「松島」が見たい!

車中泊の旅も今年で4回目。我ながら良く続いていると感心します。もともとは4年前、某チャットで仲良くなった工藤クン(仮名)と、なぜか旅に出よう!という話になり、「夏なんだから涼しいところがいいよねー。」と言うことで、仙台まで出かけたのがきっかけです。貧乏旅行がテーマだったので、高速等は極力使わない、宿も取らないという事にしていたのですが、それが辛くもあり、楽しくもありで、それからすっかり車中泊の旅にハマってしまい、1年に1回のペースで出かけているのです。2回目からは、工藤クンの彼女の薫チャン(仮名)も加わり、3人体制で旅しています。薫チャンが後から加わったことにより、オイラがおじゃま虫じゃないと言う事実だけが支えになっています。

さて、今年も夏が近くなると、黙っていてもこの話が出てきます。
「今年はどこへ行く?」

「んー、そうだな。また東北がいいなー。」
「んじゃ、また仙台に行く?前に行ったときは、雨で松島見れなかったし。」
「それ!いいね。んじゃそれに決定!!」
話し合い自体は簡単だ。なんと言っても行き当たりばったりだから。後日、日程も決まり、8月1
6日から19日までの日程になりました。せっかく仙台に行くことになったので、仙台の知り合いに電話。17日に会うことに決定。

さーて、支度支度。3泊4日の旅行ともなると、それなりに荷物が多いのである。それに今年は、新兵器のキャリアボックスがあるので、それを車に取り付けなければならない。持ち主は父だから、親の車から外して、自分のに取り付けなければならないのだ。前日の夜にその作業をして、そこで体力がつきました。本当は、着替えやらその他の荷物をまとめなければならないのにー!そう思っても、眠いものは眠い。こういう時は寝るに限る。先が思いやられます。

いざ、集合地点の東京へ!

16日の朝がやってきた。うっかりすると忘れがちなのだが、まだ荷造りはしていない。と、言うわけで起きたら着替えと洗面用具をバックに詰め込み準備完了。
車のキーをひねり、走り出すと、とりあえずの目的地は練馬にある工藤クンの家である。午後2時位に合流する話になっているので、朝方出発すれば時間は余裕がある。家を出て、富士山の麓を通り、国道246号線へ。
そのまま神奈川県を抜けて、東京都へ。都内へ入ったのはまだ昼前。全然時間が空いてしまった。途中のコンビニで車を止め、時間つぶしに都内の友人に電話をしたのだが、出ない・・・。もう1人は仕事で会えないと言う。なんということだ。あきらめて再び車で走り出すと、「ドンキホーテ」と書いた大きな看板が目に入った。そう、ドンキホーテとは関東中心に展開しているディスカウントショップである。イロイロなところで「激安」の噂があったので、一度行きたかったところなのだ。よし、時間はたっぷりあるから覗いていこー。と、店に入ったはいいけど、別に欲しいものもなく、すぐに興味は失せてしまった。店内をウロウロしていると、携帯電話が鳴った。工藤クンからだ。「今、どこにいるの?」おいらが世田谷にいると告げると、「なんだー、もう近くまできてるんだね。オレもあと1時間くらいで家に帰るから。」あと1時間か・・・・。1時間もドンキホーテで時間をつぶせる気はしない。とりあえず、練馬に向かって走り出す。10分ほどで工藤クンちの近くに着いてしまった。暇つぶしをかねて、コンビニで飯を買って食べた。食べ終わってしばらくすると、工藤クンから電話があり、彼の家の近くで合流することになった。
集合場所に着いてしばらく待っていると、「よー、久しぶり!」との声と共に、工藤クンと薫チャン登場。久しぶりに会ったのにもかかわらず相変わらずどこも変わっていない。それはおいらも同じなんだけどね。
3人で車に乗り込み、工藤クンちへ。集合場所から車で2分ほどのところ。すぐに着いてしまった。工藤クンちで荷物を積み込む。着替え・洗面用具、その他に七輪・木炭・毛布と、大物の荷物をキャリアボックスに詰め込む。去年、魚センターに行った時の経験を生かし、調理用品として七輪を持っていこうという話を覚えていたらしい。
荷物も積み込み出発の準備も整うと、ルートを決めることになった。とりあえず東京外環で埼玉まで抜けて、そこから国道6号線で北上して仙台へ向かおう。と言うことで落ち着く。
工藤クンちを出て、大泉学園の近くを通る。昔、オイラが少しだけ住んでいたところだ。駅前の再開発のため、昔の面影がなくなりつつある。なんだか少しさびしい。そのまま大泉学園を抜けて外環に乗り、一気に埼玉県へ。
6号線の手前のコンビニで小休止。とりあえず飲み物を購入。「ところでさ、昼飯どうする?」と、工藤クンの一言。どうやら二人は飯を食べてこなかったらしい。「オレはどこでもいいよ。」軽く昼飯を食ったオイラはそう答えた。んじゃ、とりあえずどこかファミレスに行こう。と言うことになりしばらく走り出すと、「ねー、餃子食べたくない?」薫チャンがこう言った。餃子・・・・・。餃子と言えば宇都宮・・・・・。本場の宇都宮の餃子か・・・・・。おいらの頭の中は餃子で一杯になってしまった。「いいねー、餃子食いに行こう。」「と言うことは宇都宮だねー。」工藤クンも乗り気マンマンです。出発してまもなく目的地が仙台から宇都宮に変更。こういうことがあるからこのメンバーの旅は面白い。カーナビの目的地を宇都宮に変更して再スタート!到着予定時刻は夜7時ごろ。昼飯どころか夕飯だよ・・・・・。あの2人がその事実に気がついているかは謎である。

