ロール
last update 1999/08/07
まずは単純なロール(方向転換には必須)
説明するまでもありませんが、ロール(エルロンロール)は機体を軸に進行方向を変えずに回転する機動です。
いうのは簡単ですが、実際にロールすると進行方向が微妙に変わっていたり、高度が下がっていたりということがあります。
これは回転軸が微妙にずれているために起こります。進行方向や高度が変わること自体に問題はないのですが、機体が意識しない動きをしてしまうのはあまり良いことではありません。
ハリケーンはマイナスGをかけるとエンジンが止まってしまうという致命的な弱点があるため、自機より高度の低い敵に攻撃を仕掛けようとすれば、どうしたってハーフロールを行う必要があります。
たかだかロールといっても、これが思った通りにできるかどうかは、かなり重要な問題です。
・素速くロールする方法
ハリケーンで 360
度のロールを行った場合、通常は約5秒かかります。
これは決して悪い数字ではありませんが、ロールを早く行う方法があります。
ロール開始時に、ロールしたい方向へラダーを少し効かせます。これだけで、約4秒でロールすることが可能です。仮に1秒違ったとしても、格闘戦では大きなアドバンテージになります。
この時に、ラダーを思いっきり踏み込んでしまうと、トップラダーになって機体が横滑りし、速度まで失ってしまうことになりかねないので、踏みすぎには注意して下さい。
スナップロールとスローロール(回避用)
日本語でいう急横転(そのまんまだぁ!!)です。
少し練習すれば、誰でも簡単にできる機動です。
まず、操縦桿を大きく引いて機を上昇に入れます。 機首が10度〜30度程度上を向いたら、ロールさせたい方向に、ラダーを強く効かせます。 機は勢い良くロールに入りますが、機体が上昇体勢に入っているために、単純なロールではなくキリモミに近い機動を描きます。
この時、ラダーを戻すタイミングを誤ると、キリモミに近い機動ではなく、本当にキリモミに入ってしまうので注意が必要です。実際どの程度でキリモミにはいるかを練習で確認しておけば、あとはたいして難しい機動ではありません。
敵に後ろをとられた場合にこの機動を使うと、敵機の射撃は困難になる上、トップラダーによる減速のために距離が一気に詰まり、オーバーシュートすることになります。
ただし、この機動には大きな欠点があります。この機動では運動エネルギーのロスが大きいため、機動を行った後はほとんどカモ状態になってしまいます。ですから、とりあえず一撃を回避することができても、その後が続きません。
味方機がフォローに入るまでの時間稼ぎに使う程度にとどめておく方が良いでしょう。
日本語でいうと緩横転(またしても、そのまんまだぁ!!)です。
この機動はBearCat
もまだマスターしていないので解説する資格はないのですが、覚えればかなり役に立ちそうなので説明しておきます。
これだけ説明すればわかると思いますが、この機動は手順が非常に複雑です。おまけにスローロールといってもそれほど時間がかかる訳ではないので、短い間にこれだけの操作を行う必要があり、決して簡単な機動ではありません。
この機動の短所は、手順が複雑であること以外に、マイナスGがかかる点です。操縦桿を前に倒している間にハリケーンのエンジンはため息をつきはじめます。
また、スナップロールほどではないにしろ、トップラダーに近い要素があるために速度を失う傾向があります。
しかし、この回避運動では横滑りが発生するため、敵機が自機に狙いをつけるのが非常に困難で、かつスナップロールほど速度を失わないため、オーバーシュートした敵機に反撃するチャンスがあります。
実際、教科書通りにきれいに決まったときは、敵機が目の前に出ているというケースをBearCatも経験しています。
劇的な攻守の入れ替えが望めるため、練習して損のない機動です。
バレルロール(いろんな使い道があります)
バレルロールというのはそれほど難しい機動ではありません。
しかし、BearCat
としてはこのバレルロールをしっかり覚えることをお勧めします。
というのも、運動エネルギーと位置エネルギーのダイナミックな変換が可能で、攻守両面で役に立つからです。
この機動には二つの大きな利点があります。
ひとつ目は、ロールの半径によって、同じ時間内で飛行する地理的な距離(実際に機が通った経路の距離ではなく)を調整できる点です。
ふたつ目は、これだけダイナミックな機動でありながら、エネルギーのロスが非常に少ない点です。
バレルロールというのは、機体の真上に、機体と平行する仮想の軸を想定し、その軸を中心に360度回転する機動をいいます。
ですから、機首は常に機動を開始した時と同じ方位に向いていることになります。
右図のように回転することになるので、本来はバレルロールの開始時と終了時では同じ高度になります。
バレルロールに失敗すると、渦巻きのようなロールになってしまい、開始時点と高度が異なってしまう場合があります。この中途半端なロールでは大抵、開始時点より高い高度になってしまうようです。
その場合、本来必要な高度差を稼ぐことができず、バレルロールの利点を生かし切ることができません。
この機動を練習する場合、以下の点について注意すると良いと思います。
