お遊び新聞
THE OASOBI SINBUN
登山装備の紹介


  今はメル友としてお付き合いしているK.T君とのメール中で、山で出会う中高年登山者の立派な、そして、パーカー・スティック・スパッツといった特徴有る装備・服装について話題に上がったり、昔の山の様子や装備などの話もでる。
                                 
  2002年秋の山仲間との山歩でも古くから山に親しんでいたと思われるH.Tさんとも歩きながら当時の装備のことなどが話題となった。
                             
  私たちの山歩きでは高価な装備はそれほど必要としないし、持っている装備の数も多くはないのだが、こんなものを使っているor使っていたといった感じで私たちの装備の紹介をコンテンツに加えてみた。
                      

私たちの装備 

Part.1    初期の生き残り装備 

            
  35年程前に、友人の「山をやらないか?」の誘いの一言で登山を初めた。            
  最初の登山が11月の南アルプス茶臼岳であった。(事前に友人と共に近くの山を歩いたが・・・)  
  登山など初めてのことで装備は何も持っておらず、キスリングのザック・シュラフ・コッフェルなど最低限の装備を購入した。
  靴は友人から貰ったキャラバンシューズを使用、お金も無く防寒具などタウン使用の物を使ったと記憶している。
  その後、少しずつ山に入るようになり装備も徐々に購入していったが、それらの装備も一部は友人に譲ったものもあるが、ほとんどが消耗したり高機能の物への買換えで廃棄され残っていない。
  しかし、中には30年以上の年月を経た今でも使用しているor使用可能な装備もあり、ここではそのような物を取り上げた。      

  なお、「私たちの装備」であるが、この時代のパートナーはまだまだ山とは縁の無かった時で、Part.1では「私の装備」が正確な表現かと思われる。



シュラフ
 前述、茶臼岳登山で購入した最古参装備である。

 メーカーはフェザー、商品名アルピニスト・冬山用の表示があるが中綿は羽毛では無くポリエステル。 
 こんなシュラフだが、夏の南アルプス縦走、車でのドライブ旅行での車中泊にと結構長い間使用してきた。

 その後、本格的に山に入るようになり装備一新の際、シュラフも羽毛の物を購入したが、車中泊用のシュラフとして未だに使用されている。



コッフェル(4−5人用)& ホエーブス625
コッフェル(メーカー:エバニュー)
      
 これも茶臼岳登山時に購入した、最古参装備の一つである。
       
 日帰り単独山行時もインスタント・ラーメン作成には良い大きさであるため使い続けてきた。
 その後は持参食料の変化、一人用角形コッフェルの購入で使用機会は減ったが、パーティー登山時には使用されてきた。
 しかし、3年前の北岳登山時にパッキングの収まりが良い同容量の角形コッフェルを購入してからは出番がなくなった。
       
ホエーブス625

 茶臼岳登山時に使用したストーブは会社山岳部より借り物の灯油ストーブ(ラジウス)、その後も山を続けたことからストーブも必要となり、購入したものがこのホエーブスで、いつの購入かは定かではないが、おそらく30年以上前と思われる。

 当時の給料を思うとかなり高価なもので、奮発して購入した記憶だけは残っている。
 その後、EPIガスのストーブ購入などで出番は減りはしたが、やはり冬山には欠かせない装備として使い続けてきた。(酷使していた当時は燃料の白ガスもガソリンスタンドから一斗缶で購入した)   
 今もいつでも使用出来る状態で棚の上に置かれている。


 十年ほど前に生産中止となったことからか、最近ではYahoo!オークションでよい値が付いているようだ。
                                           
 何年か前の家族で岩嶽山登山をした時のこと、山頂でラーメンを作っていると日本山岳会と書かれたザックを背負った高齢者パーティーが、このストーブを見て「懐かしい!」と話しかけてきた。   
 そのパーティーには山のガイドブックの著者もいたようで、著書まで見せられ紹介されたが著者が誰であったかは、聞いたことの無い名前であったし興味も無かったので聞き流し、記憶に残っていない。      
 なお、ホエーブスが生産・販売されていた頃の山小屋・幕営地でも赤い丸缶の容器の物はよく見たが、私の物のような角缶の物はほとんど見ていないことから、高齢者パーティーの人の「懐かしい!」はストーブ本体をを見てか容器を見てかは不明である。
                         
