Books Story
1ハードボイルド・エッグ 2第三の時効 3ささらさや 4ウランバーナの森
5ワイルドソウル(1) 6ワイルドソウル(2) 7クライマーズハイ 8阿弥陀堂だより
9ライオンハート 10東京物語 11時宗(1) 12時宗(2)
13時宗(3) 14時宗(4) 15中学受験で子供・・・ 16父のことば
17きみの友だち 18その日のまえに 19天国の本屋 20赤い指


Books Old Story


ハードボイルド・エッグ('06.05.23)★★★☆☆
 タイトル:「ハードボイルド・エッグ」
 サブタイトル:「硬いゆで卵」
 著者:「荻原 浩」

 フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。
 タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。

 私立探偵フィリップ・マーロウに憧れ探偵になるも、仕事といえば犬探し、猫探しの便利屋。
 それでも美人秘書を雇おうと思い広告を出せは、それは美人巨乳秘書でなく80歳のお婆ちゃん綾だった。
 その二人が殺人事件に巻き込まれ・・・実際にはハードボイルドとうより、ドタバタ喜劇ですね。
 去年当たりから立て続けに読んで8冊目になりまいた、「明日の記憶」のインパクトが強く印象を引きずっています。
 「明日の記憶」以降に読んだ本は、面白いが、面白いで終わってしまうところが残念です。

第三の時効('06.05.25)★★★★☆
 タイトル:「第三の時効」
 サブタイトル:「F県警強行犯シリーズ第一弾」
 著者:「横山 秀夫」

 殺人事件の時効成立目前。
 現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?
 刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短篇集。
 本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。
 圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ―。

 青鬼・朽木(一班班長)、冷血・楠見(二班班長)、天才・村瀬(三班班長)
 3人の班長達は、互いに競いあい、恐るべき検挙率を誇っている。
 六篇毎に主人公(班)はかわるのだが、それぞれの班長の特色がよく表現され、伏線も適度に張られていて「いい落ち」がついている。
 「半落ち」でがっかりした分、2冊目に手が伸びなかったのだが、読んでよかった。

ささらさや('06.05.25)★★★★☆
 タイトル:「ささらさや」
 サブタイトル:「連作ミステリ小説」
 著者:「加納 朋子」

 事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。
 そこでは不思議な事件が次々に起こる。
 けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。
 そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。
 そしてユウ坊が誘拐された!
 ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。

 天然で頼りなげでお人よしで泣き虫なサヤであるが、佐佐良の3人のお婆(久代、夏、珠子)や亡き夫が助けながら、お人よしから母へ成長していく。
 心配で成仏できない夫も幾度となくピンチを憑依して助ける。
 夫の気持ちはよく理解が出来る、父も死んでしまったら、子供達が大人になるまで成仏したくはない。
 草葉の陰どころか、風呂・トイレの中までついて回るね。
 ラストの夫からのプレゼントもよい、父なら「貧乳」だね。

ウランバーナの森('06.05.30)★★☆☆☆
 タイトル:「ウランバーナの森」
 サブタイトル:「デビュー作」
 著者:「奥田 英朗」

 その夏、世紀のポップスター・ジョンは軽井沢で過ごした。
 家族との素敵な避暑が、ひどい便秘でぶち壊し。
 あまりの苦しさに病院通いをはじめたジョンの元へ、過去からの亡霊が次々と訪れ始めた…。
 大ベストセラー小説『最悪』の著者が贈る、ウィットとユーモア、そして温かい思いに溢れた喪失と再生の物語。

 デビュー作として差し引いても、★2です。
 ウィットとユーモアが何処にあったのか教えてもらいたい。

ワイルドソウル(1)('06.06.08)★★★★☆
 タイトル:「ワイルドソウル(上)」
 サブタイトル:「アマゾン浪人」
 著者:「垣根 涼介」

 一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。
 しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。
 戦後最大級の愚政“棄民政策”。
 その四十数年後、三人の男が東京にいた。
 衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。

 昨日、新聞に「ドミニカ訴訟」の記事が掲載されテレビのニュースでもほんの一瞬放送された。
 ブラジルとドミニカとに違いはあるが、ともに政府に騙され移民として追い出されたことに変わりはない。
 「原告のみなさんがドミニカに移住して幾多の辛苦を重ねたことは認められるが、法律的には除斥期間を過ぎている」
 そう言われたら、どしようもないよな。
 それに対しドミニカ在住の原告は、「私たちに時効はないんです」と訥々と語ったと言う。
 「ドミニカに眠る137人の同胞にこの判決をどう報告したらいいのか……」この記事と読んでいる本が重なり、より一層考えてしまう。
 戦国時代や戦時中の話ではないのです、ちょうど父が生まれた頃の話なのです。
 それなのに除斥期間が過ぎている、では誰も納得しない。

