2002年4月
4月30日 6日も休んでごめん。 ずっと「CHAIN」を書いていた。 そして、終わった。 最初の構想とは似ても似つかない終わり方になったけど、でも、あれはあれで。 まだまだいじる必要があるとは思うけど、それでも感無量。ああ。 この物語は、どこぞのテロリストがアメリカのビルに飛行機を突っ込ませたことによって生まれた。 あのテロ事件に報復すべきか、どこまでやるべきか、その報復ははたして正義か、この状況で「復讐するな」と主張することは果たして死者への冒涜か否か。 などといった、さまざまな意見を聞いているうちに生まれた。 総統暦111年について言われた「3つの問題点」、すなわち、 1.キャラクター同士のドラマが交差していない。 2.構成が読みづらい。 3.救いがない。 を常に念頭に置き「今度はやらないぞ。克服してみせるぞ」と思って書いた話でもある。 そう言うだけの代物かどうか、ぜひ意見をきかせて欲しい。 さーて、ひとまず小説のきりがついたし、ADSLを導入するか。 実は申し込んでおいたのさー。 TOKAIの系列であるT−COMという会社だよー。 モデムもおととい来たのさー。 おお、モデムをセットするのは意外と楽だな。 設定は設定ディスクが勝手にやってくれるのか。 おお、正常に設定されたらしいぞ。あっというまだ。モデムの箱を開けてから30分も経ってない。こんなに簡単ならもっと早く申し込んでおけば良かった。 さあ、つなぐか。 ……あれ? なぜかどのサイトにもいけない。 サーバーがみつからんだとー。 いろいろチェックしてみるが原因がわからん。 くうっ。やはり一筋縄ではいかんか。 と言うわけで、まだダイヤルアップで繋いでる。 今度の休みにどうにかしてやるぞー。 本の感想とかはまた今度。もう眠い。 |
4月24日 今日、仕事中に渋谷を通った。 駅前の交差点で、「有事立法に反対する演説」をやっていた。 思わず聞き入ってしまった。 平和の大切さを訴え、戦争の準備をやめよう、軍隊をなくそうと、その女性は主張していた。 この手の話を聞くと私は胸が痛くなる。いたたまれない気持ちになる。 それは宗教の勧誘を受けて「もうすぐ審判がくだり、キリストを信じる者は楽園で復活できるのです」とか、「仏法に帰依すれば福運がついて幸せになるのです」とか言われたとき、私が感じるものに似ている。 「この人の言っていることを信じることが出来たらどんなに良いだろう。でも、それはできないのだ」 という感覚。 喪失感と罪悪感がないまぜになったような。 そして、一つの記憶が蘇ってくる。 以前も書いたと思うんだが、私は子供の頃、学校でいじめられていた。 とても臆病な子供だったので何をされてもやり返すことができず、それは何年も続いた。 やり返せないことを正当化したくて妙な妄想をたくさん考えていたのだが、それはまあ関係ない。 ある時、やり返せたことがあった。 頭突きを一発。 そのことを知った某先生(担任ではなかった)は、いじめっ子だけでなく私も叱った。 「……どうして暴力なんて使ったんだ」 「だってこいつらが先にやってきたから」 「それでも、どんな理由があっても暴力はよくないんだ」 「だってお母さんが、やられたらやり返さないのは駄目だって」 「それじゃ君のお母さんは間違ってるんだ。やられたらやりかえせとか、自分を守るためだとか、そういう考えがあるから、この世から戦争が無くならないんだよ」 「じゃあ、なぐられたらどうすればいいの」 「殴らないように説得するんだ」 「いっても聞いてくれないよ」 「じゃあ逃げるんだ」 「逃げられないよ」 「じゃあ我慢するしかない。我慢していればきっといつか相手はやめてくれる。でもやり返したら、むこうもやり返して、ずっと終わらないぞ。だから我慢した方がいい」 「すごくすごくいたかったら? 