兼六園 |
またもや朝早くに目が覚める。時間は6時だった。さすがにこの時間に起こしたら二人に殺されてしまうかもしれない。今日は朝一番から兼六園に行く予定になっている。兼六園自体が7時開園なので、そう急ぐ必要もない。7時チョイ前に2人を起こす。薫チャンが時計を見て叫んだ。 「ねえ、7時に友達と約束しているんだけど!!どーしよう!」 確かに前の日から聞いてはいた。金沢の友人一緒に行動すると言うことは。ただ、まさか朝の7時に待ち合わせをしているとは聞いちゃいない。それに、いくらなんでも朝の7時に待ち合わせしているとは思うはずもない。それに時計の針はもうすぐ7時になろうとしている。今からじゃ、どーしようもない。 急いで身支度を整えて、兼六園に向かう。がんばれば15分遅れくらいでたどり着くだろう。相手だって、まさか真面目に7時に到着するはずがない、セーフセーフ。などと無責任なことを考えながら車を走らせたのだが、途中で薫チャンの携帯が鳴った。どーやら真面目な人だったらしい。「少し遅れる」と連絡をし、兼六園の駐車場に車を滑り込ませる。 兼六園の入り口のところで、お友達と合流。話を聞くと、今日は遅れないように目覚ましをかけて、しかも親に車を出してもらったんですよー。と言っていた。やはり人間はこーでなくてはいけない。それにしても、友達もある意味災難だろう。何が楽しくて、金沢市民が朝の7時から兼六園を見学しなければならないのか。それを考えると心が痛む。お友達はそんな僕に向かってニコニコしながら話し掛けてくれる。絵に書いたようないい人だ。 兼六園の庭内に入るのは2度目。学生時代に昔の彼女と来たことがあるのだ。あまりの懐かしさに心が疼いた。朝早い時間ではあったのだが、思ったより人が多い。こういう人たちは普通にホテルに泊まっているのだろうに、なぜこんな早くから観光して周っているのだろう。他人事ながら気になってしまう。 |
忍者寺へ |
兼六園を一通り見て周った後、朝食を食べに街中の魚市場へ歩いた。少し距離はあったが歩けない距離ではない。たどり着いたのはいいのだが、店にはシャッターが降りていて、開く気配がない。どーやら時間が早すぎたのかもしれない。観光客相手の魚市場だけに、開店時間が比較的遅いのだろう。 仕方がないので朝食を諦め、次の目的地である「忍者寺」に向かう。ここへ行きたいと熱望したのは、何を隠そう、忍者大好きっ子のおいらである。薫チャンのお友達は「どこそれ?」とおいらに聞いてきた。金沢市民にとってはかなりマイナーな観光スポットなのか??とりあえず、おいらにもどんな場所かはわからなかったので、「忍者の寺だよ・・・・。」とまんま答えて誤魔化した。魚市場から忍者寺までの行き方がわからなかったので、タクシーを拾うことにした。4人で割り勘すればそう高いはずはない。数分でやってきたタクシーの運ちゃんに「忍者寺までお願いしますー。」と言うと、「予約はしてあるの?」と聞かれた。話を聞くと、どーやら、忍者寺には予約が必要なようだ。当然、行き当たりばったりで行動しているおいら達はそんなことは知るはずもない。「予約ってどーすればいいんでしょうか?」と尋ねると、「タクシーから予約できるよ。」と、タクシー会社の本部に無線を入れて、「忍者寺に4人」と、予約を入れてくれた。金沢にはいい人が多いのかもしれない。 車内でも、運ちゃんはいい人ぶりを発揮して、「せっかく来たんだから、ここへ行かなきゃダメだよ」とか、「魚市場は港の方にもあるから、そっちに行ってみな。」など、色々な情報を教えてくれた。ありがたやありがたや。そんなこんなで忍者寺に到着。建物の外観は普通の小さな寺だった。 運ちゃんに御礼を言って車から降り、拝観料(入場券)を買って順番を待つ。予約制のため、それほど待つことはないが、建物の中では20名ほどのグループ行動になるために、同じグループになるであろう人たちと一緒に並んだ。 本堂に入ると、とりあえずそこで、お寺に付いての説明が始まった。そこで知った驚愕の事実!!なんと、このお寺は「忍者寺」という名前なのだが、全然忍者とは関係がないそうだ。忍者好きのおいらはがっくり。お寺は、加賀の前田家に関係し、城が攻められたときなど、ここに逃げ込み、さらにここが攻め入られたときには、多数のカラクリで、逃げたり敵を退治するために、「忍者寺」という名前がついたそうだ。 説明を一通り聞いた後は、案内のおねーさまの案内で、建物の中を見て周った。これがまたおもしろい!忍者に関係はないのだが、隠し部屋あり、攻撃用や避難用の様々なカラクリがあり、かなりの面白さだった。長野の戸隠にある忍者屋敷に劣らないクオリティーなのだ。 |
金沢いきいき魚市 |
