'02/08/25 2日目〜上陸・南国土佐の夜
…ふと、目が覚める。時計を見ると午前2時を回っていた。
取り敢えずトイレへ。帰り際に談話室のテレビから、聞いた事有るような音声が
流ていたので見てみると"爆笑オンエアバトル"を放送していた。時折画像が乱
れるのは首都圏の受信エリアを離れかけている証拠だろうか。夜が明けてから
の放送は総てNHK-BSになっていたし。
起床のアナウンスと共に、再び目が覚める。朝食はカフェテリアにてバイキング
型式らしく、トレー片手に好きな物を取って美味しく頂く。ただ洋食のあとに和食
のメニューが並んでいるのは和食派の人間にとってどうかと思ったので、乗船ア
ンケートに一筆したためる。
高知到着予定は多少遅れるらしい。それでも四時間近くあるので、朝風呂へ行く
事に決める。両刃さんも誘おうかと思ったけど、ベッドからは寝息が聞こえるので
1人で行く事に。昨晩は窓からの眺めも楽しめなかったが、朝風呂は朝の光が窓
から差し込み、湯船に浸かりながら至福の一時を過ごす。
高知新港到着の正式時間がアナウンスされ、船内は俄に慌ただしくなる。
甲板に出てみると、四国の山並みがはるか遠くに見留められるようになり、航路
の脇にはプレジャーボートや漁船が停泊しているのを確認できるほどに。
ようやく高知新港入港、タグボートに推されて接岸。車両デッキに降りる際に岸
壁に見覚えのあるビートを発見。上陸後にオーナーのきゃびさんに話を聞くと、大
阪から宇高国道フェリー経由で前日上陸したとの事。御苦労様です。
3人にて再会を喜びつつ、取り敢えず目的地の"四国自動車博物館"を目指す。
ここから翌日の解散までカプチーノが先頭を受け持つ事に。私だって初めての地
で地理なんか詳しくないのに〜。
途中、セルフGSで給油。私の地元よりレギュラーで10円近く高いのにビックリ。
ザウルスに収めた地図データを、左手で確認しつつ一行は国道55号線を東へ。
南国市・高知空港・物部川・竜馬歴史館といった目印を辿って、無事に"四国自
動車博物館"に辿り着くことに。
館内の様子は両刃さんが詳しく書いてるし、オフィシャルのHPにも記されている
ので割愛。取り敢えず私の目的は"トヨタセリカ TCターボ"のみ。
「レーシングカーの繊細流麗なフォルムに比べると、ラリーカーのそれは"野武士"
のような風格がある。特にサファリを戦うためのマシンは、敏捷かつタフでなけれ
ばならない。そう、まるでサバンナの野獣のように。」
館内に展示されてた車は紛れも無くTA64。前後ナンバープレートにドライバー・
コドライバーのタグ、ゼッケンから推測すると'86サファリ仕様車。ワルデガルド
の手により3年連続&最後のGroup.Bサファリラリー総合優勝を飾った車です。
まだこの車が活躍していた頃。日本でのWRC知名度は低く、F1も鈴鹿の開催
が実現間近という時代。そんな中で、世界一過酷とも言えるサファリラリーで日
本車が優勝したという報を新聞の片隅に見つけたのが、この車とWRCを知る
きっかけでした。
しかも優勝車が"トヨタ セリカ"と知って"サファリ=ニッサン"と思い描いていた
自身の勝手な図式も消え、本屋に行ってモータースポーツ関係の速報雑誌を
読み耽ったものです。
それ迄は"サファリ"や"モンテカルロ"等の開催は知っていても、それが選手権と
して世界各地を転戦しているなんて初めて知る事に。現在なら専門書籍やCS等
での中継にネットでの速報、果ては現地観戦ツアーなんてのもあるほどですが、
当時としては専門書籍が頼みの綱でした。(学生故の財政事情も関係しますが)
このレポを書くにあたり80年代後半の手持ち資料を漁ってみましたが、現在のW
Rカーは昔と比べて空力性能の向上が図られ流麗な車が増えましたが、昔の無
骨な車を知るモノにとっては少々寂しい気も。
例えば、Aピラー基部に立つ"ウイングライト"。現在のラリーカーはドアミラーと
一体化したプロジェクタータイプが殆どですが、この頃はまだ大型のランプが鎮座
している時代でした。
カメラ2台(EOS D60&C-2020 Zoom)は専らTA64と隣の88Cの撮影に向けら
れ、次いでDELTA S4とRALLY 037にRS200ばかり。他の貴重な名車達や単
車群は殆ど蔑ろな撮り方をしてました。
入館早々からカメラ小僧していると、好きな事とは言えさすがに疲れてきたので、
入り口を入ったところのエントランスホールにて古めの車雑誌を読んだり、ラリー
ランチアのビデオを眺めていると、物欲がふつふつと沸いてくる。
ステッカーの類は勿体なくて貼れない為に狙いはミニカーに絞る。しかし、アルフ
ァロメオは156以降のモデルばかり。155のモデルがあれば仕様に問わず欲しい
けどココではかすりもしない。
…結局は悩み抜いた上に"LANCIA 037 RALLY '84 T.d.C No.5"を購入。♪
ふと気づくと閉館時間。楽しい事ほど時の過ぎるのは速いようで、追われるよ
うに博物館を後にしますが、西日傾く駐車場で各々の車をネタにまたヨタ談議。
その後は来た道を戻り、高知駅近くのホテルサンルート高知にチェックイン。
即席観光&美味しい晩飯を求めて高知市内を歩くことになるが、観光ガイドブ
ックの類を持たずに行ったのは少々無謀だったのかも。
はりまや橋は今や大通りの一部に溶け込み、その横にいかにも観光仕立てとい
った感じの朱塗りの橋が。実際"まぁ、こんなモノだろう"と思うのが正直な感想。
近くにアーケード街があるので、食べ物屋を求めて彷徨う。どこを向いても視界に
坂本龍馬の文字を見掛けるほど。郷土では絶大なる人気なのね。他には珊瑚細
工の店も同様、頻繁に見掛けました。
…で、腹を空かした3人は地元民で賑わう"ひろめ市場"に辿り着く。飲食店を始
めとした種々雑多な店が集まって、一大飲食街を形成しているような市場でした。
その一角に陣取った後に、好みの飲食物を買ってきて先ずは乾杯!!
話が進めば酒も進み、さらには料理を取る箸も進む。なかなか満足な時間を過ご
せましたが、最後はウドンで締めようと思いつつも既にウドン屋は営業を終えて
いたのが、心残りでした。
…その後はマンガ喫茶へ。
なんでも、両刃さんがデータのバックアップを取るらしく、CD-R接続のパソコンと
格闘してましたが、私の方は特にする事も無くて近くにあった高知の観光ガイド
を読んだり、ネットサーフィンしたりとお気楽な時間を過ごしてました。
しかし、ネット検索の結果"ツール・ド・フランス"の特番を日曜深夜に放送する事
を知るも、ココは自宅より遠く離れたマンガ喫茶。とは言え、このまま諦めるのは
面白くないので実家に電話。機械オンチに操作オンチを足して割ったような父に
総ての命運を託したのでした。(後日談:しっかり録画されてました)
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