 ホエーブスでの飯盒炊さん 
                                               
 ホエーブスを使用しての飯盒炊さんもよく行った。
 付属五徳の上にそのまま飯盒を乗せると、火力を最小にしてもうまく炊けない。
 (飯盒の底は焦げても中身は芯がある炊きあがりとなる。=火力が強すぎ)
 屋外なら両側に二股の木を刺し、渡した棒に飯盒を吊るして五徳より浮かせれば良いのだが、1BOXバンの車中で行うような時にはそうも行かない。
 五徳が4−5センチ長ければ良いことから、特製の飯盒炊さん用五徳を作った。
 水加減さえ間違えなければ、最低1時間前には米を研ぎ、この五徳を使って火力を最低に絞って炊けば、誰でも失敗なく飯盒でご飯を炊くことが可能である。                      

  右端が付属の五徳



アイゼン
  山に入るようになってから数年、雪のある時期にも登山をするようになり、学生時代にワンゲルに所属していたという友人から譲り受けたもの。

  メーカー名などは全く不明、当時のアイゼンは八本爪が一般的、幅・長さは調整出来ないが、私の使っていた登山靴にピッタリ合ったことから愛用してきた。
                                  
  元々付いていたアイゼンバンドはズボンのベルトのように穴に刺す方式のもので使いにくく痛みもあったためアイゼンバンドだけは付け替えた。
 
  その後、本格的な冬山に入るようになって、新たなアイゼンを購入したため現在は使っていないが、私の元に来て約30年、手元にある装備としては一番古いものと思われる。             
 
                                              
  その後購入したウッド・シャフトのピッケルは、数年前の家建築時に大工(友人)がインテリアの飾りに欲しいとせがまれたため譲渡した。
                              



ツエルト

左側のオレンジ色の袋が、私のツエルト
  登山はまだまだ初心者の30年前の8月盆休み、単独で白峰三山の縦走をおこなった。       
  現在では三階建ての建物で北岳山荘と呼ばれているようだが、当時は北岳稜線小屋と呼ばれていたと記憶している山小屋へ宿泊の依頼をしたところ超満員。
  シュラフは持参していたため、この小屋から早川側に下った、当時は存在していた北岳小屋まで降ろされた。(標高差約300M)

  このことで「泊まりは山小屋」の考えが一変、即ツエルトを購入、その後10年以上にわたり私の山でのネグラとして使用してきた。
                                               
  収納時の比較のため隣に置いた緑色の袋に入っているのが、女房が約20年前に購入した同じSサイズのツエルトで収納時の大きさは約1/3、同時期購入したMサイズのゴアテックス・ツエルトより少し小さいだけの大きさである。
 
  幸か不幸か、ほとんど単独山行であったし、装備に不自由無ければ登山用品店にも行かず情報不足の結果、長年の使用となった。
                                   
  乾いていてもこの大きさ、冬季幕営後の凍り付きバリバリになった状態でのザックへの収納には苦労した。
                                              
  昔のアルバムに当時の北岳稜線小屋を写したものがありましたので、参考までに掲載しました。   

北岳稜線小屋、現在はここに北岳山荘が建っている




Part.2の前に

  私たちの最近の山は、山歩程度で記事も増やせないことから、このページを作ったのだが、古くから山を親しんでいる友人たちには好評であった。
  最初に昔の装備を取り上げることに、特に意識した分けではなくごく自然に決まった。
  そんな気持ちを見事に代弁してくれたのが、東北在住のS.Kさんの感想メールだと思い、この場で紹介させと貰うことにした。
  (文中の○○は私の名前です)