ワイルドソウル(2)('06.06.12)★★★★☆
 タイトル:「ワイルドソウル(下)」
 サブタイトル:「アマゾン浪人」
 著者:「垣根 涼介」

 呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。
 外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。
 ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。
 未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?
 史上初の三賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。

 テーマとしては重いが、ケイの軽薄さと純粋さは救いだ。
 ケイと貴子のやり取りも面白い。
 始めは「大地の子」のような話だったので鬱入ってましたが、読後感は爽快です。

クライマーズハイ('06.06.15)★★★★★
 タイトル:「クライマーズハイ」
 サブタイトル:「御巣鷹山・日航機墜落」
 著者:「横山 秀夫」

 北関東新聞の古参記者、悠木和雅は、同僚の元クライマー、安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑む予定だったが、出発日の夜、御巣鷹山で墜落事故が発生し、約束を果たせなくなる。
 一人で出発したはずの安西もまた、山とは無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。
 「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残したまま―。
 未曾有の巨大事故。社内の確執。親子関係の苦悩…。
 事故の全権デスクを命じられた悠木は、二つの「魔の山」の狭間でじりじりと追い詰められていく。

 フィクションではあるのだが、横山氏自体が日航機墜落時、群馬の上毛新聞で記者をしていたというから、文体からは作り話でない現実・迫力が迫る。
 未曾有の事故と相まって、家族・息子との関係、友人の息子との関係、自殺した後輩の彼女との関係、会社の派閥との関係、部下との関係。
 どれをとっても、悲しかったり、怒りが込み上げたり、、、それでも生きるエネルギーになる。
 悠木の考え方、生き様、決して理想通りの結末ではなかったであろうが、それでも彼の決断を父は支持する。
 今年、いや近年でも特にインパクトのある本であった。

阿弥陀堂だより('06.06.20)★★★★☆
 タイトル:「阿弥陀堂だより」
 サブタイトル:「忘れていた 真摯に生き人生を慈しむこと」
 著者:「南木 佳士」

 作家としての行き詰まりを感じていた孝夫は、医者である妻・美智子が心の病を得たのを機に、故郷の信州へ戻ることにした。
 山里の美しい村でふたりが出会ったのは、村人の霊を祀る「阿弥陀堂」に暮らす老婆、難病とたたかいながら明るく生きる娘。
 静かな時の流れと豊かな自然のなかでふたりが見つけたものとは…。

 人間らしい生き方とは?
 ボタン一つでお風呂が沸く生活と、水を汲み薪を割り星空の下入るお風呂と、どちらが人間らしいのか?
 父も非効率なことは嫌いである、なので便利な道具は好きである。
 但し、東京に住みたいとは思わない、別物だよね。
 田舎暮らしや便利な道具を使わないことが、人間らしいではないと思うが、コンクリートジャングルで暮らすよりは・・・いいよね。

ライオンハート('06.06.26)★★★☆☆
 タイトル:「ライオンハート」
 サブタイトル:「心ここにあらず」
 著者:「恩田 陸」

 いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。
 会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ…。
 17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。
 時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。
 結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って―。
 神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。

 ラブストーリーだったようです。
 最近、本を読んで入るのだが、集中することが出来ず、気がつくとページは進んでいるのだが、心ここにあらず。
 まずいです。

東京物語('06.06.30)★★★☆☆
 タイトル:「東京物語」
 サブタイトル:「青春グラフィティ」
 著者:「奥田 英朗」

 1978年4月、18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。
 キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。
 バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。
 80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす。

 父も18歳で家を出て一人暮らしをはじめたのが83年、上にあるような出来事を同じように体験してきた。
 一人暮らしを始めた最初の日、一人暮らしの期待やドキドキ感はなく無性に孤独感を感じたのを思い出す。
 父の場合は、田舎から東京という「上京」ではなく、埼玉から沼津(田舎)だったので、余計期待感は薄かったのだろう。
 今は父となり、今度は子供達がいつの日か家を旅立つときのことを思うと、寂しさはあるものの、親元から離れて色々な事を体験するのはいいことだと思う。
 喜んで送り出してあげよう。
 p.s.そらは結婚するまではダメだよ。それに結婚しても車で30分以内でないとダメだよ。

時宗(1)('06.07.09)★★★☆☆
 タイトル:「時宗〈巻の1〉乱星」
 サブタイトル:「国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編」
 著者:「高橋 克彦」