我慢できなくて、死んじゃうくらいだったら?」 「その時は死ぬしかない。相手を殺してしまうくらいならそっちの方がいい。それは立派なことだ。みんながそんな風に思えれば戦争はなくなるぞ」 今だったら、私はいろいろと切り返すだろう。 「他人に死ねと言うのは、要するに暴力と同じじゃないのか」とか、 「僕が今から金属バットで先生を殴るから、ぜひ先生の素晴らしい考えを実行して見せてください」とか。 でも当時の私はそんなこと出来なかった。 ただ衝撃を受けて絶句していた。 反撃も否定し、自分の命を守るための暴力すら否定する「絶対平和主義」「無抵抗主義」。 そんな考えがこの世にあったなんて想像も出来なかったのだ。 今まで自分がやってきたことを初めて認めてもらえたのに、ちっとも嬉しくなかったことをよく覚えている。 あの時も罪悪感を覚えた。 「その考えに私はついていけません、ごめんなさい。」 「戦争反対」「軍隊はいらない」という主張を耳にするたびに、脳裏をあの先生の言葉がよぎる。 ただ、人間個人のレベルで「暴力を肯定する」のと、国家のレベルで「戦争を肯定する」のは、本当は別の事だとも思うけど。 とまあ、CHAINを書いているとこういうことも考えるようになる。 CHAINの中に全てを盛り込むことはできっこないが、いずれ全部物語の題材にしてやる。 |
4月22日 CHAIN書きに全力を注いでいたので、ちょっと日記はさぼり気味。ごめんよ。 その代わりだいぶ書けた。 総統暦の反省点を盛り込み、いや、私の全人生を叩きこむつもりで、このまま最後までいく。 私の決めた〆切まで、あと8日! 傷はここ数日でだいぶ良くなった。もうすぐふさがるだろう。 気がかりだった足の腫れも、マシにはなった。 本を一冊だけ読んだので、感想を。 榊一郎「ストラグルフィールド2 復讐者の残影」ファミ通文庫 榊一郎は病気だ。 その病気の名前を説教病という。 登場人物が苦難を乗り越えて成長する。 あるいは悩みを解決する。 それを書くと同時に、その結果出てきた結論を、地の文に書いてしまう。 ……人とは、そういうものなのだ。 とか、 ……約束とは、そういうものなのだから。 とか。 ……だから人は、生きていくのかも知れない。 とか。 キャラクターが行動で示せばそれで良いだろうと私なんかは思ってしまうが、榊一郎は説教をやめない。 キャラが言うならまだ判るが、なぜ地の文に。 彼の作家としてのキャリアは、その説教と娯楽性をいかにして両立させるかという戦いだった。 この小説では、魔法の設定に能力制限を加えることでストーリーを創り出し、そのストーリーを主人公の考えが変わっていく過程と直結させている。 ほかの要素で説教を隠すのではなくて、堂々と、だが不自然でない説教をやったという感じだ。 だから気にならずに済んでいる。 しらけずに読めた。 今月は榊一郎の本がまた出る。 実はもう買ってきてしまった。 だが読まないぞ。CHAINが先だ。 |
4月18日 ネット上をウロウロしていたら、頑張ってる作家さんを見かけた。 即座に接続を切って「CHAIN」を書く。 詰まったらまた繋いで、どこかべつの、頑張ってる人の所に行く。 こうやって元気をもらわないと、どうも書けないみたいだ。 ……なんで一気に行けないんだろう。 まあいい。 「世界が見えない」という批判を複数の方からもらって、それにどう答えればいいのか悩んでいる。 暗いから別の話を。 今日は小説を読まなかったので、漫画の感想でも。 「ARMS」最終回。 うん、長く引っ張ったに相応しい。 「かってに改蔵」 お休みでした。 たった2週間休んだだけで禁断症状が出つつある。 実はあまりのやばさに打ち切られたのでは。 っていうか、さすがに読者を選びすぎでしょ。 