六日目前半(3/8)

 

この日起きたのは05:30。

でも実は夜半に雨音で目を覚ましてたりして。

つか木の下にテント張った意味があまりないやん(^^;;

えぇ、見事に染みこみ始めてましたな。

でも元々濡れちゃまずい荷物はそれなりの対処して積んでて、今日は

それを解いてないからってんでそのまま寝たのね。

でもって起きたときもまだ降ってたんで再び夢の中。

つかうとうとと。

本格的に起き出したのは06:30頃で、このころには止んでたのかな。

幸いテント内はそれほど濡れてなかったダス。

で、トイレ行ったり顔洗ったりした後で朝食の準備。

今朝は朝っぱらから焼き肉なんぞしたりして。

昨日の温泉帰りに肉を買って置いてあって、そいつを塩こしょうで。

う〜ん、美味いねぇ(^^)

料理って言える程のモンじゃ無いけど、暖めて食べるだけのヤツよっか

いいね、こういうの。

さぁ、今日も元気に走りますかね。

と、走り出したのは08:30頃。

路面はまだ濡れてはいるものの既に雨は上がっている。

予定通りに行けそうゆーところで、本日の予定ルート。

と言っても複雑じゃ無いよ(笑)

445号線を北上し五家荘と言うところを通り抜け、その後東に向かい

高千穂に向かうってだけだから。

五家荘ってのがどういう所なのか説明は無いけど、それでもツーリング

マップルに太文字で載ってるんだから、なんか見所はあるんだろー

ってな感じで、ルート選択。

それに高千穂まで行けば翌日には阿蘇に行けるし完璧だね(^^)

しかし複雑じゃないと言いつついきなり道間違えたりして(^^;;

すぐさま適当に(笑)修正して戻ったけど。

でもってこの445号線。

最初はどうしようかと思ったのね。

何でかっていうと向かう山の方が煙っていたから。

「こりゃ、霧か?(^^;;」

と思いつつも行くだけ行ってみることに。

ダメだったらその時変更すりゃいいからさ。

そして行ってみたならば、霧なんて全然無くむしろ視界は良好。

なんでーとか思いつつもあまりの道の良さに感激しきりで、ヘンに緊張

した反動の不満もあっけなくどっかへ行ってしまったダス。

いやもぉ、ホントにね。

凄くいい道なのよ、ここ。

長野にある姫川渓谷沿いの道を思わせるような、大きな川沿いの広い

山間の道。

写真を撮りたくなったけど、そんな事より走ることの方を優先してしまう

位走ってて楽しかったなぁ。

「いやぁ、写真に撮ってあげられなくて残念だなぁ」

なんぞとにやつきながら走っておりました……最初だけ(T_T)

時々ね、いきなり細い道になったりしてヘンだなって思ってはいたんだ。

そしたらある場所から細い道しか無くなってきて、しかもただでさえ細い

その道がさらに狭くなってくるし。

えぇ、一車線道路にまでなりましたよ、最後には。

しかも結構大がかりな工事があるらしくダンプががんがん通るし。

もちろん一車線の場所で。

おまけに崖沿いだし。

さらに言うならば山深いなぁなんて言う余裕すら無いほどの山奥だし。

やたらとブラインドコーナーが多いんで、何時コーナーの先からダンプ

が出てくるか分からないから、ものすごく神経使って走ってたし。

なんつーか泣きそうでしたな、この時。

そんな状況が2時間弱続いたんだからもー(T_T)

こうやって後で文字にしてしまえばたったこれだけの事だけど、この時

の私はもの凄まじく大変だったんダスよ。

それでも何とか走り続ける事が出来たのは、そういう山奥だからこそ

見えたりしたものがあったから。

ま、上記の状況だからあまり景色に目を向ける余裕は無かったけどね。

そしてもう一つの支えは、この先に阿蘇・雲仙・天草を一望出来るってな

展望台があるって事だったからね。

そいつを楽しみに必死に走っていって、その二本杉展望台に辿り着いた

のは10:50頃のこと。

んが、しかし。

煙っていてぜ〜んぜん見えないのよ、これが(T_T)

それらしい影が分かるだけで、ナニがなにやら。

一体、なんの為に……ってな気分になった事は事実ダスよ。

すこ〜しだけ、ね。

(なを、後から聞いた話によれば、遠くの景色が良く見えないのは黄砂の

影響じゃないか、との事だった)

ところで既に通り抜けた五家荘(ごかのしょう)なんだけど。

この広場には観光案内板がありその説明によると、だ。

「五家荘とは、久蓮子、椎原、樅木、仁田尾、葉木の五つの総称で、

ここには平氏の落人や菅原道真の子孫が住み着いていたという伝説が

あり、古くから秘境として知られています」

……確かに秘境だったわ(^^;;

でもちゃ〜〜んと、今でも人が住んでるんだよね。

住むのは田舎がいいと公言してる私ですが(今まで一回も引っ越しした事

ないけど(^^;;)さすがにこの辺りは勘弁だわ。

住んでる人たちに感心しきりでございますな(失礼な事を(^^;;)

なんにしろもーとにかく疲れた。

ま〜だ昼にもなってないのになぁ……

ともあれ、もうじき抜けるはずだ。

がんばって行きますかね。

ってな事で一服してから再出発。

この辺りからは1.5車線になったんで多少は楽だったなぁ。

それでも下りは疲れる。

どっかで休憩したいなと思っていた目に止まったのが「名水コーヒー

この先1q」という看板。

コーヒーはあまり好きじゃ無いけど、この際そこで休むか。

そゆ事で寄ったその店。

とっても素晴らしい所でした。

以上。

では中盤に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……え?ダメ?

