その4 “しょうがない”ことと思える誠意レクリエーションその他
 
〜 “仕事”とバッティングしたらどうしますか? 〜

 これはアマチュアに限った話になりますが、例えばあなたが芝居に出演することになって、稽古も何回か重ねてきたけど、あるとき急に公演日に仕事が入ってしまった。その時あなたはどうしますか? かなり組織だったプロの劇団でない限り、簡単には代役は立てられません。ましてアマチュア劇団の場合は「芝居に出たい役者は全員舞台に立たせたい。」という気持ちから余りの役者はいない、なんてことが多い。そんな時あなたはどうしますか?
 これって芝居に限らず、僕が長年関わってきたレクリエーション活動でも同じ、住んでいる地域の町内会活動でも同じことが起こりうる。
準備段階で当てにされていたが、突然「仕事で当日参加できなくなった。」なんてなったらどうしますか?

 多くの方が「仕事だからしょうがない。」って考えるでしょうね。でもちょっと考えてみてください。あなたが「しょうがない。」と仕事に行った後、残されたメンバーはどうしたらいいんでしょう? あなたの代役が見つからなかったら、また見つかったとしても本番直前で十分な稽古時間を取れなかったら…。最悪公演は中止になってしまいます。

 いや、僕自身も「仕事だからしょうがない。」と考えています。アマチュアである以上仕事を優先すべきなのは当たり前。問題にしたいのは、その時の対応の仕方なのです。

 もし僕が公演日に仕事が入ってしまったらおそらくこうします。まずはその仕事の日程変更はできないか、同僚に代わってもらうことはできないか、自分が公演に出られるように努力します。これは仕事を軽んじているのではなく、あくまで先に決まっていたスケジュールを優先したいからです。
 でもやはり自分が仕事に行かざるを得ないことになったら…。次にするのは劇団の代表等に相談しつつ、最大限の努力で代役を探します。劇団内で出演予定がないメンバーは言うに及ばず、劇団外の演劇仲間、場合によっては芝居の経験は無くても興味のありそうな友人にも声を掛けるでしょう。
 それでも結局自分の努力では代役が見つけられなかったら…。後は謝るしかありません。劇団代表はもちろんのこと、メンバー1人1人に会って「迷惑をかけて申し訳ない。」と頭を下げて謝るでしょう。

 「仕事だからしょうがない。」とみんな思ってはくれるでしょう。でも当の本人が「仕事が入ったから参加できません。」と電話一本、つまり「仕事だからしょうがないじゃん。」という態度でいたら、“しょうがない”ことが“しょうがない”とは思えなくなってしまいますよね。みんな仕事の調整をつけてできるだけ残業をしないようにして、プライベートな時間を割いて稽古をし、本番に向けてがんばってきたのに、「仕事だからしょうがないじゃん。」という態度で開き直られたらたまりませんよ。でも意外と自分が抜けることへの影響の大きさを考えない人って多いんですよね。

 アマチュアである以上仕事を優先すべきなのは当たり前。でも“しょうがない”ことを“しょうがない”と思うには当の本人の誠意が必要だと思います。仕事ではない、趣味の世界のことだからこそ心からの誠意を見せてくれれば、残されたメンバーは「仕事だからしょうがない。何とかフォローしよう!」と思えるはずです。

(平成17年1月23日)