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保科「どないなってるの!?」

智子の叫び声が司令室に響く! それだけ状況は不明だった。

雛山「市街地で謎の爆発です! 直径500mの穴・・クレーターが発生しました」

保科「現場の近くには誰かおらんのかいな!」

レミィ「ヒロユキ達が現場に急行中ダヨ。至急、連絡とってみるネ!」

保科「まったく分からないことだらけや・・敵も事故の原因も、これからの私たちも・・」


 ピー!ピー!ピー!


あかり「はぃ、こちら本部です。あっ、浩之ちゃん! そっちの状況はどう?」

浩之「ちゃん付けはやめろって! えっと、もぅ少しで現場に着くぜ。かなりひどい状況だ」
先に見える爆煙の大きさを軍用乗用車ハマーから見ながら通信機に話し掛ける。

保科「藤田くん、気をつけてや! 相手はかなりのツワモノのはずやし、注意を怠らないように」

浩之「分かってるって。こっちにはマルチやセリオもいるんだ安心してくれ」


(セリオはともかく、マルチは役にたつんかい?)
と考えている智子に、

レミィ「大変ダヨ委員長! 爆心地に澪チャンと深山サンの反応があったとログに出てたヨ!」

保科「何やてぇ! 2人の安否はどうなんや!?」

レミィ「ダメだよぉ、爆発の影響でノイズが多すぎて分からないヨォ・・」
細かい情報までサーチ出来ずにいた。

保科「藤田くん! 聞いてのとおりや、はよう現場に向かってな!」

浩之「了解! マルチ、セリオ! しっかり捕まってろよ!!」
アクセルを踏み込み、ハマーを加速させて行った。

保科「うちらも本気を出していかないと・・・」
後ろでに伸ばした長いお下げ髪をほどくと、本部中央に設置された椅子に腰をおろした。




その頃、来栖川家の施設内にある軍事車両基地に1人の人影が近づいていった。


住井「ったく浩平の奴、どこへ行ったんだよ! 人にここの管理を任せてよ・・んっ?」

??「住井くん、元気かいな? ちょっち頼みがあるんやけど」

住井「・・・・・・えぇ!! あれを使うのか! でもあれはまだ試作段階だし・・」

??「そんなこと行ってる場合やあらへんのや! この私が許可を取る言うとるんや、早しい!」

相手の剣幕に押されるように住井はしぶしぶと通信機を取る。

住井「おぃ南! 例のやつを出すっていうから準備してくれよ。・・・いいから、じゃぁよろしく!」

通信機を降ろすとパネルを操作し、正面ゲートを開けた。

??「おおきに、ほな行こうか」

そう言い、住井と一緒に長めのお下げ髪を揺らしながら車両倉庫に入っていった。




マルチ「はわわっ!浩之さん!! ま、街が壊れちゃってますぅ!」
現場に到着したマルチはハマーを降りるなり目の前の惨状を見て驚いた表情を浮かべた。

浩之「くっ! まだ周囲は埃だらけで中心部は見えないか・・・セリオ、状況をスキャンしてくれ」

セリオ「了解しました。環境センサーを作動、サテライトから状況監視します」
そう言うと衛星軌道上のスーパーバイザーにアクセスし始めた。数秒後・・・

セリオ「アクセス完了。破壊エネルギー548万ジュール、また直径483.2m、深さ38mです」

マルチ「あぅ〜・・深山さん達は大丈夫でしょうかぁ? 心配ですぅ・・」

浩之「そうだ、深山先輩と澪ちゃんを探してくれ!」

セリオ「分かりました。対人センサーを作動・・・・・・・キャッチしました浩之さん。私たちの上方28.4mです」

浩之「何だってぇ!?」
そう言い見上げると2つ・・2人の人影を見つけた。それは・・・

浩之「あれは・・・琴音ちゃんに、芹香先輩!! どうして!」

マルチ「はわわっ、浩之さん。どうなってるんですか?わ、私わからないですぅ!」

セリオ「浩之さん更にセンサーに反応です。爆発中心点に2つの対人反応を感知、データー照合中・・・・・深山さんに上月さんです」

そのセリオの声に今度は穴の中心部へと双眼鏡を取り出し覗き見る。
爆風の煙が晴れていき視界が良好になってくると、そこには・・・

浩之「深山先輩! それに澪ちゃん!! 無事だぞ、2人とも生きてる!!」

クレーターの中心部には2人の姿が光球の中に見えた。
それは澪が掲げたスケッチブックを中心に光り輝くフィールドを作り上げていた。

深山「あれは・・・藤田くん達だね。上月さん行くよ!」
琴音からのダメージがやわらいだ深山は、ニッコリと笑う澪を抱えるとジャンプしながら出てくる。

マルチ「うぅ・・深山さぁ〜ん! 澪さぁ〜ん! 心配したですぅ!」
2人の姿を見るとホッとした安心感から涙をこぼしながら2人に駆け寄ってきた。

深山「あははっ、ありがとうねマルチ」
そう言い、マルチの頭を撫でると、それを真似するかのように澪も背を伸ばし同じように頭を撫でていた。

浩之「それにしても、良く無事でしたね」

深山「まぁ、自分は危なかったんだけど、上月さんが守ってくれたから」
澪は深山から「ありがとう」と言う言葉を聞くと顔を赤くしながらページをめくった。

澪『ドラゴンの盾は最強なの♪』




深山「心配してくれたのは嬉しいけど、この辺で終わりにしましょう。まだ敵は目の前にいるしね」
そう言い、浩之の腰に着けられたフォルスターからガバメントを抜き取ると上空に向け銃をかまえた。

浩之「えっ、敵って・・・・まさか!?」

深山「えぇ、そのまさかだと思うわ。私も信じられないけどね・・」

同じように脇に収めたフォルスターから今度はMF92Sベレッタを抜き構える。
澪はスケッチブック・・ドラゴンの盾を前に差し出し、セリオは横に降ろしておいたバッグから6連装バルカンを取り出すとセイフティを解除した。

マルチだけは「はわわっ」と慌ててるだけだが・・・


深山「さて、これで戦力比は逆転ね。あなた達の正体を教えてもらおうかしら?」
その言葉が聞こえているのか聞こえていないのか無表情のままの2人は浩之達に向け手をかざした。


「「!!!」」


皆の緊張が高まる中、空中に居る2人は急に何かに気づいたかのように別の方を向く。

??「・・・七瀬さん、失敗したようです」
??「・・・・・(こくこく)」

そして2人の姿はその場から消え去っていた。

〜続く〜


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