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深山「まったく酷い目にあったわよぉ!」
朝方になり目が覚めて・・・っと言うより意識が戻った深山がブツブツと文句を呟く。

 (こくこく)
それに頷く七瀬・椎名・澪の3人。

茜「あんなに美味しいのに・・・」

 (ふるふる)
それに首を振る七瀬・椎名・澪の3人。
1人、みさきだけが頷いていた。

深山「カレーというのは辛いから美味しいのに、何で激甘になるかなぁ・・」
昨日のことを思い出し、ため息をついた。


繭と茜とみさきの七瀬達と合流した深山と澪は、来栖川邸へと向かうために商店街の通りを歩いていく。
その時、通りの向こうの方から爆発音と共に遠くに煙が見えた。

七瀬「あれって何?」
深山「何かが爆発したみたいだね。あの煙の色や立ち上がり方を見ると戦闘による・・・!?」
茜「・・・誰かが戦ってるのでしょうか?」
椎名「みゅ〜・・・」
澪「・・・・・(怖いの)」

椎名は七瀬の背後に隠れ、澪はスケッチブックを胸に抱えて怯えていた。
茜「・・・大丈夫ですよ。私たちが力を合わせれば安心です」

そう言うと自分の手のひらを澪の頭にのせた。
それに安心したのか、ニッコリと笑い返す澪。

深山「とりあえず私達も行ってみましょう! 誰かが戦っているのなら援護しなければね」
皆は頷くと煙の上がる方に向かい駆けて行った。


   ・
   ・



??「本当にこれって使えるの?」
??「アホ言うんやないで! これさえあれば奴らなんて一瞬で蒸発や!」
??「こんな戦車サイズみたいなものじゃ、大した威力も無いんじゃないかなぁ・・・」
??「七瀬も、うるさいやっちゃなぁ、とりあえずウチに任せとき!」

ドッペル七瀬とドッペル保科は狭い戦車内で言い合いながらも射撃プロセスをこなしていく

ド・七瀬「はいはい、とりあえず射撃管制は委員長に任せるよ。私は操縦を担当するからね」
ド・保科「コブラがあいつらとワルキューレをおびき出すはずや、そこを撃てばOKやしね。とにかくリニアチャンバーに荷電しといてな」
ド・七瀬「了解、レールガンへのエネルギー供給開始」
ポチッとスイッチを入れると低い音をさせながら発電システムを始動した。


ドッペル保科が期待するアレとは、電磁光学兵器『レールガン』だった!
真空中では秒速30k、大気中でも7k以上の超高速で飛び、どんなモノでも破壊してしまう威力を持ち、
かつてレーガンのSDI構想でも考慮に入れられていた超兵器である!!

あまりの莫大な電力消費と、電力施設のための広大な場所が必要なため実戦兵器としては、ほとんど役に立たない代物であったが、
来栖川が開発したHMXシリーズにも流用されている水と酸素からの電気合成の技術の応用は、コンパクトな発電システムを実現し、
レールガンは遂に実戦兵器としての第一歩を飾ろうとしていたのだ!
それを搭載した新型戦車「ガーディアン」はビルの駐車場に隠れ、ワルキューレと深山たちが現われるのを待った。


ド・保科「ふっふっふっ、これでこの世界はウチらのもんやでぇ!」
射撃スコープを覗きながらニヤリと細笑んだ。

   ・
   ・



詩子「ワルキュ、敵コブラはどこに向かってるの?」
ワルキュ「えっと、商店街の中心部みたいですねぇ。建物が乱立してるのでヘリでは行動しにくいはずですが・・」

追いかけるコブラは、ときおり20mmバルカンを撃ってくるもワルキューレには被弾することも無く、
ただ逃げるように飛び続けるだけだった。

詩子「まぁ、それはこっちにも言えるけどね。狭い路地にでも入り込んだらお終いだよ。気をつけてね」
ワルキュ「その点は注意してますよ。ちゃんとこの辺の地図もインプット済みです!」

エッヘン! と得意げに言うかのごとくワルキューレは答えた。
だけど詩子は1つの疑問が思いつく・・・

詩子「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど、その地図って最近のでしょうね?」
ワルキュ「いえ、確か8年ぐらい前のものです。昔コリャが買ってきてくれたんですよ♪」


 ガンッ☆


ワルキュ「ど、どうしたんですか!いきなりコンソールに頭からツッコミを入れて・・・」
したたかに打った頭を押さえながら

詩子「あんたねぇ! そんな古い地図なんか使い物になるわけないでしょう!」
ワルキュ「えぇ! そうなんですか? それじゃ、道に迷ってしまうじゃないですかぁ!?」

 (あのなぁ・・・)
そんなツッコミと頭痛の種を抱えながらもワルキューレはデパートが周りに建つ駅前の広場に出た。


ワルキュ「あっ!敵ヘリコプターの反応が消えました!!」
詩子「近距離センサーをフル作動させて!」

ワルキューレのレーダードーム内のセンサーが1周して周囲の状況をサーチする

詩子「何か反応を感知したら教え・・・」
ワルキュ「センサーに反応! 複数の移動物体を感知しました!」
詩子「!!!」


緊張の汗も乾かないうちにワルキュからの警報に詩子は集中する。
ワルキュ「左10時の方向から6つの近づく物があります。マップ検索!・・・商店街のグルメ通り方向です」

詩子「まさか敵の機動歩兵!? ファランクスを作動準備しておいて!」
ワルキュ「了解です。データーをリンクして自動射撃するようにしますね」

さきほど敵コブラを撃ち落としたバルカン・ファランクスを起動する。

詩子「敵との距離を逐一教えてね」

ワルキュ「現在・・・・距離200m・・・150m・・・100m・・・50m・・・来ます!」


詩子「!!!?」
ファランクスの攻撃指令トリガーを入れようとする詩子! だがっ!





