本日の一言   

2000/2/11

ラジオ番組に出演

 ある日突然、局の関係者から「ラジオに出演しないか」との電話が入った。「えっ、私が?」−ー−まさかと我が目を疑いながら話をよく聞いてみると、どうやら本当らしい。番組名は「ラジオフォーラムしずおかマイトーク」とって、SBSの自主制作番組で主に経済界の人が登場するものらしい。

それから数日後、SBSラジオ(静岡放送)の本社スタジオに出向き、インタビューを受けることになった。簡単な下質問があった後、すぐ本番である。内容は勤務先のことやら業界のこと、そして今までの体験談や個人的な趣味、希望などを語るのだからそう難しいものではない。

しかし、実際にスタジオのドアが閉まり、無音状態の中でマイクを目の前にすると、先ほどまでの軽口はどこへやら、内心「いよいよ来たな」と身構える感じとなる。真向かいに座った鈴木アナウンサーがスイッチボタンを押し、「2月19日放送のーー」とクレジットを入れると、まさに本番到来だ。

普通の会話だったら何気なくしゃべることも、放送ということを意識すると迂闊なことはしゃべれない、質問からはずれたこともしゃべれない、などと余計なことが脳裏をかけめぐり、会話の一言一句に緊張度が増す。返答秒数はこれぐらいでいいだろうか、ということにも気を遣う。

一方では、どうせ録音だから後で何とかなるだろう、いや、分数をちょっと余分に取るぐらいで取り直しなどはしないだろう、といった考えが交錯する。質問に的確に答えていく積もりの中で「もう少し体験者の話も聞いておけばよかった」などとの考えも台頭する。頭脳神経はフル回転だ。

そのうちに鈴木アナウンサーの次の質問は何だろうか、ということも気になってきた。自分がしゃべっている中でここで止めるべきか、それとももう少し突っ込んでしゃべってもいいか、などの判断である。当然、鈴木アナの表情からそれを読み取ることになる。わが眼力と毛細血管も総出動だ。

仕事の話や個人的な話が大方終わった頃、「それでは常々お感じになっていることがあるそうでーー]との質問がきた。ははぁ、いよいよエンディングだな、と予感が走り、その安心感からか急に主張欲が出て来た。実は出演に踏みきったのも次の3つを広くリスナーから知りたかったからである。

まず第一は、静岡市と清水市に「日本平」と「日本坂」という地名があるがなぜわが国名を冠してあるか、という点である。これが日本を代表するような平らであったり坂であれば当然の話だがいずれもほんの小高い丘であり、小山に過ぎないのである。この由来の真相はぜひ知りたいところである。

第二は、鈴木という姓がなぜ日本一多いかという点である。松とか梅、杉などにあやかった苗字があるのは当然としても鈴と木とはあまり結びつかないのではなかろうか。が、その所以といわれる話は幾つか知っているが実は誰がどんな手段でこの苗字を日本一に育てたかということを知りたいのである。

そして、第三は提言となるがなぜ「冬の富士山をもっと観光に生かさないか」という点である。日本中、いや世界中の人々にもっと冠雪の富士山の素晴らしさを実感させたいものである。そのためには冬の観光対策を図ると同時に今風の情報基地作りもぜひ皆で討議をしようではないかということである。

以上のことをしゃべったら、終わりのキユーサインが出てきて、鈴木アナは「本日のお客様はーー」と上手にしめくくり、何やら手もとのキーをタッチしながら「お疲れ様でした」と微笑まれた。「いゃぁ、何だかよくわかりませんがこれでよかったでしょうか」ーーと、言いつつ私は御礼を述べた。

そして、立ちあがって改めて周囲を見回すと、このスタジオは社屋の高い場所にあり、窓から眺める景色は静岡を一望に見下ろせ、遠くは太平洋まで眺めのきく所であった。このような機会を与えてもらい先述の所感も述べられたことから窓外の景色と共にこの日は本年早々の爽快な気分を味わった。

{追伸}この録音の一部をMP3に短縮してわがホームぺージ上からも聴けるようにようにしたいと考えております。

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