餃子の町 宇都宮

日が落ちてしばらくすると、宇都宮の市内にようやく着いた。やはり昼飯ではなく、夕飯のようだ。工藤クンのひいきの店が駅前のパルコの近くにあると言うのでそこへ向かう。が、道に迷う。工藤クンが会社の人に電話をして場所を聞いていた。「パルコをこっちに曲がって、細い道に入って、こっちに曲がって・・・・。」あんた、近所に住んでいるのかー。と、ツッコミを入れたくなるような説明のおかげで店にたどり着く。駐車場に車をとめて、店へ行く。15人位しか入れないこじんまりとした店である。「今日は行列がないなー。」と、工藤クンが言うとおり、店は一杯だったのだが、待っている人はいなかった。5分もしないうちに席が空き、テーブルについた。メニューは「焼き餃子」と「水餃子」の2種類だけ。

「この店はご飯とかないから、餃子をひたすら食うんだよ。」
「えー、ご飯無いの???」
「餃子専門店はそうみたいだよ。だから、多めに餃子頼まないとお腹すくよ。俺は焼きと水を2人前ずつ頼むよ」

本場の餃子は楽しみなのだが、ご飯と共に食べられないのはかなり残念だ。ご飯あっての餃子だというのに・・・。結局、3人で焼き餃子と水餃子を5人前ずつ頼むことになった。注文する頃には、店の前にも列が出来始めていた。本当にタイミングが良いようだ。列に並んでいる人たちの手には、旅行雑誌や、地元の餃子店マップなどがある。そいいうのを見て来る店だから、かなり有名なようだ。それにしてもこの人たちは、夜、この時間に旅行雑誌を持ってここにいるということは、まさか餃子を食べるためだけに宇都宮に泊まりで来たのだろうか。女の子の二人連れ、カップルどちらにしても、「宇都宮=餃子」と言う公式がある限りそう思えてしかたが無い。

そんなくだらないことを考えていると、目の前に餃子が運ばれてきた。早速、焼き餃子から口に入れる。んー、美味しい。餃子の餡はシンプルなのだが、それでいて美味しい。焼き立てなのも美味しさに拍車をかける。そして水餃子。
オイラは今まで水餃子と言うものを食べたことが無いのでこれはかなり楽しみだった。少し冷ましてから口に入れる。
これも美味しい。シンプルでありながら美味しい。うまく表現できないのだが、今まで食べた餃子とは一味違うことだけはわかる。それにしても、ニンニクが程よく効いている。きっと、店の外で列を作っているアベックや、女の子の2人連れも、今夜はニンニクくさいのだろう。餃子は1人前170円だから1人600円ほどだ。美味しいのに安い。勘定を済ませて店を出る。それにしても、やはりご飯があればよかった。なんでも、ご飯があると、客の回転が遅くなる。という説もあるらしい。本当かどうかは知らない。

飯も食ったし、あとは風呂に入って寝るだけ。寝床は6号沿いの道の駅と言うことにして、風呂はどこかの温泉にしようと言うことで走り出す。とりあえず、運転を薫チャンに変わってもらって、オイラは後部座席で寝ることに。疲れていたのか走り出してすぐに眠りについたようだ。
ガタガタ道で目がさめると、「もうすぐ温泉に着くよ。道に温泉の看板があったから、そこに行くことにしたよ。」しばらくして、たどり着いたのは”かんぽの宿 栃木喜連川温泉”ここは日帰りの温泉と、宿泊用の宿があるようだ。午後4時以降の入館は400円で済むようだ。建物も風呂も大きくて、とてもよい施設だ。寝ている間にこんなところに連れてってくれた二人に感謝。シャンプーとボディーソープが備え付けってところもグッド。細かいところにうるさいのである。体を洗って露天風呂に浸かっていると、工藤クンがやってきた。やはり旅はいいねー。なんて話から、仕事の相談をしたりイロイロ話をする。旅に出てどちらかともなくこういう話を出来るってのはやはりいいものだ。満足して風呂から出ると、目の前にはヤクルトの自販機。見てしまうと飲みたくなるものだ。お金を入れてヤクルトを買う。あれはなぜか2本セット。1本を工藤クンにあげて飲んだ。風呂上りのヤクルトってのがバカバカしくて妙におかしかった。
しばらくすると、薫チャン登場。「女湯どーだった?」とたずねると、「おばちゃんばかりだったよ。」薫チャンとも付き合いが長いので、オイラが聞きたい事はわかるらしい。そーか、おばちゃんばかりか・・・・。待合室を見ればわかることだが残念と言えば残念。

閉館時間も迫っていたので、今夜の宿に向かって走り出す。目的地は福島県の道の駅”安達”である。到着時刻は午前1時頃。とりあえず仙台への時間も見えてきたので、仙台の友達のところへ連絡。仙台駅に11時に集合することにして電話を切った。

一日目の宿 道の駅”安達”

道の駅”安達”に辿り着く。時計はすでに0時を回って午前1時が近くなっている。ここは駐車場も広く、コンビニエンスストアが併設されているので車中泊には最適な場所なのである。その為か、深夜だと言うのに、広大な駐車場は7-8割がた埋まっている。皆考えることは同じようだ。オイラ達も寝る支度をするため、キャリアボックスから毛布を下ろし、いらない荷物を詰め込み、後部座席をフラットにして寝床を作った。チェロキーは後部座席を倒すことにより、荷室に2人寝ることが出来る。そして、前には1人だけ。そーなると、当然後ろには工藤クンと薫チャン。オイラは1人で前席に寝るという事になる。オイラが薫チャンと寝るわけには行かないし、間違っても工藤クンとは寝たく無い。最初のうちは姿勢作りに苦労したのだが、しばらくしたら眠りについてしまった。こうして一日目が終わった。

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