これが100万部雑誌に連載されているということは、あーゆーネタが理解できる人間が日本にはうじゃうじゃいるということで……ひー。 復活後の路線が楽しみ。 「スクライド」最終回。 この漫画は、本当にもう。 ここ数週間、私は読むたびに呆然としていた。 なんというデタラメな展開! 小学生が書いた話みたい。 あらゆる意味での「物凄い説明不足」を、とにかく個々のシーンの勢いだけでねじ伏せる漫画。 ああ、一芸に秀でるというのは間違っちゃいない。 「理詰めで作った話なんて、破綻がないだけでのっぺりしててつまんない。暴走するくらいでちょうど良い」という意見もある。 だが、ここまでやるのってありか。 「ななか6/17」 これも、大詰めだな。 大感動を予感しつつ、待つ。 「ブラックジャックによろしく」 戦い。 社会のあらゆる場所に、それぞれのやり方で、正しさを求めて戦う人がいる。 それを思い知らせてくれる漫画。 一言コメントって楽で良いけど、なんかずっとやってると堕落しそうだなー。 |
4月17日 身体が休養を欲しているらしく、とにかく寝ても寝てもまだ眠い。 23時に寝てしまうなんて……起きてられないなんて。 膝の傷は少しずつふさがっているが、ふくらはぎが腫れて、足を上下に動かすのが辛い。 湿布を貼ってもぜんぜんだめだー。 ぬう。 すべての物語は頭の中にあるというのに、それを書く余裕がないことがもどかしい。 休みの日が5日ある。 この5日間全力でやるしかない。 最大の問題は解決されたはずだ。 大迫純一「ゾアハンター ウリエルの娘」ハルキノベルス。 ゾアハンター・シリーズの2作目。 だから1巻はどこに売ってるんだ。 これもなかなかいい。 「希望とは、遙けき彼方に輝く星ではない。」 という謎の言葉がお気に入り。 あくの強いキャラに感情移入できるかどうかが鍵だが、こういうタイプのキャラとしては、嫌味にならず、独善という印象も与えず、うん、いいキャラだと思う。 「孤高のダーク・ヒーロー」に対する作者の思い入れが、プラスに働いてくれたんだな。 |
4月15日 事故から6日経ったが、治りはいまいち。 うーむ。 月姫琥珀シナリオに関して、書き残したことがあった。 最後で出てきた秋葉のある台詞のせいで私は救われた。 まさかあんな言葉が彼女の口から出るとは。 彼女は本当に変わったのだ。 祝福したい。 だが、寂しい気もする。 なにいってるんだかわからんな。 書評その1。 今野敏「熱波」ハルキノベルズ。 素晴らしい。 沖縄の経済改革という地味な話題に、いろんな物が絡んできて、最後は男と男の熱血で仁義な感じ。 いみわからん。 この人は人間の中の善なる部分を書くのが上手いな、と思った。 これは日本人と琉球人という二つの民族を描き、国家を描いてもいる。でも、イデオロギーや説教臭さを排除して、あくまで人間個人の信頼関係の話にしている。 「慎治」「アキハバラ」もそうだったけど、「格好悪い男が、格好良く生まれ変わる」話でもある。 生まれ変わるってのはちょっと誇張だ。生まれ変わろうと決意し、1歩か2歩くらい踏み出すって感じだ。 その踏み出し方が、はっきり言ってワンパターンなんだけど、でも共感できるんだな。 書評その2。 今野敏「宇宙海兵隊ギガース」講談社ノベルズ。 「熱波」を読んだ直後だったので期待して読んだ。 ……あれ? ……あれ? ……はあっ? これ、本当に同じ人が書いたの? 未来の宇宙戦争を扱ってるんだけどね…… 出てくる人型兵器や宇宙戦闘艦、戦闘機などに魅力がない。 SF的に説得力のある描写をされてるわけでも、映像としてかっこいいわけでもない。 一般的なスペースオペラなどとくらべると技術レベルが著しく低く、どの船もちょっと軌道を変更するだけで推進剤を使い果たしてしまう……という縛りも、物語に活かされてない。 