、
今回はちょっと情景描写がクドいかなあとも思ったりしました。
氷室がパソコン分からないから恭介が細かく説明する部分とか特に。
ちょっと読み難かったかもしれません。
そして所々に矛盾を感じるかも
あ、氷室のパソコンのOSはWindowsXPではありませんので。

しかし、ファイル名が「abc」ってのは・・・
私だったら間違いなく怪しいと思って消去してしまいますね。
まあ森川も急いでいたということで。