Emerson, Lake & Palmer


DISCOGRAPHY Part 01 (1970 - 1980)



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EMERSON LAKE & PALMER

1970

★★★★

 Keith Emerson 氏が The Nice を解散した直後の1970年4月に録音され,同年11月に発売されたファースト・アルバム. The Nice の延長線上で Emerson 氏が『クラシック・ジャズとロックとの融合』をアプローチしている "The Barbarian" ・ "Take a Pebble" もさることながら,特筆すべきは Lake 氏の叙情性で,初期の重要なレパートリーである "Take a Pebble" ・ "Knife Edge" ・ "Lucky Man" 等の作品にそれは特に発揮されています.個人的には "Lucky Man" ,初めて耳にしたムーグ・シンセサイザーのソロの印象が強烈でした.

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TARKUS

1971

★★★★

 アナログA面の組曲 "Tarkus" ,個人的には EL&P の全作品中のベストで,素晴らしい構成を持った組曲で,3人のメンバーのプレイにおける技術も個性も最も大きく発揮されていると思います.が,B面がわりと地味めというかどっちかとゆ〜とつまんないので,アルバムとしての評価は落ちてしまうのです.

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PICTURES AT AN EXHIBITION

1971

★★★★

 EL&P の世界的評価を決定的にしたライブ・アルバムですが,収録されたのは1971年3月21日ニューキャッスル・シティーホールで,前作 "Tarkus" の前になるみたいです. The Nice 以来 Emerson 氏が追求してきた『クラシックとロックとの融合』の一応の成果ともいえる作品で,ムソルグスキーの楽曲を完全に消化・発展させているとゆ〜ことで評価の高い作品ですが,個人的には,他の初期作品(ファーストから "Brain Salad Surgery" までの4枚)の方が好きではありますが...

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MAR Y SOL

1972

★★★

 1972年4月1〜3日にプエルトリコ島で行われたインターナショナル・ポップ・フェスティバル MAR Y SOL の実況録音盤.参加アーティストは Allman Brothers Band ・ J. Giles Band ・ B. B. King ・ Cactus ・ Mahabishnu Orchestra ・ Dr. John ・ etc で,アナログでは2枚組で発売. EL&P の "Take a Pebble 〜 Lucky Man" はC面2曲目に収録されており,ほぼ完璧にスタジオ録音と同じ演奏が行われています(個人的には "Ladies and Gentleman に収録されているのよりも,こちらのテイクの方が好きです).ただ,後に Emerson 氏自信が語ったところによると,プエルトリコの気候のせいで,ムーグ・シンセサイザー狂いまくりだったらしいいですが...

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Trilogy

1972

★★★★

 このアルバムに収録されている "Hoedown" と "From the Beginning" が,個人的には Emerson 氏と Lake 氏それぞれのベスト・テイクだと思っていたりするのですが,少々アルバムとしてのまとまりに欠けるような印象を与えられるのが残念です.

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BRAIN SALAD SURGERY

1973

★★★★★

 というわけで,ファーストから前作までの4枚はどれもそれぞれすばらしい内容を持っているのですが,アルバム全体として見た場合,いまひとつ決定的なモノに欠けていたよ〜な気がしていました.このアルバムこそ,そんな不満を解消してくれた作品で,彼等の最高傑作だと思います.たったひとつ残念なのが, "Karn Evil #9" の "1st Impression" が Part 1 と Part 2 に分けられてしまっていたことで,その不満は次のライヴ・アルバム "Ladies and Gentleman" でやっと解消されたのでした.