人間ドラマの部分も、世界描写も、すごく軽いというか、ちゃんと描写されてないというか、とにかくなんというか…… 続編を読めば納得できるんだろうか。 今野氏は筋金入りのガンダム好き。 だから「宇宙で人型兵器を使って戦争する物語」に思い入れがないはずがない。 やっつけ仕事なんてするはずがないのだ。 なのにどうして。 あるいは。 好きだからこそ眼が曇ったのか。 恐ろしい。実力のある作家でも、時にはこうなってしまう。気をつけなきゃ。 書評その3。 大迫純一「ゾアハンター カムラッドの証人」ハルキ文庫。 これはゾアハンター・シリーズの第4巻だ。 本当は1巻から読みたかったのだが、見つからなかった。 べつにこれから読んでも問題ないらしい。 未来の東京を舞台に、化け物と戦う「サイボーグ戦士」の物語。 とにかく熱い! 信念! とか、 魂! とか、 死闘! とか、 決死! とか、 そういう言葉はまさにこの話の為にある。 全編がアクション。クライマックス。 うん、凄く面白かった。 筋は単純なんだけど、設定もありふれてるけど、そんなことはどうでもよくて面白い。 アクションするとそれがそのまま人間ドラマになる、というあたりがとくに良い。 自分に決定的に欠けているものが分かったよ。 これはシリーズを全部読まない訳にはいかないだろ。 ところでさ。 タイトルの「カムラッドの証人」って、なに? 最後まで読んでも意味ぜんぜんわかんない。 |
4月14日 「日記のネタは一つに絞れ。素人臭いぞ」 と、いぜん2ちゃんねるの人に言われたのだが。 しばらくさぼっていたので、まとめて書くしかないのだ。 まず。 「CHAIN 第4章」の直しがひとまず終わった。 たった25枚加筆するのに1ヶ月かかっていた。自分の無能ぶりが苛立たしい。 だが、自分の中で何かが突破された気がする。 後はもう詰まることはない。 ……と、おもうんだがなあ。 書評その1。 スティーブン・ハンター「さらば、カタロニア戦線 下」扶桑社ミステリー文庫。 うん。上巻同様、面白かったよ。 共産主義による理想社会実現を信じ、その夢に裏切られていった者達の痛みが伝わってくる。 それでも彼らは何かを信じ、実は最初から喪われていた正義のために、心の中に確かに残った絆のために命を懸け。 そしてあのような結末を迎えた。 扱っているテーマが、まさに私のやりたいものと重なっているだけに、とても興味深く読むことが出来た。 書評その2。 伊東京一「クロスオーバー」ファミ通文庫 うん、前作「BIOME」がよかっただけに期待していた。 この作品もなかなかだ。 ただ、期待していたより「あっさり風味」だった。 微妙に薄かった。 戦いも。謎解きも。愛も。世界も。すべてが。 で、最後にこれだ。 書評その3。 「月姫 琥珀シナリオ」。 このシナリオは他のものより、明らかに短いんじゃないか? でも、どこにも薄いところがないのは凄い。 翡翠シナリオであの人の真実を知っていたから衝撃はなかったが。 しかしそれでも読み進めるのは苦しかった。 あの人もそうだが、秋葉も可哀想だ。 私はこのシナリオで、ますます秋葉好きになったよ。 「ああ、やっぱりこの人は遠野槙久の娘なんだな」とも思ったが。 純粋であれば何をやってもいいのかよ、と突っ込まれそうな人だ。 私がこのシナリオを読んでいるときに感じた思いは何だろう? それは感動とは違う。 面白かった、というのとも違う。 秋葉シナリオのような、ただひたすら悲しいが故の美しさとも違う。 そうだ。 これは違和感だ。 物語に対する、そして自分に対する。 どう表現すれば良いんだろう? 私は、幸せの形救いの形はいろいろあっていいと思う。 翡翠シナリオの二つのエンディングで、あの人は、世の中の一般的な意味では幸せになれなかった。 でも。私の感性では。 あれはあれで幸せなのではないかと思ってしまった。 