キーボード改造


 自作ナビ専用にキーボードを製作しました。・・・と言ってもジャンクで買ってきたキーボードを分解、改造しただけです。

 なぜキーボードを改造したかと言うと、車内では普通の109キーボードでは大きすぎて収納に不便だからです。それに車載した場合、運転しながらキーボードを打つなんてことは非常に危険だし、第一、ナビをするのにキーボードを多用することもありません。だからといって、必要ないかというとそうでもありません。Windowsがセーフモードで起動してしまった場合、キーボードタイプの入力を求められるからです。[半角/全角キー]は必要ですね。[Enterキー]、[Winキー]、[矢印キー]、一応、[Ctrlキー+Altキー+Delキー]も割り振っておきます。計8個です。8個のキーのために109キーボードを積むのは邪魔でしょ?


1.準備するもの
 ・古いPS/2キーボード(「古い」というのが重要です。改造するには古いキーボードのほうが適しています。)
 ・ドライバー
 ・はんだごて、はんだ
 ・配線用コード
 ・押しボタンスイッチ(押してるときだけONになるやつ) 



2.キーボード分解
 さぁてキーボードを分解しましょう。ちなみに僕が分解したキーボードは、富士通の「FMV-KB321」というやつです。キーボードの分解方法は、各メーカーによって多少違うとは思いますが、基本的には裏側のねじを外して、各キーをマイナスドライバなどで外し、カバーを外せばキーボードの中身が拝めます。カバーは、ねじを外せばあとはツメで留まっているだけなのでツメを外していけば簡単に取り外せます。

 キーボードの中身は↓こんな感じ。


 上がキーボードの中身です。丸く見えるものは、ゴム盤です。このゴム盤が押されると文字が入力されるんですね〜。分解したキーボードの右の隅(ビニル袋じゃないよ)に茶色いものが見えますが、それがキーボードの制御をする基盤です。
 下はキーボードの蓋というか、ゴム盤の上にのっかるものです。
 右の袋に入っているのは、各キーのボタンです。


     
 基盤の拡大写真です。@は、PS/2コネクタに繋がっています。A、Bがキーボードの各キーの入力を感知する線です。A、Bのそれぞれの線の組み合わせから109個の入力を判別しています。LEDが3つ並んでいるのはキーボードの右隅にあるNumLock、CapsLock、ScrollLock表示用のLEDです。

 右の写真が基盤の裏側です。ぼやけてしまってますが・・・。裏側がこのように大きくはんだづけされている基盤でないと改造は難しいです。ここが重要です。なぜかというと、改造するときにはここに新たにコードをはんだづけするからです。最近のキーボードは、コスト削減のために基盤がすごく小さいものになってたりしますので、そこにはんだづけするのは至難の技だと思います。


キーボードのシートを見てみましょう。シートは4枚あります。

これがいちばん上のシートです。シートにゴム盤がくっついてます。


2枚目のシートです。基盤の写真のAにつながるシートです。各キー用の信号線が張り巡らされています。

3枚目のシートは、透明なシートです。なので写真も載せてません。信号線はありません。2枚目のシートと4枚目のシートのスペーサー的な役割を果たしています。


4枚目のシートです。基盤の写真のBにつながるシートです。2枚目のシートと同じく信号線があります。



3.キーボードのマトリクス調査
 キーボードを分解できたら、次はキーボードのマトリクスを調べます。マトリクス調査というのは、各キーがどの線とつながっているのかを調べることです。僕が分解したキーボードには4枚のシートが入っていて、そのうち2枚が信号線付きのシートでしたのでその2枚を調査します。

 基盤写真Aへつながるシートは、8本の信号線でつながっています。この8本の信号線1つ1つをたどって繋がっているキーを調査します。基盤写真Bへつながるシートは、20本の信号線でつながっているので同様に調査します。調査の仕方は、テスターを持っていれば簡単にできます。調べたいキーの信号部に片方のテスター棒を置き、もう一方を基盤のコネクタから外した接点に置き何番目の信号線につながっているか調べていきます。僕は、テスターを持っていなかったので、1つ1つ信号線をたどって調べました。これがかなり疲れます。。。

Aへつながるシートの調査結果 Bへつながるシートの調査結果

ここまで終わったら、あとはそれぞれのシートの組み合わせを表にまとめていきます。
下の表は、「FMV-KB321」のキーマトリクスです。キーボードのマトリクスは型番によって全然違うので各自で調べてくださいね。
ちなみに、下の灰色枠内の番号の順番の決め方は、基盤写真AとBをそれぞれ左から順に1,2,3,4・・・と振りました。

1 2 3 4 5 6 7 8
1 右Win
2 左Win
3 F1 F2 F7 F6 F5 F4 F3 ESC
4 PageUp Print
Screen
※/ ※Enter ※Num
 Lock
カタカナ
ひらがな
Caps
Lock
Home
5 F8 F9 Pause Scroll
Lock
F12 F11 F10 P
6 9 0 O I Back
Space
- 8
7 1 2 7 6 5 4 3 半角/
全角
8 Q W U Y T R E Tab
9 ※6 ※5 ※4 Enter L
10 [ ※* ※9 ※8 ※7 @
11 Insert Page
Down
End Delete
12 左Shift 右Shift
13 ] 前候補 右Alt \ 右クリック
キー
無変換 左Alt
14
15 X C ,(カンマ) M N B V Z
16 ※-
17 ※+
18 / Space ※3 ※2 ※1 ※Del ※0 .(ピリオド)
19 右Ctrl 左Ctrl
20 S D K J H G F A

「※」は、キーボードのテンキー側のキーを示す。
「右○○」「左○○」は、それぞれキーボードの右側、左側にあるキーを示す。
「Win」は、Windowsキーを示す。
「右クリックキー」は、右Ctrlキーの左側にあるキー(アプリケーションキーと言うらしい)を示す。



4.キーボードを改造する
 さぁ、ここまできたらあとは使用したいキーのマトリクスを見て、基盤にはんだづけしていきます。今回は、[半角/全角キー]、[Ctrlキー+Altキー+Delキー]など計8個を使用するのでこの8つのキーをマトリクスを参照してはんだづけしていきます。
 ・[半角/全角キー]
  8本線の8番目と20本線の7番目
 ・[Ctrlキー+Altキー+Delキー]
  8本線の6番目と8番目と20本線の11番目13番目と19番目
 以下同様にしてはんだづけしていきます。



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