ワクワクして外へ出て、とりあえず歩いて兼六園に停めてある車まで戻ることにした。兼六園の前の土産物センターにつかまり、皆でお土産を買って回った。おいらが買ったのは「最中」でした。これが優れもので、「味噌汁」とか「コンソメ」とか書いてあるんですわ。最初、(味噌汁味の最中??)と軽いパニックに陥ったのですが、なんとこれが、最中にお湯をかけると、「味噌汁」になったり、「コンソメスープ」になったりするという優れもの(?)なのだ。要するに、あんこの変わりに、味噌やコンソメが入っているってだけなんですけど。なんとなく嬉しくなってしまい、買ってしまいました。あとは、巨人の松井の出身地と言うことで、ゴジラの絵柄のお茶(350ml缶)があったので、巨人ファンの友人のために買ってあげた。安上がりでこちらも助かる。 買い物を済ませ、お友達の案内で、海沿いの港にある魚センターへ向かう。昼近かったので、全員腹が減っていたようだ。お腹を空かせた4人にとっては魚センターは宝の山のようでした。こういうところでは調理が禁止されているようで(食品衛生法とかかな?)すでにどこかで加工(刺身状に切り分けられている)のとか、そのまんま食えるもの中心に 食材を集め、唯一売っていた押し寿司を主食にして、醤油をかけて食いまくった。 これがすんごい美味かったのだ。昨日食った店も美味しかったのだが、鮮度が全然違うようだ。特に刺身が最高だった。他にも焼いて食いたい食材が売っていたので、来年は七輪を持って行動しようね・・・・。と、今回は涙ながらに諦めて、満腹感に浸りながら魚センターを後にした。 せっかく海の近くにいるのだからと、そこから能登半島の付け根の海岸に移動。波がどしゃどしゃと高い砂浜にたどり着いた。旅に海は付きものである。こういうところに来ると、薫チャン筆頭に、工藤クンも波打ち際で遊びまわる。結果、二人ともズボンの裾をかなり濡らしてしまったようだ。 心ゆくまで波打ち際で遊んだ後、お友達を家の近所まで送り、お別れをした。今日はこれから、富山まで行かなければならないのだ。 |
富山へ |
県境を越えて、富山市内に入る頃には夕方になっていた。ここでも薫チャンの友達と合流することになっている。車内から電話をして、その場所へ向かう。到着してしばらく待っていると、お友達登場。とりあえず、なんか名所はないの?と言う話をすると、富山市内を見渡すことが出来る近くの展望台を教えてくれた。その場所は確かに富山市が一望できる。景色を眺めながら、いろいろな話をしていたら、辺りはすっかり真っ暗になってしまった。 |
回転寿司 |
夕飯はお友達に店を紹介してもらうことになっていた。あらかじめ「魚が食いたい!!」と言うリクエストをしてあったので、事前調査をしてくれていたようだ。学生さんであるお友達は、学校でリサーチをして、これだ!と言える1件を探してくれたようだ。 富山市内は路面電車があり、車を走らせていてちょっと驚いた。少しだけ道に迷いながらもその店に到着。その店は回転寿司屋なのだが、市内でもかなり有名な回転寿司屋だということなのだ。店には既に列が出来ていて、少し待ってから席に付く。待っている時から気が付いてはいたのだが、ネタがでかい。しかも、料金を見てびっくり。まるで相場が安い。例えば、うちの方で300円する皿なら200円、200円の皿なら150円、ってな感じなのである。ネタがでかい上に安い。しかも食ったら美味しい。いつもなら納豆巻きとか食うのだが、ここでそれを食うのは気が引けた。こういうチャンス(?) はめったにないからだ。ウニ・カニ・トロ・イクラなどの高級食材を食いまくり。今回の旅は海鮮類に恵まれている。 |
祭り |
腹が膨れたと言うことで、とりあえず富山のお土産を買うために、駅ビルまで買い物に行った。土産物売り場で買い物をしていると、観光案内のコーナーがあり、そこでは踊りを踊っているビデオが流れていた。少し離れた町で、大規模な祭りがあるようだ。傍らに貼ってあるポスターを見ると、なんと、日付は今日!!そーです、今日なんですよ。「ねー、お祭り行きたい!」薫ちゃんが言った。それでも、うーん、今日なのか・・・・・。と考えていると、「行こう、行こう。」との声があがる。いつの間にか、皆は行く気満々になっていた。 車で小一時間ほどの所にその町はあった。町へ着いたはいいが、想像以上に大規模な祭りなのか、ものすごい渋滞だった。会場の方には車が停められないようで、離れた所からシャトルバスが出ているようだった。それでも、なんとか近場に停めたかったのだが、場所がない。諦めて、シャトルバスの発着場に行き、会場まで向かった。 会場の方に着くと、人が道に溢れていた。どこに向かえば良いのかはよくわからなかったのだが、とりあえず前の人の後について歩こう、と、適当モードを炸裂させて歩いた。道には浴衣姿の人や、露天商が並んでおり、祭りの雰囲気を盛り上げていた。 歩いていると、どこからか音楽が聞こえてきた。その音がする方へ向かうと、広い場所に1000人近い見物客が集まっており、中央のステージでは、子供やら大人が踊りを踊っていた。町の一角全体に人が溢れ返っているのに、さらにメイン会場であるここの場所にこれだけの人が居るという事に驚いた。祭りのパワーにあてられた気分だ。 舞台の踊りを一通り見て、その後、街中をうろついてからシャトルバス乗り場に戻った。祭りの終わりと共に、バスの運行も終わってしまうからだ。普段は静かな町なのだろうと思われるその場所に、祭りの時にはこれだけの人出がある。そこに僕たちが見に行くことになったのは偶然だったのではあるが、それは嬉しい偶然だった。これだけ盛大な祭りを見たのは久しぶりの事である。 その後、富山市に戻り、お友達に御礼を言ってお別れをした。それから、さらに夜の道をひた走り、な・・・なんと高山市まで戻ったのであった。当然、おいらは後部座席で熟睡。高山市に入る一歩手前で目が覚め、さすがにそこからはハンドルを握り、今晩の宿になるべきコンビニを探すのであった。コンビニ自体が、あまり見つからなかったので、多少手惑いながらも、バイパス沿いに、広大な駐車場をもつサークルKを発見し、そこで眠るのであった。 |