外 道


DISCOGRAPHY Part 1 (1974 - 1998)



1

外道

1974

★★★★★

 プロデュースはミッキー・カーティス.この時期,サディスティック・ミカ・バンド,サンハウス,クリエイション,カルメン・マキ& OZ ,四人囃子,村八分といったバンドの台頭でにわかに脚光を浴びて来た日本のロック・シーンでしたが,そんな中でもこの外道のデビュー・アルバム,しかもライヴ・アルバムは,一種独特の輝きを放っていたと言えます.はっきり言って演奏は荒削りだし,悪く言えば音楽性のかけらも感じられない(後に,解散事由として『音楽性の相違により』とあったのには爆笑してしまいました)超ストレートなハード・ロック(当時,『日本の GFR 』みたいな評価をしていた記事もありましたね)なんですが,そのシンプルかつヘヴィな内容は,そのパワーという点で他の追随を許さないものだったと思います.またジャケットからはわかりませんが,そのグラマラスなステージングは,かなりの評判でもありました.表記されてはいませんが,多分1974年8月の横浜野外音楽堂におけるロック・フェスティバルでの演奏を収録されたものらしいです.このアルバムからは,名曲『ビュンビュン』がシングル・カットされましたが,ヘンなホーン・セクションが入っていて,そのイモっぽさがまた笑えました.他に,『香り』・『外道』・『逃げるな』・『腐った命』など,シンプルなメッセージ色の強い作品が多数収録されている,彼等の代表作にして傑作アルバムだと思います.

2

Live in Sounds of Hawaii Studios

1975

★★★

 前作に続きプロデュースはミッキー・カーティス.1975年1月にハワイで行われた『サンシャイン・フェスティバル』に出演した外道が,その打ち上げパーティーで演奏した模様を収録した,またしてもライヴ・アルバム.但し,録音状態が悪く,また第1作目と比較して,収録曲・演奏共にテンションが低く,あまりオススメできない内容となってしまっているのが残念です.

3

Just Gedo

1975

★★★

 オリジナル外道が残した唯一のスタジオ・アルバムですが,皮肉にもこのバンドがあくまで優れたライヴ・バンドであった事を立証してしまっている作品と言えます.内容的には,ヴァラエティに富んだ曲作りに(果敢にも)挑戦している態度が認められて微笑ましくはあるのですが,正直言って,『凡庸』の一言に尽きるのです.そう言えば,このアルバムと前後してリリースされたシングル『ハイビスカス・レディ』は,当時ラジオでやたらと宣伝されていた記憶があるのですが,「え〜っ! これが外道?」と驚くと共に,あまりのイモっぽさに笑わせていただきました.別にイモっぽさを避難しているのではないです.いつの時代もイモっぽさを兼ね備えた ROCK こそが,最もカッコいいのですから.... でも,この作品,はっきり言って評価するのは難しいです.

4

拾得 LIVE

1975

★★★★

 またしてもライヴ・アルバムですが,ファースト・アルバムに次ぐテンションもった作品です.伏字だらけの MC や,「声が小さい!」・「外道に向って礼!」なんてセリフが,外道のステージの楽しさを伝えてくれますしね.私自身は出かけるの嫌いだから行きませんでしたが,この頃のステージを見に行った友人の報告によると,何とメンバーがステージにホーキに乗って現れたとか.... しかしながら,3枚もアルバムをリリースしたこの年の翌年,外道は惜しまれながら解散してしまうのでした.『音楽性の相違によって』(爆),しつこい?

5

エレクトリック・ウズ/加納 秀人 (外道)
ELECTRIC UZU / HIDETO KANO 3rd

1980

★★★

 1976年の外道解散後,ソロで活動を続けていた可能秀人氏の 3rd Album にオリジナル・メンバーが終結.翌年の再結成につながりました.

6

POWER CUT

1981

★★★

 『音楽性の相違によって』惜しまれつつも解散してしまった外道でしたが,前年の加納氏のアルバムにメンバーが参加したのをきっかけに再結成し,『Just Gedo』(3)に続く2作目のスタジオ・アルバムである本作をリリースしました.しかし,このアルバムは復活第1作であるとともに,オリジナル・メンバーによる最終作となってしまいました.何とこのアルバム収録後,ベースの青木正行氏が謎の失踪を遂げてしまったのです.多分加納氏との間に何らかの確執があったためとも言われてますが,実のところは不明です.さてこのアルバムですが,実は私,解散後の外道に全くと言っていいほど関心を払ってませんでしたもので,21世紀に入って各種の旧音源が発掘され始めた頃になって,初めて聴きました.というわけで,あまりコメントできる事はありませんです.失礼!




7

Mooning

1982

★★★

 失踪してしまった Bass の青木正行氏に替り, Rod "B" Super 氏が加わっての通算第6作.正直言って,外道のアルバムの中でも地味な印象を与えられる作品で,あんまり感銘を受けませんでした.

8

外道ライヴ〜未発表・解散コンサート1976・10・16

1991

★★★★

 1991年,再々結成直前に,何故かリリースされたオリジナル『外道』の2枚組未発表ライヴ集. Disc-1 は1976年10月16日に日比谷野音で行われたラスト・ライヴ, Disc-2 は全盛期の1974〜75年のライヴを収録.クレジットを見ると,作者が『外道』名義のものと,『加納秀人』名義のものとに大きく分れていますが,これは『外道』が加納秀人さんのバンドであった事を示しているというよりも,メンバーが一体となっていた前期の外道から,加納さん中心の度重なる再編成『Gedo』へ繋がる後期の外道へと,バンドが変質していった事を物語っているような気がいたします.結論としてはやはり初期の曲の方が出来が良い,というより面白いというような感じですね....

9

One, Two/Gedo

1991

★★

 加納秀人(G)・そうる透(Ds)・関谷聡(Kbd)のメンバーで,『Gedo』として再結成された外道のスタジオ録音盤.このへん判断するのが非常に難しいのですが,『外道』というバンド,はたして加納氏のワンマン・バンドだったのか? この『Gedo』に関しては,そう認識してしまっておりますが...

10

DIE FOR YOU/加納秀人 with 外道

1993

★★

 で,今度はバンド名を『加納秀人 with 外道』と改名しての復活第2作.バンド名からも解るとおり,さらに『外道』というバンドは形骸化してしまったかのような印象を受けます.

11

疾風伝説 特攻の拓〜野生の天使たち
/加納秀人 with 外道

1995

★★

 『週刊少年マガジン』に連載されていたコミックの『加納秀人 with 外道』によるサウンドトラックらしいですが,私自身,'80・'90年代の『外道』には全く関心がなかったモノで,この作品がそういう経緯で創られたモノなのか全く知りませんし,原作も読んでません.また,この時期の一連のアルバムについても,21世紀に入って始めて入手して聴いたばかりです.というわけで,詳しいコメントは控えさせていただきます.

12

外道 SINGLES(1973-1975)

1998

-

 外道が最初の(!)解散までに残した4枚のシングルの計8曲を収録.2枚目のシングル『ビュンビュン』は,ファースト・アルバムを聴いて,アルバムを買う前に何となく買ってみたところ,アルバムにはない妙なホーン・セクションがかぶせてあって,ヘンにイモっぽくて笑えましたが,それもまた良かったのです.その頃高校生だった私は,この曲を口ずさんでは友人と夜遊びしてました.もちろんバイクで... 3枚目のシングル『ハイビスカス・レディ』については,『Just Gedo』(3)の項をご参照くださいな.