カンティ・ヒマール
カンティ・ヒマール主峰(6859m)はカンデ・ヒュンチュリ山頂から北部チベト方面で最も印象にあった山で「カイラス」の山容だった。
ララ湖(ネパール最大の湖)近くのクジ・ラ(峠 3457m)からも見えたがムグ(村3250m高度計値)周辺やムグ・コーラからラングー・コーラに越すチュリ・ラ(峠3860m高度計値)のパノラマ写真にも写っていなかった。
北(チベット側)からは四角錐台形に見え、容易に眼にふれる所にあったならば信仰の対象になったであろう素晴らしい形の山である。
主峰はネパール側から大阪山の会隊が試登したが、チベット側から同志社大隊(和田豊司隊長)により2002年9月24日初登頂された。
主峰北西のコジ・ラ(峠 5495m)北の6206m峰と南の6328m峰は1997年大阪山の会隊が初登。
カンティ・ヒマール主峰から東のダフェ・サイル間には未登峰の山々がある。
この山群とカンジロバ山群の間を東から西に流れているのがムグ・カルナリ河の支流、ラングーン・コーラ(ナムラン・ルンバ)で1963年同志社大がサイパル(7031m)初登頂後、二名が遡行し12月ピジョールに出た。
その9年後のほぼ同じ時期に私達も遡行したが高巻きや腰上の渡渉も繰り返し、氷混じりの水流が冷たかったことこの上なかった。
下流では流木が豊富だっのでキャンプでは盛大に炎を上げ狭いV字渓谷の底で暖をとった。
上流のギャグ・ラ(峠 4370m高度計値)への登りは雪が深く食料も底をつきポーターともども必死でラッセルしこの峠を越えた。
このラングー・コーラはダルフィー(村3320m高度計値)とピジョール(村)間は無人地帯の壮絶な渓谷で15日を要した。
以後、ポーターのチベット・ティーを貰ったり、条件の悪い(寒い)所ではポーターも我々のテントで一緒に寝たりしたので、置き土産にシラミをたくさん貰った。
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