どちらのエンディングも。 そして、私はあの終わり方をとても奇麗だと思った。 しかし今回のシナリオでは。 翡翠シナリオを上回る陰惨な結末を予想していただけに、驚いた。 幸せにするために、ちょっと反則をした。そんな風にも感じた。 不自然さを感じた。 確かにこれこそ理想だ。大団円だ。 けれど、何かが破壊されてしまった気がする。 どこか首を傾げる。 これ以上詳しくは、今の時点では説明できない。 これが一番良かったはずなのに何故私は首を傾げているのか。 一般的な意味でのハッピーエンドを、私は受け付けなくなっているのかも知れない。 かつて、2ちゃんねるの人が私にこういった。 「一度、ハッピーエンドで終わる話を書いて欲しい。 ハッピーエンドの書けない人に、説得力のあるバッドエンドは書けないと思うから」。 だが、説得力のあるハッピーエンドも難しいのだ。 これで月姫は全部終わったと思うけど、月姫という作品全体についてはまた今度。 CHAINの続きも急いで書かないと。 気がかりだった月姫が終わった。今度こそ小説書きに専念しなきゃな。 |
4月11日 例によって、本当はこれを書いているのは12日朝だったりする。 2ちゃんの人にも心配されてしまったので怪我の状況を報告する。 初日より良くなった。歩ける。ペンギンのような歩き方をする必要はなくなった。 で、今日も病院でぐりぐり。明日もぐりぐり。 抗生剤が効いているのか、化膿もしていない。 原因に付いてだが、よく分からない。 10年ばかり前、「自転車に乗っていて、何もないところで突然転ぶ」という出来事が頻発したため、テンカンを疑って検査した事があったのだが、その時は問題なかった。 では残る可能性としては。 1.自覚していなかったが、実は疲れており、意識がもうろうとしていた。 2.何か他の事を考えていた。 3.異物を踏んだ。 ううーん3はそれらしい形跡がないなあ。 今度は人間相手にやらかさないだろうな。 車は殺人機械。バイクは自殺機械。 キリスト教徒には別の意見があるだろうが、少なくとも私は、自殺の方が罪が軽いと考えている。だから私はバイクにしか乗らないのだが。 しかし相手が歩行者だった場合には、やはり被害者ではいられないのだ。 それにしても、私が事故を起こすのは渋谷近辺ばかりである。いったいなぜ。警察の話だとあのへんは事故が非常に多いらしい。 さて11日は、スティーブン・ハンター「さらば、カタロニア戦線 下」を読みながら「月姫」の琥珀ルートをやり、脳内にエネルギーがたまったところで「CHAIN」を書く、という繰り返しをやっていた。 いまはまだどれも途中だが、土日のうちには劇的な進展があるだろう。あってくれ。 |
4月9日 仕事の帰りに、原因不明の交通事故を起こした。 気が付いたら転んで、アスファルトの上を滑っていた。 ブレーキをかけた記憶はある。 だが、どうしてかけたんだっけ? そして、それは転ぶほどの急ブレーキだったろうか? 全く思い出せない。 雨で路面が滑りやすかった? 何か考え事をしていた? どちらも違うような気がする。 痛みをこらえながら「なぜ?」と首を傾げていると、救急車とパトカーがやってきた。 ああ。これで完全に事故扱いだ。 2年間無事故だったのに。 まあいい、単独事故ということは相手の保険が使えない事を意味するが、逆にいえば他人を巻き込まずに済んだということではないか。 さて被害のチェックだ。 バイクの損傷はそれほどでもないように見えるが、身体の方が痛い。 カッパとズボンのひざあたりが完全に破れている。 そしてその下にある生身の膝は、下ろし金をかけられたようになっている。皮膚が剥がれ落ち、ピンクの肉が露わになって、そして肉の中に、アスファルトが刻んだ溝が。溝の中には小石と砂がびっしり。 