Emerson, Lake & Palmer


DISCOGRAPHY Part 01 (1967 - 1970)



Keith Emerson - The Nice

1

THE THOUGHTS OF EMERLIST DAVJACK

1967

★★★

 日本リリース時のタイトル『ナイスの思想』.オリジナル・メンバー4人による唯一の公式アルバムとなってしまった作品ですが,クラシック・ジャズとロックの融合を標榜していた Keith Emerson 氏と,他の3人との音楽性がはっきりくい違ってしまっている感じで,2曲のインストゥルメンタル "Rondo" ・ "War and Peace" と他のブリティッシュ・ビートもしくはサイケデリック調の楽曲とのアンバランスがそこはかとなく気になってしまう作品ではあります.

2

Ars Longa Vita Brevis

1968

★★★

 日本リリース時のタイトル『少年老易学難成』.ドラッグ問題で David O'List 氏が脱退してしまったため,トリオとなっての第2作目.実は後任ギタリストとして Steve Howe 氏が内定していたらしいですが,結局実現しませんでした. Keith Emerson + Steve Howe とゆ〜組合せも非常に興味深いと思うのですが,もしそれが実現していたら,多分その後の EL&P 結成や Yes の成功もなかっただろうと思われるので,実現しなくて正解だったかなとも思えます.作品は,アナログA面が前作の流れを汲む小曲3曲とシベリウスの「カレリア組曲」からの抜粋(再発盤にはこの他にシングル曲 "America" 他全3曲を追加収録),B面が組曲 "Ars Longa Vita Brevis" という構成で,後の EL&P につながる『クラシックとの融合』の実験的な試みがなされており,かなり Emerson 氏のワンマン的な色彩が濃くなってきております.

3

NICE

1969

★★★

 日本リリース時のタイトル『(ジャズ+クラシック)÷ロック=ナイス』.アナログA面がスタジオ録音4曲,B面がライブ2曲の構成で,オーケストラとの共演を行った前作とは違って,トリオとしての演奏に重点をおいたジャズ的色彩の強い作品だと言われております.
個人的にはやはり "Rondo '69" の Keith 氏のプレイが最高に好きです.

4

FIVE BRIDGES

1970

★★★★

 アナログA面は1969年10月17日のクロイドン・フェアフィールド・ホールにおける実況録音,B面が3曲がニューヨーク・フィルモア・イーストでの実況録音,ラスト1曲のみがスタジオ録音という構成で,ジョセフ・エガー指揮シンフォニア・オヴ・ロンドンとの共演盤という形をとっています.思うにやはりクラシックとロックの融合ということでは Keith Emerson 氏の右に出る者はいないというのが,正直な感想ではあります.この時期同じようなアプローチを試みていた人に Deep Purple の Jon Lord という方がおりましたが,はっきり言ってこちらは少々退屈でした(Jon Lord 氏については Deep Purple のページをご参照くださいな).

5

ELEGY

(1971)

★★★★

 解散後の'71年になってからリリースされたスタジオ録音2曲+ライヴ2曲(ニューヨーク・フィルモア・イースト)の構成によるラスト・アルバム.個人的には,サード・アルバムの "Rondo '69" とこのアルバムの "America" が私にとってのベスト・テイクです.また,前作とこの作品の2作においては完全に Keith Emerson あっての The Nice といった感じ(但し他のメンバーの演奏も驚異的に進歩している)で,EL&P 結成前夜の Keith Emerson 氏の音楽性の確立といった意味で,重要な作品だと思います.あちらこちらに後の EL&P 作品で聴くことのできるフレーズが聴けるのも楽しいです.

6

all about the NICE featuring KEITH EMERSON

(1972)

-

 実は Della ちゃんが一生懸命レコ集めてた1970年代,すでに 60年代末に名前を残していたバンドの作品って,やたらと編集盤が出回っていたというか,オリジナル盤以上に多数のベスト・アルバムが存在していました.特にそれが顕著だったのが,いわゆる3大ギタリストを擁する The Yardbirds と Keith Emerson さんの The Nice だったのですが,そんな中の1枚です.

7

8

AUTUMON TO SPRING
AUTUMN '67-SPRING '68

(1972)

-

 解散後の'72年にカリスマ・レーベルから発売されたコンピレーション.収録された全9曲の内訳は,当時入手困難だったファースト・アルバムから2曲のインストゥルメンタル "Rondo" ・ "War and Peace" を除いた6曲と,シングル曲の "America" ・ "Diamond Hard Blue Apples of the Moon" ,セカンド収録曲 "Daddy Where Did I Come From" で,アナログ時代に出回っていた "Autumn to Spring" (7,オリジナル・メンバーの4人による '68年秋から '69年春にかけての録音とジャケットには記されております) がオリジナルだと思っていたのですが,実はオリジナル・ジャケットは(8)で21世紀になってめでたく CD リリースされました.




Greg Lake - King Crimson

9

IN THE COURT OF THE CRIMSON KING

1969

★★★★★

 「あの Beatles の "Abbey Road" をど〜たらこ〜たら」でモノすごい名盤扱いされていましたが,実際そんな売りは必要ないほどの名盤.記録よりも内容そのものが比較の対象にならんと思うのですが... それに,どっかにも書いたと思うけど,私, "Abbey Road" ってそれほどの名盤だとは思ってないもんで... それはともかくとして, Progressive Rock はもちろん Rock 全体においても,かなりの名盤であることは確かです.この第1期においてはまだ Fripp 先生の構成力といったものは発揮されていなかったらしくて,このアルバムの構成にしてもほとんど Ian McDonald 先生の力によるところが大きかったらしいです(ちなみに, Fripp 先生が完全にイニシアティヴをとるようになったのは,第2期 "Lark's Tongue in Aspic" 以降かららしいです).しかしながら,ここで私見を述べさせてもらうならば,確かに McDonald 先生の構成力はすごいと思いますが,この作品において何と言っても凄いと思うのは, Michael Giles 先生のドラミングと Greg Lake 先生のベースとヴォーカルだと思うのです.

10

IN THE WAKE OF POSEIDON

1970

★★★

 『二番煎じ』の代表格みたいに言われているアルバムで,前作でイニシアティヴを取っていた Ian McDonald 先生が脱退,また, Michael Giles 先生 と Greg Lake 先生もそれぞれ McDonald & Giles ・ EL&P への参加が決まっていたという状況の中, Fripp 先生が McDonald 先生の残した遺産をまとめあげてでっち上げた感の強いセカンド・アルバム. Lake 先生はヴォーカルのみで,ベースは Peter Giles 先生が一時的に復帰して担当しております.ホント,アナログA面の2〜4曲目なんか前作の完全な焼き直しみたいな曲が並んでるし... でも,ありえないことですが,もしこのアルバムが先にリリースされていたら,どう評価されていたんでしょう?


Carl Palmer - Atmic Rooster

11

ATMIC ROOSTER

1970

★★★

 Keith Emerson 氏の The Nice や後の EL&P 同様, Keyboard 中心のトリオ編成によるバンドのデビュー作.但しこの後すぐに Carl Palmer 氏は引き抜かれて EL&P に参加することになるのでした.