〜親友(とも)よ〜

ある人が 君のことを 時計だと言った
「5分遅れた時計」だと

世の中は 要領のいい奴ばかり
何も考えず ただ 流されている
そんな時代に生まれた人は
素直に 流されない者を 非難するだろう
愚かだと 言うだろう

かっこわるい抵抗

止まっている時計でさえ
1日 2回は 正しい時を刻むことが出来るらしい
そのチャンスをつかみ みんなうまくやり過ごしてる

でも きみは・・・

5分遅れている時計は
永遠に正しい時を刻むことは出来ない
どんなに頑張って動いても
休まずに働き続けても
正しい時を刻むことは出来ない

きみは 悲嘆にくれるだろう
心に涙を隠すこともあるだろう

でも忘れないで
けっして あきらめないで

走るのに疲れたなら
歩けばいい
前に進むことをやめてしまったら
ゴールは見えなくなってしまう

考えてごらん
止まっている時計の なんと 役に立たないことか!
その刻む時の 虚構のむなしさ
5分遅れた時計のほうが はるかに役に立つ
ただ単調に 動いて来たのとも違う
きみには 5分間の重みがある
きっとその素晴らしさに 気付く人が現れるだろう

ぼくは わかってるよ
今まで つまずくこともたくさんあった
うまく歯車がかみ合わないこともあった
でも すでに 君の時計は動き出している
しっかりと 時を刻んでいるではないか!!
ひとには それぞれ ちがうペースがある
どんなに 遠回りをしたって
ぼくには 見えるよ
君の時計が しっかりと 「今」を刻んでいるその時が

悲しいときには 僕を呼んでおくれ
そばにいて 話をきいてあげるよ
嬉しい時には 僕を呼んでおくれ
ともの喜びを 分かち合おうではないか!

ぼくは 君の強さを 尊敬しています

ふと 振り向いた 部屋の隅に
しっかり 脈打つ 時計がひとつ