??「うぎゃぁぁ〜〜!! い、痛い痛い! 繭、お下げをそんなに引っ張らないでよぉ!!」
椎名「みゅ〜・・・怖いんだもん!!」
深山「相変わらず賑やかなコンビね・・・あんた達は」
茜「・・・これでも仲が良いんですよ」
澪「・・・・♪」(楽しそうなの♪)
みさき「仲間はずれは嫌だよぉ〜」




詩子「あ、あんた達ねぇ!!!!」
ワルキューレの前に転がり出てきた集団を見ると詩子は外部スピーカーに向かって叫んでいた。

椎名「あっ、この声は詩子だっ! おぉ〜い!詩子ぉ〜〜!!」
ぶんぶんと手を振る繭

詩子「繭・・・あんたいい加減に呼び捨てにするの止めない?」
手に持ったマイクを握りながら脱力する。

茜「・・・詩子、お久しぶりです」
詩子「あっ、茜!! 大丈夫だったの、途中で居なくなったって聞いたから心配したんだよ」


ワルキュ「・・・あの」


茜「・・・ちょっとヤボ用がありましたので。それに詩子こそ、それは一体?」
澪「・・・・!」(カッコいいの!)
みさき「何? 詩子ちゃん、戦隊物のコスプレしてるの?」


ワルキュ「・・・あの、マスター?」


深山「確か綾香に言われて柚木さんは、どこかに向かうって聞いたけど、それを取りに行ってたの?」
詩子「うんうん、この戦車・・・ワルキューレって言うんだけどね。私、これのマスターになったんだよ!」


ワルキュ「・・・マスター? マスターってば」


七瀬「へぇ〜! 凄いじゃないの! これさえあれば奴らにも勝てそうね」
詩子「当たり前じゃないの! さっきも敵を倒してきたのよ、私とワルキュの最強コンビでね♪」




    ワルキュ「マスター!!」




突然の大声にビックリしてコックピット内で引っくり返る詩子・・・(どうやって?)
詩子「な、何よ!いきなり大声なんか出して! ビックリするじゃないのよ!」
何とか元の姿勢に戻るとワルキュに向け言い放つ。

ワルキュ「マスターこそ、人の言うこと全然聞いてないじゃない!」
外部スピーカーがONになったままなので外にまで2人のやりとりが響く。

深山「柚木さん・・・誰と話してるのかしら?」
七瀬「・・・さぁ?」
みさき「敵の怪人が登場したのかな?」
茜「・・・詩子は昔から変なところがありましたが、更に磨きが掛かったようです」
本当に親友か? 茜?



詩子「で、何なの! 言いたいことって!!」
ふぅ・・ふぅ・・・息を切らしながら尋ねる。

ワルキュ「・・・あっ! 忘れるところでした!」
本当にコンピューターか? なんて言うツッコミをいれようとしたが次の言葉がそれを止めた。

ワルキュ「えっと、熱感知センサーに反応があったんです。外に居る皆さん以外で」
詩子「なっ!? それを早く言いなさいよ! で、何なの?」

ワルキュ「はぃ、右手3時の方向にある屋内駐車場内に巨大なエレクトリックエネルギー反応を感知しました」
詩子「? それって何?」
ワルキュ「そうですねぇ、簡単に言うとレールガン・・・高電磁光学射撃兵器のことですね」


詩子「・・・・・・つまり敵?」
ワルキュ「はい♪」
詩子「おおぉぉぉぉぉぉ!!! すぐにシェルを張って! 攻撃が来るわ!みんな早くワルキュの後ろに隠れてぇ!」


パニック状態になりながらも指示を出し、外部スピーカーで呼びかける。

ワルキュ「えっと、マスター・・・言いにくいんですがシェルのエネルギー切れです」
詩子「な、なんでぇ!?」

ワルキュ「さっきのILMS−ONEでシェル用のエネルギーを使っちゃたんですよ。最初からあんまり積んでなかったし・・・」
詩子「なんですってぇ! くぅ!コリャさんエネルギーをケチったのかぁ!!」
頭を抱えながらコリャへの呪いの言葉を心の中で浴びかけた。

ワルキュ「だって、来栖川邸までと言うのが当初の目的だったし・・・うっ・・・どうしましょう・・・」
その戸惑いと焦りは、外部スピーカーで外に流れたままだった。





ド・七瀬「リニアチャンバーへの充電完了、いつでも撃てるよ」
ド・保科「よし! 奴の動きが止まったで! 今や!!」
そう言い、発射トリガーを押し込む。

レールガンの砲身が青白く発光し、周囲の空気を帯電化させプラズマの稲光を起こす。
瞬間! 正面に捕らえた目標に向けレールガンから荷電粒子を発射させた!!


ワルキュ「!! レ、レールガンが発・・・」
詩子「や、やられっ・・・!?」


ワルキューレと詩子、そして深山たちを光の奔流が襲った・・・

続く


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