打ち身もあるらしく、左足を動かすのはかなりつらい。 病院での消毒もかなりの苦痛だった。 ふうう。でも「うっ」とか「ぎゃああ」とか声を上げることが出来るのだから、本当の激痛ではないな。 痛みが一定せず、すわっていれば平気だが動くと痛くなる。それも、心臓の鼓動に合わせて痛む。内側から破裂する様な痛みだ まあいい。 明日また医者に行ってみないと何とも言えないが、しばらく仕事を休んだ方がいいかも知れない。っていうか、よちよち歩きしか出来ないのに仕事は無理。 それは、小説を書く時間が与えられたと言うことだ。 それに。 この足の痛みは、きっとCHAINに役に立つぞ。 |
4月8日 今日は帰ってきてずっとCHAINを書いていた。 しかし、ミスをいくつか修正しただけであまり進まない。 設定をうざく感じさせないにはどうすればいいだろう。どうも今のやり方は違う。 この世界はどうなっているのか、心の中ではちゃんと決めておく必要がある。 しかしそれをどうやって伝えるか。 ストーリーや心理描写を阻害せずに。 うーんうーんとうなりつつ、書いては消して書いては消して。 深夜に小説を書くというのは、やはりあまり効率が良くないようだ。 今月中にCHAINを終わらせるという目標はかなり困難だ。 筋は全部できてるんだがな。 書けば書くほど「ちがうー!」と思えて仕方が無く、何度も何度も直しを入れる。 やっぱり、もうちょっと時間のあるときにまとめてやった方がいいようだ。 とにかくがんばろう。 ふみみちゃんを養子に出しました。 元気でね。 新しい御主人さまにもかわいいがってもらえるといいね。 |
4月6日 本の感想だ。 三木原慧一「クリムゾンバーニング2 聖域なき戦場」(中央公論新社)。 アメリカが共産国家である世界。 史実より30年早く起こった開国と、アメリカ革命に全面介入した経験によって、この世界の日本は史実の日本帝国が学べなかった多くの事を学んでいる。国力も相当なものだ。 とまあこんなふうに歴史を大幅に変えることで異形の世界を創り出すのが、やっぱり三木原さんはうまい。 「新・大日本帝国の興亡」は、あまりにも我々の歴史と違いすぎてイメージをつかみづらかった。あそこまでやってしまうと、人物ではなく世界を把握することに労力を費やすことになる。まあ、あの作品はミレニアムという理想国家を描きたかったのであって、人間ドラマを書きたかったわけではないだろうと私は思っているけど。 その辺を反省して、ギリギリのバランスで作られたのがこの設定なんだろう。 もうひとつすごいところ。 「戦争前」の描き方が凄く上手い。 一つの作戦ではなく、歴史を数十年単位で改変するような架空戦記の場合、「戦争の前」を書かない訳にはいかない。 この世界の日本はどういう国なのか。 軍ではどういう教育をしているのか。 人々は何を考え、何を美徳とし、何を夢見るのか。 どうしてそうなったのか。 もちろん、兵器の開発や、戦争計画の策定なんかも。 ところが、そういう「戦闘シーン以外の場面」って、読者が退屈に思ってしまうことが多くて。 たとえば佐藤大輔の場合、「レッドサン・ブラッククロス」ではけっこううまくそれをやってたけど、あれだってところどころ説明が煩雑だ。一線を越えてしまったことも多々ある。 「侵攻作戦パシフィック・ストーム」で彼は、「戦闘シーンに一切頼らず戦争を描く」ことに挑んだ。 しかしそれは、あまりにも野心的すぎた。読むのは辛かった。 三木原氏は、佐藤大輔とはまったく異なるアプローチでこの問題に挑んだ。 架空戦記ではなく、架空戦記ミステリだから。 魅力的な謎の提示によって、すべての退屈さを吹き飛ばす。 身体感覚レベルで説得力を感じさせるアクション描写が、真に迫った心理表現が、それを強化する。 これまで試行錯誤を繰り返してきて、今まさに一つの答を出した感じ。 うん。 架空戦記の新しい可能性を見た。 1巻と合わせて、何度も読み返してる。 続きが楽しみ。 あと、こっそりはいってるネタも良い。 萌え系架空戦記かも(笑)。 今度からメイドスキー提督とお呼びします。 |
