Fleetwood Mac


DISCOGRAPHY Part 1 (1968 - 1971)



1

FLEETWOOD MAC
(PETER GREEN'S FLEETWOOD MAC)

1968

★★★★★

 イギリス Blue Holizon ・アメリカ Epic レーベルからリリースされた彼等のデビュー作. 個人的には,初期のブルース臭あふれる作品群の中でもこのアルバムがベストなのです.何と言っても Peter Green ・ Jeremy Spencer という2人のギタリストのプレイが最高に気に入ってます.実は私, Blues ってどうも苦手で,未だにもう一つ聴き込む気になれないんですが,このアルバムは文句なくカッコいい,スムーズに聴き込む事ができました.このアルバムに関してはどの曲も良いんですが,特に好きなのが,トップの "My Heart Beat Like a Hammer" ,よくあるフレーズですが,イントロのギターがとにかくカッコいいです.これってやっぱり Rock っしょ? あと,Elmore James 作の "Shake Your Money Maker" ,このアレンジは後に宇崎竜童さんが『スモーキング・ブギ』でパクってました.

2

Mr. Wonderful

1968

★★★★

 イギリス Blue Holizon からリリースされた2作目.日本では CBS SONY から,1作目としてリリースされたアメリカ向けコンピレーションの "English Rose" に続く2作目としてリリースされましたが,内容はオリジナルの "Peter Green's Fleetwood Mac" と "Mr. Wonderful" 収録曲から "English Rose" と重複しないようセレクトされた,やはり一種のコンピレーションだったらしいです.ちなみに私,1970年代にこの日本盤 "Mr. Wonderful" を必死になって捜したのですが,一度もお目にかかった事がありませんでした.多分モノすごく短期間で廃盤になってしまったため,あまり出回らなかったんでしょうね? オリジナルの "Mr. Wonderful" は CD 時代に入って,日本でもめでたくリリースされましたが,内容的には前作同様2人のギタリストのプレイが堪能できる,良質の Blues Rock アルバムだったと思います.

3

English Rose

1969

-

 アメリカ Epic からリリースされた2作目.これって日本では初期 Mac の代表作みたいに扱われていたアルバムですが,実は "Block Magic Woman" ・ "Albatrose" を中心としたシングル曲と,残りの曲をアルバム "Mr. Wonderful" からセレクトした,アメリカ向けのコンピレーションとしてリリースされたものだったらしいです.でも,日本ではこのアルバムが CBS SONY から最初にリリースされた事もあって,この頃の文献なんかを見ると, "Peter Green's Fleetwood Mac" ・ "Mr. Wonderful" に続くサード・アルバムとしているモノもあったりして,混乱します.個人的には,実はあまりヒットしなかったという "Black Magic Woman" については,ヒットした Santana によるモノよりも好きではありますが,ビッグ・ヒットとなったという "Albatrose" については,「それほどのモンかね....?」というのが正直な感想.やはり私にとっての初期 Mac は,これらのシングル曲よりも,1・2作目のアルバムに収録されていたギター中心の作品群に尽きるのです.

4

The Pious Bird of Good Omen

1969

-

 イギリス Blue Holizon からリリースされた3枚目のアルバム,という事になるらしいですが,実のところシングル曲を中心に, "Peter Green's Fleetwood Mac" ・ "Mr. Wonderful" からの曲を収録した,イギリス版 "English Rose" ともいうべきコンピレーションだったらしいです. The Beatles や The Rolling Stones の例にも顕著なように,この頃までのアルバムって各国で違ったモノが勝手にリリースされている上,一部の作品では同じジャケットやタイトルを使用しているので始末が悪く,日本では "English Rose" ・ "Mr. Wonderful" ・ "The Pious Bird of Good Omen" の順で CBS SONY からリリースされたらしいですが,そのいずれもが原盤とは違った選曲・内容だったらしいです.やっと CD 時代になってこの初期の4作品が オリジナルの形でリリースされましたが,やはり内容的に,後の2枚はコンピレーションだったと言えるのではナイかな? ちなみにこの時期に, Peter Green ・ Geremy Spencer に続く第3のギタリストとして Danny Kirwan さんがバンドに参加しています.

5

BLUES JAM AT CHESS CHICAGO Vol.1

1969

★★

 シカゴの Chess Studio で, Otid Spann ・ Willie Dixon ・ Shakey Horton ・ J. T, Brown ・ Guitar Buddy ・ Honey Boy Edwards ・ S. P. Leary といった本場のブルーズメンと行ったセッションを収録したアルバムで,イギリスでは2枚組 LP,アメリカ・日本では Vol. 1・2 の2枚別々にリリースされたらしいです.ブルース苦手な私といたしましては,こう本格的(なんでしょね?)なブルースやられちゃうと,ちょっと引いてしまうのです.あと,これは Johnny Winter さんの "Nothin' But the Blues" 聴いた時にも感じたのですが,白人の Blues を標榜していた Musician が黒人の Blues Musician と共演すると,相手を意識し過ぎるのか,あるいは畏縮してしまうのか,自分達のやってた音楽よりも何となく小さくまとまってしまうような印象を受けてしまうのですが,気のせいですかぁ?

6

BLUES JAM AT CHESS CHICAGO Vol.2

1969

★★

 同上.




7

THEN PLAY ON

1969

★★★★

 というわけで, Reprise 移籍後にリリースされたこの作品が正しい 3rd Album となりますが, Green ・ Spencer ・ Kirwan のトリプル・ギター編成によって作られた唯一のアルバムでもあります.また,この後 Peter Green さんが脱退してしまったため,最後の Blues Album でもあるのです.苦手な Blues ですが,このアルバムのはわりと聴きやすいのです.

8

KILN HOUSE

1970

★★★

 LSD 濫用による精神疾患発症のため,突如としてグループを離れてしまった Peter Green さんに代わって, Jeremy Spencer さんがリーダーシップを発揮して作られたアルバムで,これまでの Blues 一辺倒の作風から,かなりポップな感じのサウンドを聴かせてくれる作品ですが,この後 Spencer さんもドラッグによって精神を病んでしまい,さらには新興宗教にはまって脱退してしまいました.この時期,こういうミュージシャン多かったのですが,これでこそ ROCK の時代だったといえるのでは? このアルバムで初めて Christine McVie さんがバッキング・ヴォーカルとカバー・デザインで参加,次作から正規メンバーとなりました.

9

Future Games

1971

★★★

 ベースの John McVie さんの奥方で,元 Chicken Shack の Christine McVie さんをキーボード&ヴォーカルに迎え,さらに Jeremy Spencer さん脱退後のオーディションにより,アメリカ人のギタリスト Bob Welch さんが加入.さらにブルース色が薄れ,フォーク色の強くなった作品ですが,まだこの頃のリーダーシップは Danny Kirwan さんが取っていたらしいです.

10

BLACK MAGIC WOMAN

1971

-

 アメリカ Epic からリリースされた, "Peter Green's Fleetwood Mac" と "English Rose" のカップリング 2LP.実は,これが初めて入手した Mac のレコードなので,ジャケット・内容共に非常に気にいっているのです.

11

THE ORIGINAL FLEETWOOD MAC

1971

-

 イギリス Blue Horizon からリリースされた,ジャケットに "All Tracks Previously Un-Issued" と明記されている初期音源集.

12

Greatest Hits

1971

-

 アメリカ CBS からリリースされた初期コンピレーション.全12曲収録.