  おあそび新聞第六号、さっそく読ませていただきました。そのなかでも、古い登山道具にまつわる話しがとても気に入りました。わたしの身の回りからも、いつしか消えていった道具たちのことを思い出しました。どれをとっても何がしかの思い出が染み込んでいると思います。こんな道具たちを思うと、懐かしく、且つ、チョット寂しいような、申し訳ないような気持ちがします。充分にお礼を述べて道具と別れたのかななどと思ったりします。○○さんのように何か思い出の話しを書いてあげるのがとても良い供養になると思いました。もちろん、今でも、押し入れの片隅にじっと黙っている道具もあれば、時々活躍する道具もあります。わたしの大切な山の思い出を気付かないところでつくってくれた道具たちに感謝したい。


Part.2    コンパス 

  今回はコンパスを取り上げてみた。                                
  コンパスと付き合いは、小学生の頃、アルマイトの水筒のキャップに組み込まれた小さな物が最初ではないだろうか。(歳が分かりますね)
  色の塗られた磁針の方角が北であること、東西南北のNEWSなどはこれで覚えたのではと思う。    
                                                
  紛失・破壊さえなければ長年にわたって使用し続けている=山の想い出を共有している一番の同行者?はコンパスではないでしょうか?
                                   



   山に入り始めるにあたり、最初に購入したのがこのコンパス(OILの入っていない物)。
       
   本などでは、登山には地図・磁石は必需品と書かれていることから持ち歩いたが、ルートが整備されているところしか行かなかったから持って歩いただけの物で、たとえ迷ったとしても地図も読めない状態であったからコンパスも役に立たなかったと想像される。                          
                                                
   その後、地図上で対象物二点の角度を確認して、そこから引いた線の交点が現在地ということから、蓋にスリットの入った物に買い換えたが(やはりOIL無しの物)、それは現在行方不明となっている。     
                                                
   なお、上記方法を練習してみたものの地図が読めない者には出来るはずがなく、見通しの無いところでは当然通用しない。                                         
                                                
   とにもかくにも、山の必需品だからと国土地理院1/5万の地図と共に持ち歩いただけのものであった。 


  私にとっては四代目のコンパス。

  最初に購入したOIL入りコンパス(三代目)を紛失し、同型の物を探したが手に入らず、かといってSILVAコンパスではスケール部分が持ち歩きの収納に邪魔(ズボンのポケットでは)になることから購入した腕巻き式の物で、箱にダイバー用と記されていたと記憶している。 
                     
   南アルプス深南部の藪山歩きに酷使した物であるが、OILが抜けてしまったため現在は壁にピンで止めて飾りにしてある。                                        


   現在愛用のコンパス。
                                      
   左側が私の使用しているもので、同型の物を三代目コンパスとして愛用してきたが、どこかの山で紛失し新たに購入した私には五代目となる物である。
                            
   三代目コンパスは、地図が少しは読めるようになり、また地図・コンパスが必要となる山に入るようになってOILの入っていないコンパスの不自由さを感じ買い換えたもので、気に入って使っていた。     
                                                
   紛失したことで腕巻き式の物を使っていたが、育児休業中にOILが抜けてしまい、たまたま立ち寄ったホームセンターで売っていたので購入しておいたものである。
                                                
   右側が女房用のも、スポーツ用品店見つけ、薄くズボンのポケットに入れてもひびかないことから私用に購入したのだが・・・「使う?」と聞いたのが拙かった!「うん!」の一言で女房用となってしまった。    
                                                
   なお、私はコンパスを紐でズボンのベルトに止め、本体はポケットに入れ使用している。        


   説明不要のSILVAのコンパス。

  右側は女房殿の嫁入り道具?左側は山での拾得物である。


   見た通りのコンパス付き腕時計。

   腕時計の急な電池切れに慌てたことで、安い予備時計があってもとホームセンターの時計コーナーをウインド・ショッピングしていた時発見、コンパスに惹かれ衝動的に購入した物。
              
   無駄な買い物かと思っていたが、子供たちの宿泊訓練でのウォーク・ラリーや慣れない街へ出かける時など予想外に役立って、家族共用のコンパスとなっている。
                       





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