エミリアのデリュージョン日記
  ★ 2001ねん 4がつ ★   

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4がつ30にち
    昨日自分の服を買いに行くはずが(仕事の後)、どういうわけか薫の服だけを買って帰る羽目になってしまった(苦笑)

 今日は仕事で遅くなると云ってから仕事へ。その間に自己紹介を考えておくように言ってみたり。で、こんな感じ。

薫「えっと…薫です。名前はお姉さまにつけていただきました。一応出身は京都ですけど、生まれてすぐの頃東京に来たので京言葉知らないんです。…すみません。私たち一族はほとんどが養女に出るさだめで、姉妹とも別れ別れになって…見世物屋の売られ子になったらどなたか身請けしてくださるかと思ってそこに入りまして…お姉さまに連れてきていただいたのです。…え?もともとの名前、ですか?私たちには…養家で名付けられるものと言う不文律がありまして…私を含めた姉妹達は皆生年とタイプでコードネームで呼ばれるだけでした…自分の誕生日も解らないので、この家に来た日を勝手に誕生日だと決めてます。」
なんだ、結構まともに自己紹介できるじゃないの(笑)…でも、良く考えたら苗字ないじゃん。
薫「は?」
…しまった。薫には苗字の概念がなかったか…うむむ…
薫「お姉さま、説明してください」
エミリア「そうだな。…薫、オレの名前フルネームで言ってみて」
薫「はい。エミリア・セレノヴァ・セルヴィアーナ、ですよね」
エミリア「そ。で、『薫』と同じように個人を表わす名前ってのがオレの場合『エミリア』。家の所属を表わすようなもんがそのあと…薫の場合は前にくるけどね。それが抜けてるってことさ」
薫「??…ということは、私の場合『○○薫』となるべきだということですか?」
飲み込みは早いんだけどねえ。…でそういうことなんだけど。生家の苗字がわからん以上はどうにかしないとなあ…ということで少し考えてみることに。

4がつ26にち
   仕事 なんだけど、珍しく
薫「お姉さま、どこか図書館ご存じありません?」
と云うので仕事の行き掛けに連れて行ったり。というか、途中回り道する余裕ないから地元のじゃなくて昼職場の斜向かいの図書館へ。今度の休みは地元のに連れて行く予定。で、仕事が終わってから図書館に迎えに行って電車に。さすがに駅から家までの道は覚え込ませたので薫は一足先に帰宅。

で、 夜仕事を終わらせて帰る前に薫の好きそうなポーチを見つけたので査収して帰宅、渡してみる…

薫「ありがとうございます、…でもこれちょっと紐が緩いようですわね」
替え紐を今度買うということでひとまず落着。

4がつ21にち
   午前 仕事が休みだったので家でまったりしていたのだが…ふと思うと、薫は家に来てひと月になるが外に出た形跡がない。大体夜になればさっさと寝てしまうし(健康的生活だとも云うが)、昼間は大抵部屋の本を読んだりTVを見たりして過ごしているようだ(パソコンは苦手らしく近付こうともしない)。外に出ないんじゃ引きこもりさんと同じじゃないかと思ったので問いただすことに。
エミリア「薫、ここに来てから一人で外に出たことある?」
薫「……いえ」
エミリア「それってば不健康じゃん。公園の桜とか見に行っても良かったのに。別に一人で出かけたからって文句云うつもりはないし。まあ勝手に金使っちゃあいかんけどね」
薫「いえ、あの… 一人で外に出るのが、恐いんです」
エミリア「恐い?別に目の前にでかい犬がいるわけでもないし…」
薫「そうじゃなくて……私、方向音痴なんです」
おいおい、と思いつつ折角なので薫と駅前まで出ることに。ついでに駅前のスーパーで昼飯調達。さて帰る段になって、薫を先に歩かせてみたら…
薫「えーっと、ここはこっち…でしたっけ? 信号はまっすぐだったような…」
って、かなり東に行き過ぎ(苦笑)。駅から家までは五分くらいなのに、これで迷うんだから確かにひとりでは外出歩くのが恐くなる訳だわね…納得。方向音痴なひとは地図を持たせても迷うから(これは昔の同僚が身を持って教えてくれた(笑))家からでないのが迷わない唯一の方法だね(苦笑)。そんな感じで帰宅。

よる 夕方の仕事にいって帰って来ると、…薫は本を読んでいたが…何故に有吉佐和子氏の「複合汚染」なんてのを読んでるんだ?(滝汗)しかもこれ親の本だし。まあ…いいけどねえ。

4がつ13にち
   12にちまでは 前に云ってた通り(?)薫はずっと寝ていた。…オレも寝てたい。仕事行きたくないんだってば…
薫「お姉さま、でもそれでは生活が成り立ちませんわ」
いや、云われなくても分かってるんだけどさ…

