6時に目が覚めた。幸いなことに昨夜の酒は残っていない。今日は計算では一般道を300km以上走らなければならない。しかも車でも走ったことがない全く初めての道が大部分を占める。朝食を食べ、バイクのところへ行くとバイクが露で濡れている。
やはり10月も下旬なんだなと実感する。
道が分からないのでまず8号線に向かう。
8号線に入ってから北上する。しばらく走るとさざなみ街道の案内表示が見えてきた。迷うことなく昨日走ったさざなみ街道の方へ向かった。昨日の逆コースだからまた一味違う。ちょっと残念だったのは通勤時間帯だったので車が多かったことである。
木之本から8号線に戻って琵琶湖の西側の今津を目指す。途中までは昨日走ったルートである。
303号線、161号線、そして今津からふたたび303号線と走らせる。27号線と接続する上中を目指す。山間部を通る道だが走りやすい。県境を越え福井県に入ってしばらく走ると道の駅若狭熊川宿が見えてきた。ビジホを出てからちょうど1時間半。ここで休憩した。

上中から27号線に入るとやけに道路工事が多い。
小浜までの間に片側交互通行が何ヶ所もあった。平日はまず乗ることがないので
いつもと勝手が違うと感じた。小浜まで来ると海が見えてきた。小浜、大飯、高浜と先を急ぐ。途中、海の方に半島や島も見える。いい風景である。天気も良いので気分は最高。これぞツーリングの醍醐味である。高浜駅前の交差点に今日泊まる城山荘の案内板があったので安心した。
夕方戻ったきた時は迷うことなくいくことができるであろう。
高浜を過ぎて県境を越えるといよいよ舞鶴である。初めて足を踏み入れる。市街地に入ると信号が増えペースが落ちる。目指す天橋立までまだ30kmもある。ちょっと一休みしたいなあと思っていたらコンビニが見えてきたのでバイクを停めた。
ついでに城山荘に確認の電話を入れる。ちゃんと予約されていた。当たり前と言えば当たり前だけれどHPのフォーム入力から予約したので一抹の不安があったのです。
舞鶴で27号線と別れ175号線、176号線と走らせる。由良川沿いに進む。由良川河口に近づくと北近畿タンゴ鉄道の由良川橋梁が見えてきた。強い風が吹くと川(海)に落ちそうでとても恐そう。
でも鉄道ファンとして一度は鉄道で渡ってみたいと思った。
鉄道のガードをくぐり、由良を過ぎるとまた海が見えてきた。宮津の市街地を過ぎるといよいよ天橋立である。緊張してきた。
天橋立がある文殊地区に到着したのがちょうど11時。ほぼ予定通りだった。展望台の案内板が目に止まった。迷うことなくそちらに向かう。
リフトは有料だけど、ここまで来てけち臭いことは言っていられない。850円払ってリフトに飛び乗った。そして展望台から天橋立を見下ろした。感動の一瞬である。そして日本三景の全てを制覇した瞬間でもあった。
そのために遠路沼津からやってきたのだ。
「別に大したことないよ」、天橋立へ行くと話したらそう言った人がいた。でも来てよかった。
ちょうど1人旅の会社員風の人がいたのでお互いに写真を撮りあった。ラッキーであった。下りのリフトで天橋立を目に焼き付けてきた。
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さて天橋立にはもうひとつ目的がある。温泉に入るのである。天橋立に温泉?と思うかもしれないが実は隠れた名湯らしい。事前に日帰り入浴できる宿を調べてあったが場所がよく分からない。 お土産街をうろうろしていると「千歳」の看板が見えた。800円払って、宿の人の案内でお風呂場へ向かう。 期待にたがわぬいい温泉だった(温泉レポート参照)。

温泉で一息入れて本日のもう1つの目的地丹後半島へ向け出発した。阿蘇海をなぞるように進む。天橋立の北端まで結構時間がかかった。歩いた方がはるかに早そう。
そこを過ぎると町並みがなくなり急に寂しくなった。ちょうどガソリンスタンドが見えてきたので給油する。峠道でガス欠してはかなわない。
そして田舎道を快調に走る。伊根の町に入って道が急に狭くなった。スピードを落として慎重に走る。伊根は舟屋で有名である。以前NHKの朝の連続ドラマ「ええにょぼ」の舞台となったところである。
テレビで見てからいつかは現物を見たいと思っていた。一応見ることができたので満足である。

さていよいよ経ヶ岬へ向かう。道がいちだんと狭くなる。見通しが悪い箇所もあるので慎重に走る。海が見えるようになってからも同じような道が続く。これくらいの道なら伊豆にもあるのでびびることもないのだが知らない土地ではやはり恐い。天橋立を出てから1時間少し、やっと経ヶ岬の入口が見えてきた。 駐車場に着いたが岬(灯台)へは15分ほど歩いていかなければならない。とてもそんな時間はない。何枚か写真を撮って早々に出発した。

経ヶ岬に到達したので今日の予定はほぼ終了である。丹後半島はまだ半周といったところである。時間的に一周して久美浜まで行くのは無理である。しばらく海沿いに走ってから半島を縦断する482号線に入った。
途中、天橋立がよく見えるらしい大内峠に寄り道しようと思っていたがいつのまにか入口を通り過ぎていた。
また温泉もいくつかあったのだがもう入る時間はなかった。高浜は遠い。
せめて舞鶴に宿を取っておけばもう少しゆっくりできただろうと思う。
どれくらいゆとりがなかったかというと実は昼飯を食べていない。天橋立をバイパスする宮津トンネルを過ぎてから朝来た道をそのまま戻ることになる。宮津を過ぎた頃には空腹で元気がでなくなった。コンビニが見えてきたので休憩する。
岬を出てから約1時間、時計の針は3時をまわっていた。スパゲッティと牛乳で遅い昼食を摂った。
今日泊まる城山荘まであと約50km。明るいうちには到着できそうである。
気合いを入れ直して出発した。舞鶴でふたたび27号線に戻ってきた。舞鶴にもいろいろと見所があるようだが今回はただ通過するだけになってしまった。高浜町に入って駅前に近づくと城山荘の案内が見えてきた。
途中途中にも案内板があったので迷うことなく宿に着くことができた(実は嘘)。部屋に入ってぐったり。一般道だけで1日330kmはさすがにきつい。
日本シリーズ第5戦でヤクルトが優勝を決めたのを見届けてから早々に床についた(実は隠れヤクルトファンです)。


