「時代」

心に風がふくたび

小さな部屋 ひとり ひざをかかえてた

目に映るすべてのもの

凍らせる かべがほしかった

銀色の針、ひび割れたフレーズ

それでも時は流れていった

人より感じることが多くて

なぜ? どうして? とたずねる僕に

奴らは ひとつの病名をつけた

寂しさの雨に濡れた夜

僕は 自分にさよならを告げた

オレンジ色の時間 、動き出した川

それでも時は流れていった

瞳の色はこんなにも変わり

気が付いたら

自分の一番嫌いな大人になっていた

大切な忘れ物は

れんげ草の彼方

雪の美しさ 、星の輝きにも

立ち止まりもせず

時は 夢を描くスペースもくれない

感情を忘れた 交差点に

今日もひとの群が落ちてゆく

こんなにも汚れた僕の手に

今でも一つの 蒼い小石