 源頼朝亡き後、北条氏に権力が移り抗争が続く鎌倉。
 若き北条時頼は、病に臥した兄の執権・経時に、棟梁になれと告げられた。
 北条を継ぐ者に安寧はない。
 地獄の道だ――。
 内部闘争に血を流しても、国のあるべき姿を求めねばならぬ。
 武家政治を築いた父子を描き、「国を守るとは」を問う巨編、ここにはじまる。

 タイトルの時宗は、北条時頼の息子で1巻では後半に誕生こそするが、物語には登場しない。
 蒙古も登場しない。
 国を守るというか、国内での権力抗争の域を脱していない。
 しかも、三浦や名越も元は身内だからね。
 今後に期待しましょう。
 海も学校で歴史を習っていて、最近鎌倉時代まできたそうです。
 韮山の蛭ヶ小島へ行ったりしてます、が、が、北条を「きたじょう」と読んでます。

時宗(2)('06.07.18)★★★☆☆
 タイトル:「時宗〈巻の2〉連星」
 サブタイトル:「国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編」
 著者:「高橋 克彦」

 磐石の執権政治を確立し、幕府の結束を固めた北条時頼。
 だが、巨大騎馬国家・蒙古の王クビライが、海を越えこの国を狙う。
 かつてない戦さがはじまろうとしていた。
 天変地異続く巷では、法華経を説く日蓮が民の熱狂を呼ぶ。
 父の志を受け、真に国をまとめる者となれ。
 少年・時宗は若き棟梁として歩み出した。

 蒙古と対峙するには、国の結束が第一と時頼は疾走する。
 しかし、38歳の若さで時頼は他界。
 時宗は、まだ12歳、さぁどうする。

時宗(3)('06.07.24)★★★☆☆
 タイトル:「時宗〈巻の3〉震星」
 サブタイトル:「国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編」
 著者:「高橋 克彦」

 幕府の重鎮・北条時頼が世を去り、不気味な長い尾を引く彗星が空を流れた。
 一族内の暗闘、将軍との対立。
 重なる試練が若き時宗を襲う。
 一方、海を越え届けられた1通の国書。
 すでに高麗を手中にしたクビライの狙いはこの国に定まった。
 いかに国をまとめ、大蒙古軍を迎え撃つか。
 あとのない戦いがはじまる。

 時宗の時代となりました。
 蒙古が攻めてきた時に備え、時頼が時宗へ策を授けたらしいが、どんな策なのか?興味がある。
 今までの高橋氏の作品と比べ、どうも盛り上がりに欠ける。
 原因は、男気が足りない、内輪の権力争いは、今の世界の出世競争を彷彿させ、武士としての気概が感じられない。
 外国から攻められ、一つになれるのか?

時宗(4)('06.08.02)★★★★☆
 タイトル:「時宗〈巻の4〉戦星」
 サブタイトル:「国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編」
 著者:「高橋 克彦」

 ついに蒙古が来襲した。
 対馬沖に現れた三万数千人の大船団。
 国の命運を賭け、執権・時宗は父・時頼の遺した途方もない秘策に出た。
 兄・時輔らが率いる九州武士団を軸に、日本軍は蒙古軍と激闘を重ねていく。
 誰のため国を守るのか。
 国とはなにか。
 歴史の転換期を生きた男たちを圧倒的迫力で描く怒涛の完結編。

 不謹慎だがやっと、攻めて来ました。
 マルコポーロが登場し、「ジパングは黄金の国だ」という情報が、時輔らの作戦であったという繋がりは面白かった。
 作者自身は「神風」という言葉を使用していない、なくても勝っていたと考えていたのだろうか。

中学受験で子供と遊ぼう('06.08.05)★★★★☆
 タイトル:「中学受験で子供と遊ぼう」
 サブタイトル:「ぼくの究極の趣味は、息子の「中学受験」だった」
 著者:「高橋 秀樹」

 お父さんも、子供の受験で楽しく遊べる!
 「雑草の様にのびのびと」が教育方針だった放送作家の著者が、悩んだ末、息子の中学受験を決意。
 塾や志望校選び等での失敗や挫折を乗り越え、親子で立ち向かっていく。
 小学校6年生の7月からでも間に合った汗と涙の奮闘記!
 これで家族の絆も深まります。

 長男がというか、我が家が中学受験を決断したのは、長男が小学6年に入る時である。
 まずは、塾選びからスタートして、受験校決定・・・と始まるが、我が家は受験校は1校のみ。
 そもそもの動機が「硬式テニス部があること」だったので、学校の校風もポリシーもレベルも後追いです。
 先月、学校説明会へ行ってきて、全国中学模試の結果、日大三島中学は16位だそうです。
 レベルが高いのが分かったのと、勉強が忙しくて部活は週2回しかないんだと、がっかり。

