Bob Dylan


DISCOGRAPHY Part 03 (1979 - 1989)



25

BOB DYLAN AT BUDOKAN

1979

★★

 ライブ第3作.'70年代後半に3作ものライブ・アルバムをリリースした Dylan 先生ですが,だんだん出来が悪くなっていったのはど〜ゆ〜理由だったのか? はっきり言ってこのアルバムに収録されている曲の半数以上がミョ〜なアレンジで,オリジナルの持ち味を台無しにしているよ〜な気がしたのは,私だけじゃないと思うんですが... この後, Dylan 先生は宗教地獄にはまりこみ悪夢の '80年代を迎えるわけですが,この時から悪〜い予感はしていたのでした.

26

SLOW TRAIN COMING

1979

★★★

 さて....問題の『キリスト教改宗3部作』がここからはじまる訳ですが,多くのファンを失望させたというこのアルバムに収録されている歌詞の問題に関してはよくわからんのですが,この曲でグラミー賞最優秀男性ロック歌手に選ばれたという "Gotta Serve Somebody" を TV で観たときに,言い様のない違和感を感じてしまったわけです.「これが Dylan ?」みたいな.実はこの曲に関してはサウンド面に関しては,すごく良く出来ていると感じていただけに,残念だった記憶があります.

27

SAVED

1980

★★

 で,このアルバムになるともうダメで,ジャケット見ただけで気持ち悪くなってしまったのです,実はでらちゃん,中学高校と6年制の私立男子校でへんなカトリック教育みたいなのを受けたおかげで,以来ものすごい宗教アレルギーに罹っていたもんで,この時期こういうモノは一切受け付けなかったのでした.そんなでらちゃんも21世紀になってから,病気と障害の治療を通じて信仰に目覚め,2014年にカトリックの洗礼を受けたのですが,この時期は全くダメでした.

28

Shot of Love

1981

★★

 というわけで悪夢の『キリスト教改宗3部作』最後の作品ですが,実際のところこの3枚のアルバムに関しては,一応入手したものの,ほとんど繰り返して聴く事はありませんでした.この時期でらちゃんは大学生だったのですが,酒びたりで,もっとも信仰とは遠い生活していたもんで,ごめんなさい.

29

INFIDELS

1983

★★

 『キリスト教改宗3部作』のあとは何と『異教徒』,一説によるとこの頃 Dylan 先生は再度ユダヤ教に戻ったとも言われてますが,いずれにせよ宗教地獄から抜け出せないでいたらしいです.でらちゃんは若い頃(やだねこの言い方)宗教と政治とスポーツには関わりを持たないように生きていたのですが,それはこの3つがでらちゃんが一番大切にしていた『音楽』と相容れないモノであるような気がしていたからなのでした.というわけで,この時期の Dylan 先生の『音楽』は肯定できませんでした.

30

Real Live

1984

★★

 "Before the Flood"(18), "Hard Rain"(22), "Bob Dylan at Budokan"(25)に続いてリリースされた5年ぶり,4作目のライヴ・アルバム.前回同様今回もアレンジに難があるような感じで,あまり好きになれない作品です,




31

ENPIRE BURLESQUE

1985

★★

 Dylan 先生初の単独プロデュースによる,前作 "Infidels" の路線を踏襲した作品らしいですが,レコーディング・セッションが3回に分けられて行われたという事もあって,全体として散漫な印象を与えられる作品に仕上がってます.曲調もなんかホンワカした感じのモノが多く,かつてのプロテスト・フォークの面影は一切感じられず,「これが Dylan?」という違和感を十分感じさせる仕上がりです.

32

biograph

1985

-

 全53曲中21曲が未発表曲および未発表バージョンという, LP 5枚組の決定的アンソロジー Box Set.なのですが,でらちゃんとしては,その他の曲の選曲に納得がいかないのです.これだったら, LP 3枚組で日本独自編集の "MASTERPIECES"(23)の方が内容的によっぽど充実してたと思います.

33

KNOCKED OUT LOADED

1986

★★★

 レコード・コレクターズ増刊の『ボブ・ディラン・ディスク・ガイド』に「意味不明なジャケは本作の内容を象徴しているように思う.」とありますが,この批評は的を得ていると思いました.宗教地獄のあとの迷走時代を象徴する作品だと思います.ただ個人的には「意味不明のジャケ」を含めて,前作よりは好きな作品です.

34

ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK
HEARTS OF FIRE

1987

-

 Bob Dylan 初主演映画のサウンドトラックで,サウンドトラック・アルバムとしては1973年の "Pat Garret & Billy The Kid" (14)以来の2作目ですが,今回は前回と違って Dylan 氏のリーダー・アルバムという形は取っておらず,全10曲の収録曲中, Dylan 氏自身が歌っているのは3曲だけで,あとは Fiona さんが5曲, Rupert Everett さんが2曲という内訳になっております.また,バックに Eric Clapton さんや Ron Wood さん等が参加しておりますです.

35

Down In The Groove

1988

★★★

 レコード・コレクターズ増刊の『ボブ・ディラン・ディスク・ガイド』によれば,「過去2作のようなイビツさはない.傑作とは言い難いけれど,この時期の救いとなった1枚」ということで,要するにとらえどころのない凡作ということであると思うのですが,徐々に軌道修正を計っている感じはあります.でも,地味なジャケットとも相まって,印象の薄い作品ではあります.

36

DYLAN & THE DEAD

1989

★★★

 Dylan 先生5作目のライヴ。アルバムは何と Grateful Dead との共演盤. '60年代の夢よもう1度という訳でもないのでしょうが,何故この時期に....?というのが,正直な疑問であり感想でしたが,流石に演奏のレベルは高いし,内容的にも結構まとまっている作品だと思います.