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Welcome back, my friends, to the show that never ends - Ladies and Gentlemen

1974

★★★★★

 最強のアナログ3枚組ライヴ・アルバム.このアルバムが発売されたとき,必死になって(別に必死になる必要などないわけですが)タイトル覚えました.他には Tyranosaurus Rex の "My People Were Fair and Had Sky in Their Hair... But Now They're Content to Wear Stars on Their Brows" とか David Bowie の "The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars" とかね... それはともかくとして,このライヴ・アルバム,プログレッシヴ・ロックのライヴとしては最高の作品だと思います.プログレの3枚組ライヴとしては,あと Yes の "Yessongs" が有名ですが,内容的にこちらの方がまとまっている感じがして,私は好きです.超オススメはアナログE・F面を使いきった彼等の最高の楽曲 "Karn Evil #9" ,最初に聴いたとき,鳥肌が立つほど凄いと思いました.

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WORKS Volume 1

1977

★★★

 スタジオ・アルバムとしては4年ぶりの新作.初期 EL&P の集大成ともいうべきライヴ・アルバム "Ladies & Gentleman" が非常に素晴らしい出来だった(と私は思うよ)ので,この作品の登場を一日千秋の思いで待ちわびていたのですが,その内容はアナログ2枚組のA〜C面が Emerson ・ Lake ・ Palmer の各メンバーのソロ,D面のみが EL&P による新作という変則的な作品でした.各メンバーのソロについては,個人的には Greg Lake 氏のサイドが最も好みではありました.Keith Emerson 氏のサイドに関しては,やりたいことは解るのですが,はっきり言ってここまでやられると少々しんどい...というのが率直な感想でした.最も重要な EL&P としてのD面については,出来は悪くはないのですが,初期の5枚ほどの衝撃は感じられず,少々残念な気がしました.

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WORKS Volume 2

1977

★★★

 前作の続編としての位置付けにある作品ですが,内容的には Greg Lake 氏によるシングル曲や, Keith Emerson 氏の Scott Joplin 作のピアノ・ラグ等,ソロ作品の小品を集めた作品です.それぞれの作品は結構好きで,わりによく聴くアルバムではありますが,スーパー・グループ EL&P の作品としてとらえた場合,初期の作品と比較の対象になるものではないというのが,実際のところ... でも EL&P 以外のグループでは作りえない作品であったことも事実だと思います.

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LOVE BEACH

1978

★★

 "Works Vol.1 & 2" については,メンバーのソロ・ワークがその中枢をなしていたため,個人的には結構好きなのですが,初期の作品群と比較すること自体無意味で,私自身の興味は次作である本作に対して注がれていたところ,はじめて聴いた印象は「残念でした」... ま,この時期,グループとしての EL&P は実質上終焉を迎えていたわけで,結局,この後ライブ・アルバム1枚を残して解散してしまったわけですが,もはやあまり残念でもなかったです.

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EMERSON LAKE & PALMER IN CONCERT

1979

★★

 事実上活動を停止してしまった EL&P が解散直前に出した1977年8月22日のカナダ・モントリオール・オリンピック・スタジアムにおける収録のライブ・アルバム.当時 "Ladies & Gentleman" 発表後,グループ自体としてはそれほどの作品を残していなかったため,「何でいまさら...」と思ったわけですが,契約処理のためだったのか? 実際に,このグループのライブ・アルバムをアナログ1枚で出すことに意味があったとは思えず,後に未収録分を合わせて再結成後の1993年に "Works Live" として2枚組 CD で発売しなおされています. "Pictures at an Exhibition" は2度目の収録ですが,これに関してもあまり感心できない出来で,出す必要は全くなかったような気がします.

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THE BEST OF EMERSON LAKE & PALMER

1980

-

 1978年の "Love Beach" 以来ほぼ実質的に活動を停止し, '80年2月に正式に解散を発表した翌3月に発表された最初で最後(になるはずだった)ベスト・アルバム.はっきり言って10枚にわたるプログレッシヴ・ロック・グループの作品をアナログ1枚にまとめるとゆ〜のは,どう考えても無謀な話であって,一体ど〜ゆ〜つもりだったんだかよくわからん作品.でも,海外では浮世絵風のジャケットのせいで人気の高いアルバムらしいです.