う〜〜ん、あまり人に教えたくないんだよね、ここ。

と言いつつも同時に話したくてしかたなかったり(笑)

それにこのHPは自慢に全くならないけど、訪問者数が少ないからね。

基本的に知り合いだけだろうし、ま、いっかゆーことで。

寄ったのはあるログキャビン。(それでも敢えて名は秘させて)

早い話が山にある喫茶店のようなもの。

入り口の所に紙が貼ってあって、それによるとこの建物は一人が数年掛け

て組み上げたものとの事。

すっごいなぁ、それ。

そして中に入ってみたならば、木のぬくもりが伝わってくるようないい雰囲気

で、テーブルや椅子なんかも木製。

しかもおそらくは手作りの。

あぁ、なんか落ち着くよ……

取りあえず注文を済ませて煙草をくゆらせながらぼ〜っとしてみる。

(ちなみにメニューの表紙すらも木製の手作り)

さっきまでの緊張がゆるゆると抜けてくなぁ。

さっきちゃんと撮影の許可も貰ったし後で撮ろっと。

これでもう少し奥さんの愛想が良ければ言う事無しなんだけどなぁ、と思って

ぼぇ〜っとしてただす、最初は。

やがて注文したカフェオレとトーストが来て、ゆっくり食べ初めてから会話が

始まり、後は盛り上がる一方。

でぁ、この時の奥さんの記憶に残った語録、行ってみましょー。

「大勢の客は断ってるんですよ」

「あくせく稼がなくても、こうやって生きていけるだけで充分だよね」

「雑誌の取材なんかも時々来るけど、極力断ってるの。

沢山の人が来るとそれだけマナーのなってない人も来るからね。

客を選んじゃうっていうのは商売としては駄目なんだろうけどね。

でもその分凄くいい人たちが来てくれるから。

前にね、福岡のおばあさんが来て

「年に一回ここに来るのが凄く楽しみ」

って言ってくれた時は凄く嬉しくて、それだけでやってて良かったって思う」

こういう事を聞いてね、

「あぁ、ここのとって『いい客』になれたら、であることが出来たら嬉しいなぁ」

って思ってて。

だから最初は

「これだけは売り物だから撮らないでね」

って言われた手作りのベンチを

「こうして話しててあなたの人柄が分かったから、撮ってくれていいですよ」

って言われたときは心底嬉しかったなぁ。

なんかさ、認められたみたいで。

それにね。

こういう風な店を開いてゆったり生きてくのもいいなって思った。

そしてそう思ったって事を話した後で

「でも、こうやって店開くと休めないから、遠出出来ないしなぁ」

って言ったら

「結構うちは勝手に休んじゃうよ。

後でお客さんに怒られたりするけどね」

ってな事を笑って言ってて。

あぁ、やっぱいいなぁ、この人。

ちゃんと”曲げず”にいるんだなぁ……

商売としては確かに駄目なんだけど、ね。

あまり人に教えたくない訳、分かってくれると勝手に信じてるけど、どう?

ここは静かにゆったりとくつろぐための場所。

「大勢で行ったヤツは殺す!!」

と、メモに書いてたりする位、この場所がホントに好きになった。

そして一時間ほどが過ぎいよいよ出発の時間。

最後に交わした会話は

「また必ずいつか来ますね」

「最近この辺も工事が入るようになって、前を流れてる川も動かされてしまう

っていう話もあるけど、絶対にお店は止めないから」

「探してでも来ますよ(笑)」

「それじゃ、気を付けてね」

「はい、ありがとうございました」

出発した後もしばらく見送ってくれて。

嬉しい、なぁ……

九州にまた来たときは本気で寄ろう。

いや、むしろここに来るためだけでもいいな。

そのためだったら五家荘の辺りを抜けるあの道を通る事も苦にならない。

必ず、また、来よう。

ここに寄るまでの肉体的、精神的疲労もすっかり無くなり、最高の気分。

これだから旅は止められないぜ!!

そうメットの中で喜色満面に叫びながら再び走り続けた。

さぁ、次は何が待ってる?

という所で後半へ。

なを、この日の昼食は上記のカフェオレとトーストのみ。

空腹じゃないって言えば嘘になるけど胸は一杯だったよ(笑)

 

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