でもって 云いたい放題言い放って薫はまた寝てしまった。でも明日の昼には起きるだろうねえ。調子あがってきてるみたいだから。

4がつ8にち
   ひる 旦那に召喚されたので出かける…ので一言云おうと思ったけど薫が寝ていたのでそっと出ることに。

よる 遅くなって帰ってきたら、薫は起きていたけどまた眠そう。

薫「お姉さま?お帰りなさい…」
エミリア「ただいま。薫昼過ぎまで寝てたのに眠そうだね」
薫「…また2、3日ずっと寝っぱなしになっちゃうかも知れませんけど…でもここに連れてきていただいた時よりも楽にはなってます…」
まあ起きていれば起きていたでいろいろあるし。むずいね。…でもオレも眠いんだってば。

4がつ7にち
    前の日にかなり眠気が襲っていたので薫よりも先に寝てしまう(いつもは薫のほうが先に寝る)。でもって
薫「お姉さま!今日は仕事じゃなかったんですか?!急がないと遅刻してしまいますわよ!」
と叩き起こされる(苦笑)。

エミリア「ん〜〜〜…わかってるってばぁ。さすがに結構寝たから起きるのは苦じゃないんだけどね〜。でも体が重たいねん」
薫「それならさっさと起きてくださいよ。今日は仕事の後私たちのつかう化粧品買ってきてくださるんですわよね?」
エミリア「買うよ〜。でも買ってもオレほとんど使わないからこれじゃオレ達のってより薫のだぜ〜」
薫「つべこべ云わない!ほら、急がないと本当に遅刻しちゃいます!」
結構泡食い状態で仕事へ。

   よる 仕事が終わって、帰りに約束通り買い物を済ませる。大体というか、ほぼ薫専用となること必至なのだが。(まあオレが化粧しないってのもあるがねえ)
薫「ありがとうございます〜」
ま、見立てはまずくなかったみたいで、苦情が出ることはなかったので一安心。

4がつ1にち
   帰宅後 よほど疲れていたのか、連れて帰って以来ずっと泥のように眠っていた「彼女」。途中でちょっと目が覚めていた時に風呂に入れてやったりはしたが、彼女はずっと黙りこくっていた。ほとんど「心ここにあらず」と云った感じだった。それが、今日帰ってきた時には部屋のまん中でちょこんと座って私の帰りを待っていた。
???「おかえりなさい。…目が覚めたらお姉さまがいらっしゃらないから…どうされたかと」
エミリア「あは、仕事仕事。こっちだって帰ってきたらいきなり起きてるから吃驚したよ。今までずっと寝こけてたじゃんか」
???「ごめんなさい、これって私たち種族の体質的なもので…でももう大丈夫ですわ」
エミリア「(体質?…まあいいや)…で、名前、『薫』ってのはどう?」
???「かおる…」
エミリア「あ、もし嫌なら違うのにするよ…
薫「いえ、そんな!嫌だなんてとんでもない!『薫』って名前、喜んで命名されますわ」
ともあれ一件落着。ただ、話をしてみるとなんか化粧の趣味がオレと違うみたい。っていうかオレは化粧嫌いだけど、薫は化粧してないと気が済まないとか云うし。でも薫はひとりじゃ買い物にいかれないし(地理全く不案内だし)結局オレが買うンか!(まあオレが野郎じゃなくてよかったってとこか?)

3がつ20にち
   はじまり 全ての始まりは、この出会いからだったと言えよう。
???「私をあなたの妹として身請けしてはいただけませんか?」
白い肌、黒い髪。大きな瞳でじっとこちらを見つめている。

エミリア「…?私に身請けしてって?そこのお嬢さん」
???「もし貴女様がお許しくださるのならば」
エミリア「そうか。しかし私なんかよりもっといい人いるんじゃないの?」
???「いえ…今までは私を好奇の眼差しで見る方ばかりでした…」
でもっていろいろ話した挙げ句に彼女を身請けすることに。
???「ありがとうございます。このままもっと酷い環境で見世物にされるところでした…」
エミリア「礼には及ばないさ。 あ、オレはエミリア。ところで…名前はなんていうんだ?」
???「いえ、まだ…私に名前はありません。今まで居たところでは…皆コードネームで呼ばれておりました故に」
エミリア「そっかあ…」
???「あの……私の名前を付けてはいただけませんか?」
エミリア「それはいいけど…でもすぐには決まらないなあ。少し考えさせてね」
ってな感じで彼女を連れて帰る。彼女は私の事を「お姉さま」と呼びたいらしい。別に良いけど。


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