プリズムみんなの実験室2.


木もれ日の科学

茂った木の、葉や枝の隙間からもれて、地面に射す日の光が木もれ日(こもれび)です。
隙間が大きすぎなければば、この木もれ日の形は、きれいな円形になります。


木もれ日とは
まず、この木もれ日を観察してみましょう。
太陽が射しているときに、葉がある程度 密に茂った木の下に立ちます。
地面に円形の日の光の形がたくさん見られます(下の写真)。
木もれ日1 木もれ日2


この2枚の写真は木の下の地面に白い紙を敷き、そこに射す木もれ日を撮影しました。目で見て観察するときにも、このようにすると見やすいです。


太陽が傾いた位置から射している場合は、紙に映る木もれ日の形は長くのびて楕円形になります。その場合は紙を手で持って、紙に垂直に木もれ日を受けるようにすると円形になります。

木もれ日の科学
ピンホールカメラ 円くない隙間を通ってきた光の形が、どうして円くなるのでしょう。
ピンホールカメラを思い出してください。レンズのかわりに、針であけた小さな穴に光を通しその先にあるスクリーンに像を映します(右の絵)。光は直進する性質があります。物体のある部分から出て真っ直ぐに小穴を通りぬけた光は、そのまま直進してスクリーンに映ります。こうしてスクリーンには倒立した像ができます。
木もれ日の場合は葉や枝の隙間が、この小さな穴の役目をしています。そして地面をスクリーンとして太陽の像を映しているのです。この円形の像が太陽のそれであることは、日食のときに見ることができます。太陽が欠けるにつれて、木もれ日も刻々とその形になります。
木もれ日では、円形の像がたくさん互いに重なり合っていることが多いです。接近した、たくさんの隙間によってそれぞれ太陽の像ができるからです。

さらにこんなことも
葉や枝の隙間でなくても、小穴に光を通せば像はできます。
日食を見る方法のひとつに次のようなのがあります。
紙に小さな穴をあけ、そこを通った光によってできる像をを白い紙に映します。
また、その場合映すものは、太陽でなくても蛍光灯や電球でもよいのです。小穴を通った光によって、棒状の蛍光灯は棒状の像ができ、リング型の蛍光灯の場合は、リング型の像ができます。
2.いずれも、リング型の蛍光灯の光の下でふと気付いたことです。
軽く曲げた手の指の間の隙間を通った光が、テーブルに射していました。それが、円い蛍光灯の形になっていました。
目の細かい、竹で編んだざるを持ち上げたとき、その目を通りぬけた光が、やはりテーブルに射しました。テーブルには、たくさんの円い像が、木もれ日そっくりに映っていました。

ちなみに西暦2000年以降、日本で最初に日食が見られるのは、2002年6月11日ということです。


<参考文献>

・実験観察 自由研究ハンドブック(仮説社) 「たのしい授業」編集委員会・編
・NHK趣味悠々 親子のための星空観察(日本放送出版協会)



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