カッパドキア〜アンカラ〜イズミール

3日目 3月21日


昨日来た道を300km以上の逆行してアンカラまで戻る。途中塩の湖トゥズ湖やシルクロードのキャラバンサライに立ち寄った。

塩の湖 トゥズ湖



昔この湖は海だったとのこと。乾季になると湖は真っ白い塩になる。死海より塩度が高いとの事。塩も100%自給だと解る.
水辺まで迫っている草を見て思い出す事があった。
野菜スープがはやった頃、海辺に自生する浜大根、浜ほうれん草、浜ごほうをスープの材料に使った事があったが、こくのある格別のスープができた。
自然で育まれた野菜、特に海辺に出来たものはミネラルいっぱいだと実感した経験がある。浜ほうれん草は肉厚でしおっぱかったのを思い出した。

キャラバンサライ




キャラバンサライは、シルクロードを行く隊商の人たちが泊まる宿の事です。
キャラバンは中国の西安からシルクロードを通ってトルコのイスタンブールまでの長い長い道のりの旅を、らくだと共に何ヶ月もかけて歩き続けたという。
砂漠の途中で盗賊に合ったりして、過酷な旅の中キャラバンサライはどれほど旅人の心と体を癒す事ができただろうか。






中に入ってみると、この季節は寒いほどだったが、暑い季節はきっと旅人にとって気持ちのよいオアシスの様なところだったにちがいないと思った。



絨毯工房見学


時々スケジュール表にも書いて無い所へさーっと連れて行かれる事があるが、絨毯工房もその一つだった。とても興味があったので嫌ではなかったし、気に入ったものがあれば求めて帰ろうと内心思っていた。
絨毯の出来るまでの説明が始まった。
お湯の中の繭玉から5本糸を引き出しまーす。 染料は草木、虫等をつかいまーす。
ピンクの色出しが一番難しいといっていた パターン画を前にして糸を手早に結んでいた
絨毯は若い指の細い人でないと無理の作業です 「チャイ」をご馳走になった。後が怖いぞー
国営だという絨緞屋に連れて行かれて、シルクの絨緞が出来るまでの説明を聞いた。(今は国営ではなく特定の選ばれた工房だけで作ってるようだ)
作業している人たちは、パターン図を横に見ながら結んでいく。1cm四方にどれだけの結び目を作る事が出来るか・・・の世界で、しなやかな細い指で、持続力が要求されるので、自ずと若い女性ということになる。1時間作業をすると、10分休憩を取っているようだった。
一通りその行程を見た後、広い部屋でチャイをご馳走になった。ホッとお茶を飲みながらおしゃべりしたのもつかの間、ある種の緊張感のが漂った。

さっき説明してくれた人が部屋に入ってきた。「売るぞー」「買わせられそうー」というムードが流れ、空気が一瞬はりつめた。

最初はよい絨緞とよくない絨緞と並べて比較をしたり、絨緞の全てにわたって説明した。
その後次から次へと日本円で500万クラスの絨緞をどんどん説明しながら出して、重いはずの絨緞をパーン、パーンと軽々と投げるように広げていった。
どんなに素晴らしい絨緞でもその金額に、皆呆然とした表情だった。

流れるような説明をしているのがボス?かな?その後ろで控えている幾人かが
これから売り込むスタッフ?かな?余りに最初の説明が上手かったので、話が終わる頃には、絨緞の目利きになっていた。

買おうと思っている人、ひょっとしての人、絶対買わない人と最初から分かれる。買わない人は何となく引いてギャラリーとしての動きをする。私は、ひょっとして買うかもしれないポーズをとった。
軽快におしゃべりをするお客、私のように見入ってるお客とタイプも様々だ。
巧みにおしゃべりするタイプのお客さんは買う買わないは別にして、その場のムードを盛り上げる。

私に着いてきた人はピターと横には居るが、それほど喋べりかけて来なかった。
しばらくして「どれかきにいったのはありますか?」と聞いたので、気に入ったのを伝えた。「いい物に目をつけましたね」と云った様な感じだったが、彼は売れるものと確信しているような態度だった。
裏返して商品の説明やら、マルがやたらと多いトルコリラを電卓で日本円にたたきだして、「そこからこの位値引いて」・・・なんて勝手にやっていた。

私は値札を見る前に、商品を見て自分で値を付けていた。
ついている値段は売り手の言い分で、自分でつけた金額がたとえ見当はずれであっても、自分の価値観だと思うからだ。
話し合っても双方が一致しなければ諦めればいいと思った。それほど買う事に執着していなかった。

それまでのんびり構えていた彼も、私の買える金額を知って「それは無理だ、これ位ではどうか、これ以下は無理だ!!うちは伊藤忠商事とも取引がある信用のある会社だ」とか色々並べたてアピールし、一人でしゃべりまくっていた。
私「アスパラ(お金が無い)。私をバイヤーだと思ってね。バイヤーだったらこれ位で仕入れていくと思うよ」なんて答えたので彼は両手を広げ首をすくめた。

しばらくこう着状態。「無、無、無」の空気。私は思った金額でなかったら、諦めればいいので余裕。安い値段のままだ。(全く可愛くない私。)ギャラリーたちはチラチラ事の成り行きを見ている。

彼「でも気に入っているんでしょ?」
私「うん」

しばらくするとここでの時間も無くなり、彼に「さよなら」をいうと、「ちょっと待ってー」と言って、向こうに居るボスのところへ飛んで行って一所懸命説明していた。
ボスも一緒に私の所にやってきた。彼はボスに向かって、私の言った事を説明し訴えた。私も彼の話している事に「うん、うん」うなずいて認めた。
ボスは嬉しそうでない顔で握手を求めてきた。「この荷物は日本に送りますか?」と言うので「いえ、自分で持ってく」と私。日本で受け取るまで案じているのがいやだった。

かくして旅の間釣りに行くような格好で、持ち歩く羽目になりました。納得できた買い物に私(^。^)(^。^)でした。
買った「ヘレケの絨緞」はタペストリーとして壁に飾ることにしました。
旅行中時々保証書をみたり、絨緞をさすったり、なでたり右から見たり、左から見たいして向きのよって変わる色の変化を楽しんだ。