起動中の進行方向は常に同じか
開始時と背面飛行の時の高度差はどれくらいあるか
開始時と背面飛行時の速度差はどれくらいあるか
開始時と終了時の高度は同じか
開始時と終了時の速度はほぼ同じか
BearCat
は機動の仕方がいい加減になってきたら、フリーフライトで再度バレルロールを練習します。
この時、上のことを注意しながら、開始高度からループの頂点までの高度を500ftづつ増やすようにして、どのような大きさのバレルロールでもできるようにしておくと、マルチプレイの時に状況に応じたバレルロールができるようになって良いようです。
・攻撃時のバレルロール
攻撃時にバレルロールが有効な状況とは、自機が敵機の後方に位置して、自機の持つエネルギーが敵機より大きい場合です。つまり、攻撃のタイミングはあるもののオーバーシュートする可能性が高い場合、と考えれば良いでしょう。
オーバーシュートを避けるためには速度を落としてしまうのがの最も簡単です。しかし、エンジン性能が劣るハリケーンでこれを行ってしまうと、仮に敵機を落とせたとしてもその後が苦しくなるし、もし敵機に攻撃を回避されるようなことがあれば、一気に立場が逆転してしまいます。
速度をそのまま維持して直進すれば、オーバーシュートを避けるために、横あるいは縦の旋回を行う必要があり、せっかく確保した優位なポジションを失うことになります。
バレルロールはそうした局面で効果を発揮します。
一度攻撃をかけた後、敵機の動きを見ながら、高度差の大きなバレルロールを切ります。
バレルロール開始時点では運動エネルギーが残っているため敵機に接近しますが、ロールの頂点に近づくに従って敵機との距離は離れていきます。逆にロールの頂点から元の高度に戻る段階では、敵機との距離が詰まっていきます。
バレルロールの大きさによって、開始時点の高度に戻ったときの敵機との距離が変わるので、どの程度の大きさの円を描くかが腕の見せ所になります。
これを繰り返すと、敵機よりエネルギーが大きい段階であれば、何度でも優位な位置からの攻撃を繰り返すことができます。
もちろん、敵機も黙って撃たれているということはありえず、回避行動をとります。
バレルロールの最も優れたところは、機動の最中に常に敵機を自機の上方に捉えることができる点です。パッドロックビューを使えば、敵がどのような回避運動を行っているかが手に取るようにわかります。
もし、敵機が左右にブレーク機動をとったのであれば、バレルロールの頂点からそのままスプリットSの機動に切り替え敵機を追うことができるため、一度この状態に持ち込んでしまえば、そう簡単に敵機を逃すことはないでしょう。
・回避時のバレルロール
自機が守勢になった場合でも、バレルロールで切り抜けることが可能な局面があります。
敵機との高度がほぼ同じくらいで、高速の敵機に後方をとられてしまった場合、直ちに大きなバレルロールを開始します。
この時、敵機が自機に向かって直進しようとした場合、バレルロールを使っている方が実際に進行する距離は長く、敵機はオーバーシュートすることになります。
オーバーシュートした敵機は横旋回、あるいはインメルマンによって格闘戦に入るか、スプリットSによるブレーク機動をとるしかなく、成功すれば少なくとも不利な状況を切り抜けることが可能です。
ポイントとしては、敵機が射撃位置に入る前にバレルロールを開始すること、できるだけ大きな円を描くバレルロールをとることです。オーバーシュート後に攻守が入れ替わることを期待して、小さな円を描いてしまうと敵機がオーバーシュートしないばかりか、機動の最中に敵の弾幕にやられることになりかねません。
また、これが成功する可能性は決して高くはありません。
まず、自機の運動エネルギーがバレルロールを開始するのに充分なだけあることが最低条件です。仮にバレルロールがちゃんとできたとしても、敵機のパイロットが自分と同じレベルの技量を持っていれば、苦もなく自機の後方へ食いついてきます。
ただ、他の回避機動と違い、これには大きな利点があります。バレルロールではエネルギーのロスが少なく、回避に成功した後のリスクを最小限に押さえることができます。
・ヘッドオンを回避する
全く個人的な問題なのですが、BearCat
はヘッドオンが得意ではありません。
お互いに弾幕を張りながらすれ違っても、こちらの弾は1発も当たっていないのに、自機はボロボロになっているということが少なくありません。
そこでヘッドオン狙いの敵機に思い切ってバレルロールを切ってみたことがあるのですが、これが意外に効果がありました。
考えてみれば当たり前で、ただでさえ相対している面積が少ない上、相対速度が高いため、こちらの機動にあわせて射撃のリードをとるのはかなり困難になるはずです。
しかも、敵機はヘッドオンで方をつけようとして自機に向かって直進し、最後は自機の下方を通過することになります。
実際にはこちらはロールの最中で、場合によってはロールの頂点にいる状況になります。
ロールからの方向転換を迅速にできるため、ヘッドオン後の格闘戦をかなり有利にはじめることができます。
もっとも、こちらがバレルロールの最中だというのに、関係なく弾を当てる強者もいるので、絶対確実ということではありません。