 この本を読んで驚いたのは、中学受験生の平均勉強時間が7時間とか8時間と言っていること、長男は・・・言えない。
 今月の模試から学校別の合格率を出してくれるそうです、楽しみ。

父のことば('06.08.05)★★★☆☆
 タイトル:「父のことば」
 サブタイトル:「父だし、父もいる」
 著者:「宮本 輝」

 とかく疎まれがちな「父」の、その重み、存在に、ふと気づくときがある。
 宮本輝が厳選した父と子の真実のドラマ、市井の人々が描いた感動の33篇。

 上にもあるが、宮本 輝さんが書いたものではないです。
 あくまでも素人の投稿を33篇選んで本にしたものです。
 ほとんどが4ページ程度ですが、どれも父への思いが伝わってきます。
 文章とは長ければいいというものではないですね。
 私も「父」だし、自分の「父」も健在だし、各々の立場から考えされ・込み上げるものがありました。
 君達が大人になった時、君達にとってどういう父だったのか、教えてください。

きみの友だち('06.08.14)★★★★☆
 タイトル:「きみの友だち」
 サブタイトル:「『小説新潮』掲載に加筆」
 著者:「重松 清」

 友だち?
 他人だよ、そんなの。
 でも特別な他人、大切な他人。
 嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから「友だち」の意味がわかった-。
 痛みや喪失を乗りこえ、少女たち、少年たちはやがて…。

 小学校・中学校と友だちや勉強や好きな子のことで悩んでいたことや、どうしてあんなことしたんだろう?
 今考えると理解できない言動をしていたことに恥ずかしくなる。
 そんな少しかっこ悪い過去を思い出す。
 あの頃は、絶対だった友だち(仲間)も今では一人も交流がない。
 小・中学校の推薦図書に指定されています。
 いつか読んでね。

その日のまえに('06.08.19)★★★★★
 タイトル:「その日のまえに」
 サブタイトル:「いつか来る日」
 著者:「重松 清」

 僕たちは「その日」に向かって生きてきた。
 男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、幸せな一生なのか。
 消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子。

 ひこうき雲: 小学校6年の時、同級生(ガンリュウ)が入院。
 朝日のあたる家: 教え子がコンビニで万引きを繰り返す。
 潮騒: 余命3ヶ月と診断された男が昔暮らした街に帰った。
 ヒア・カムズ・ザ・サン: 余命半年の母さんと息子の母子家庭。
 その日の前に: 余命半年の奥さんと、その日の準備をする「その日の前に」、迎えてしまった「その日」、その日以降の「その日のあとで」。
 どの話もテーマは「死」、誰もがいつかは100%迎える「死」。
 避けたいテーマだが、考えなければいけない。
 いつか訪れる「その日」を考え、いつ来ても良いように生きていきたい。
 注意:人前では読まないほうが良い。
 注意:富士山登山の前には読まないほうが良い。(徹夜で登る事になる)

天国の本屋('06.08.19)★★☆☆☆
 タイトル:「天国の本屋」
 サブタイトル:「コンビ作家」
 著者:「松久 淳、田中 渉」

 さとしはアロハシャツの不思議なおっさんに誘われ、突然天国の本屋でアルバイトをすることになった。
 この店の売り物の、朗読サービスを受け持つことになったさとし。
 そして緑色の目を持つ少女ユイに恋心を抱く…。
 でも、ユイの心は、この世でできた大きな傷に塞がれていた―。
 慌しい毎日に押しつぶされそうな貴方にお勧めします。
 懐かしさと優しさが、胸一杯に込み上げてきます。

  本の内容はおいといて、コンビ作家だそうです。
 岡嶋二人もそうでしたが、どういう分担なんですかね?
 大きい流れを考える人、細かいディティールへ落とす人。
 大きい流れを考えた後は、書く箇所を分担する。
 どうやっても難しいと思う。

赤い指('06.08.26)★★★★☆
 タイトル:「赤い指」
 サブタイトル:「60冊目にあたる記念碑的作品」
 著者:「東野 圭吾」

 直木賞受賞後第一作。
 構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、ついに登場!
 身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。
 ひとつの事件を中心に描き出されるさまざまな親子像。
 東野圭吾にしか書き得ない、「家族」の物語。

 親の心、子知らず。
 馬鹿な息子が2人登場します、かたや殺人を犯す中学生、殺人者をかばう馬鹿父親。
 父親になっても息子なんだよね、当たり前だが父親にも母親がいる。
 馬鹿な息子でも親はかわいいんだよね。
 オチの予想は合っていたが、赤い指のオチは気が付かなかったです。