みんなの実験室3.
1. | 冷蔵庫のドア 冷蔵庫のドアの内側の、まわりの部分には白く軟らかなプラスチックが、ぐるりとはめこまれています。ここに、クリップやくぎ、スプーンなどの鉄製品をもっていくとくっつきます(右の写真)。 白いプラスチックの中にはゴム磁石が入っているからです。冷蔵庫のドアが、ぴたっとしまるのはこのためです。 |
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2. | 切符、磁気カード 切符(自動改札機用の、裏が黒または茶色のもの)や磁気カード(キャッシュカード、電車やバスのプリペイドカードなど)の裏に砂鉄または鉄粉を一面にふりかけてから、カードを静かに立てて砂鉄(鉄粉)を落とします。一部の砂鉄(鉄粉)が切符やカードについたままになっていてそれがバーコード模様になっているのが見られます(右の写真はバスのプリペイドカードの裏に鉄粉をふりかけて現れたバーコード)。 切符やカードには、小さな磁石の粉で作られたバーコードによっていろいな情報が入っています。この部分に砂鉄(鉄粉)がつきました。この磁石のバーコードを機械に読み取らせているわけです。ですから、この部分に磁石を近づけるとバーコードがなくなって機械で読み取れなくなってしまいます。そうなってしまった切符やカードに砂鉄をかけても、もはや模様はでてきません。そのような切符でも駅員さんのいる改札口なら通してくれるそうですが。 |
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※ | 砂鉄や鉄粉を集めるには 上の2の実験には、砂鉄または鉄粉が必要です。 砂鉄を集める方法としてよく知られているのは、磁石をポリぶくろに入れたものを砂の中に入れて、砂の中の砂鉄をすいつかせるというものです。しかし、1度に集められる量は少ないです。棒磁石や馬てい形磁石の代わりに、ゴム磁石でこの方法を使って集めてみました。シート状の、はさみで切ることができるあの磁石です。ポリぶくろがゴム磁石の面にぴったりつくようにして包みました。接着面が広いだけ、棒磁石や馬てい形磁石より一度にとれる砂鉄の量は多いです。 鉄粉は、使い捨てカイロの中身に含まれています(次の実験を参照)。そこから砂鉄を集めるのと同じ方法で集めるとよいでしょう。 |
1. | 使い捨てカイロ 使い捨てカイロの材料には、鉄粉が使われているので未使用の使い捨てカイロは磁石にぺたんとつきます。鉄は酸素と化合すると酸化鉄になりますが、このとき熱を発生します。しかし使い捨てカイロは空気を通さない外袋に入っていますから、その状態では反応はおこりません。この外袋から内袋を出して振ると、空気中の酸素との化合が始まります。ほかの材料として含まれている活性炭や塩類、バーミキュライトなどは反応の速さを調節するためのものです。こうして発熱させた後の鉄は、酸化鉄になっています。 |
2. | 脱酸素剤 ケーキや和菓子、ラーメン、ご飯などの食品のパックに、鮮度を保つための「脱酸素剤」が小さな袋に入っていれられていることがあります。三菱ガス化学(株)の「エージレス」が多く見かけられるようです。この脱酸素剤の主成分もやはり鉄粉なので磁石につきます。 空気中の酸素は、食品を変質させます。そこで、鉄粉とパックの中の酸素とを反応させて酸化鉄にすることにより酸素を除いてしまおうというわけです。つまり、おこる反応は使い捨てカイロの場合と同じです。 |
3. | 紙幣(つかせるには、ちょっと工夫がいりますが) 紙幣を印刷したインクには、少しの鉄が含まれています。でも、ほんとうにわずかですから磁石にひきつけさせるには工夫がいります。 つまようじを、とがった方を上にして立てます。つくえのふちなどにセロハンテープではりつける、発砲スチロールの板につきさして立てる、または左の写真のように せんたくばさみに挟んで立てるとよいでしょう。紙幣を横幅半分のところで軽く折り目をつけ、この折り目がつまようじのとがった先に乗るようにして紙幣を乗せてバランスさせます。印刷が濃い部分にゆっくりと磁石を近づけると、すーとすいついてきます。千円、5千円、1万円、どの紙幣もつきました。中国の1元紙幣を持っていたので試してみました。つきませんでした。どの国のどの紙幣もというのではなさそうです。 |
4. | クレヨン(どれもというわけではありませんが…) クレヨンには色によって鉄が含まれているものがあり、そのようなクレヨンは磁石につきます。私が試したものでは、「ぺんてるくれよん」の茶色とこげ茶色、「サクラクーピーペンシル」の茶色がよくつきました。 この場合も、すいつきかたは強くないので工夫が必要です。スパイス容器のふたや化粧品容器のふたなど、丸みがあってなめらかなものの上にクレヨンをねかせて乗せ、そこに磁石を近づけます(左の写真)。上記のクレヨンは、くるっと動いてすいつきました。 磁石にすいついたクレヨンで紙を塗って、その紙が磁石につくかどうか試してみました。方法は紙幣の場合と同じです。すいつきました。 |
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