4月5日 本当はこれを書いているのは4月7日。 5日は飲み会の日だった。 長年一緒に働いてきた人が会社を去るのだ、送別会に顔を出さないわけにはいかない。 原稿を急いで書かないといけないので、顔だけ見せてすぐ帰るつもりだった。 しかし一杯だけ酒を呑んでしまった。もう帰れない。私の移動手段はバイクだ。 会社の女の子と呑んでいるとき、このような会話になった。ちなみにその人は私とほぼ同じ年で、美人と言うよりカッコイイ感じの人だ。仮にTさんとしておこう。 Tさん「だいたい××君はまじめすぎるんだよ。彼女とかつくらないの?」 ペンネームC「つくんない予定です。っていうかいままで1度もつくったことないですよ?」 Tさん「27にもなって? それはすごくめずらしいよ。女に興味ないの?」 ペンネームC「興味ないっていうのとはすこしちがいますけど、いまの私には小説を書く方が重要なんです。これが全てなんです」 Tさん「そ、そうなんだ……全力で夢をめざしてるんだね。うん、それはいまどき凄いと思うよ。そうだね、ふつう彼女ができない男ってさ、めちゃくちゃ焦って、誰でも良いから彼女作ろうとして、凄くみっともないんだよ。それにくらべるとびしっとしてて良いと思うな。そういうふうにはっきりした生き方を持ってる人なら、きっといつか女の方から惚れてくれるよ」 ここまで感心してくれるとは思わなかった。 ところが別の人の「実はめんど臭いんだよな要するに」 という言葉に、うっかり「そーなんですよー。あははー」と答えてしまったので、全てがぶちこわし。 Tさん「……ぜんぜん話が違うんだけど?」 ペンネームC「まあ、えーとそのー」 ふぇーーん。 みなさん、よく考えずに返事するのはやめましょう。 |
4月2日 ひとまずパソコンが動くようにはなった。 だが、いろいろと不思議である。 ハードディスクのジャンパー設定がおかしければ動かないのは当然だ。それを直したら動くのも当然だ。 が、ではいままで2年もの間ちゃんと動いていたのはなぜだ。 それに、ジャンパー設定をミスすればハードディスクがそもそも認識されないはずであり、ちゃんと認識されるんだけどOSが止まるとか、特定のソフトを起動するとエラーが出て終了するとか、そういう種類のトラブルは起こらないのではないか。 なにか別の原因があり、それは解決していないのではないか。 いま動いてるのは、それこそ一時的に症状がおさまっているだけなのではないか。 しかし、その原因とやらがかいもく見当も付かない。 不安だ。 ひとまずバックアップだ。 友人が「これはふみみちゃんの呪いだよ。『私を捨てたのね!』っていうやつだよ」とかいっていたが。 なんか半分くらい冗談じゃなくなってきた。 ふみみちゃんも、部屋の片隅に積み上げられているなんて、もう触ってももらえないなんて可哀想だよな。 みなさん。 富士通の「FM−DESKPOWER SV237」、CPUはペン2の233メガヘルツでメモリー64メガというパソコンはいりませんか? CD−ROMドライブは付いてますが、フロッピ−ドライブとハードディスクはついてません。 欲しい方にさしあげます。 ああだめだ、もう二時だ。 ちゃんとした日記を書く予定だったのに。 |
4月1日 ああ。 ウソをつくまもなく4月1日は終わってしまった。 サイト上ではよく見かけるけど、普通の生活の中でエイプリルフールを実行している日本人って会ったこと無いなあ。 クリスマスやバレンタインと違って、商業的に利用しづらいからかな。 今日はもうおやすみなさい。 |