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ド・七瀬「リニアチャンバーへの充電完了、いつでも撃てるよ」
ド・保科「よし! 奴の動きが止まったで! 今や!!」

そう言い、発射トリガーを押し込む。
レールガンの砲身が青白く発光し、周囲の空気を帯電化させプラズマの稲光を起こす。

瞬間!

正面に捕らえた目標に向けレールガンから荷電粒子を発射させた!!
それは射線上の建物や木立を蒸発させながらプラズマ流がワルキューレへと向かう!!


ワルキュ「「!! レ、レールガンが発・・・」
詩子「や、やられっ・・・!?」


そしてワルキューレと詩子、そして深山たちを光の奔流が襲った・・・

 バリバリバリ!!!

激しい爆発音。一瞬にして爆風が視界を遮る。




ド・保科「やったでー!! どや、うちの力は!! あーっはっはっはっ」

見事に直撃したのに大喜びのドッペル・保科。
周囲の状況を見ればそれも納得だけの破壊力を放っていた。

ド・七瀬「うひゃぁ〜、こりゃ確かに凄いわ! ふっ、これであいつもお終いね」
未だ晴れない爆煙の中、遮光スクリーンの上がったモニターを見ながら笑みをこぼす。

 プシュゥ

スライドハッチを開け外を覗くド・保科は満足そうに眺めると

ド・保科「レールガンの威力、思い知ったか・・・・・・・んっ?」
薄れていく爆煙・・・・その中にうっすらと浮かぶ数人の人影を発見した。



深山「ふぅ・・何とか間に合ったみたいね」
澪「・・・・・♪」(ドラゴンの盾は最強なの♪)
深山の腕の中でもう一度満足そうにそのページを開く澪。

レールガンの発射した攻撃は、着弾寸前に深山はスケッチブックを抱えた澪と一緒に高速移動し
ガーディアンの放った電磁ビームを全て防いだのだった。



ド・保科「ど、どうしてなのぉ!!??」
ド・七瀬「んなっ、アホな!! マンガじゃあるまいし、何でやねん!?」


一撃必中で放った攻撃がスケッチブックごときで防がれたのだからショックは大きかった。
ド・保科は標準語に、ド・七瀬にいたっては関西弁で驚くぐらいの慌てようだった。
それに対し、ワルキューレに乗る詩子は即座に行動を開始した。


詩子「さすがは演劇部の最強コンビね! ワルキュ、スモークディスチャージャー(煙幕弾)を4発、発射して!
    そしたらアクセル全開で右翼に回りこむよ!車両コントロールはワルキュヘ!射撃管制は私に任せて!」
ワルキュ「了解!! 発射トリガーをマスターへ委任します!」
詩子「OK!パーティーの始まりよ!」


車体後部左右脇にあるカバーが開くと4発の煙幕弾が投てき発射された。
それは、ドッペル保科&七瀬の乗るガーディアンとの中間に、2発が地上で2発は空中で爆発、周囲を煙幕が覆って行った。

ド・七瀬「な、何!?何なのよ?」
と慌てふためく七瀬に、

ド・保科「うちが知るかいな! 多分、煙幕を張ってそこからの攻撃・・そないなところじゃないの?」
と、ショック覚めやらないながらも、ドッペル・保科は次への行動を開始した。


ド・保科「とりあえず、もう一度レールガンを発射するんや! リニアチャンバーに充電開始!こちらもスモークを撃ちつつ後退!」
ド・七瀬「痛たたた!分かったから髪を引っ張らないで!」
ひんっ! と目に涙をためながらも、言われた通りに行動を始めた。

エンジンを始動し、屋内駐車場から出る!
電磁加速器を持つレールガンを搭載する為に、通常の戦車のように旋回砲塔を持たないガーディアンは
近接防衛システムを起動し、ワルキューレの死角になる場所へと移動を開始した!




未だ晴れない煙幕の中、ワルキューレはガーディアンの発射ポイントに対し右翼へと前進。

詩子「弾種徹甲!! 射撃用YAGレーザーを照射!」
ワルキュ「分かりました。あと10秒で目標位置に到達します。現在、速度60k・前後ピッチ+2.1・距離修正誤差+0.6」

車両進行方向に対し、140mmアモルフを敵に向けるよう上部砲塔の旋回を開始。
IR(赤外線)センサーからの情報を元に、詩子は照準スティックを操作しターゲットをロックオンした。
それと同時に後部のターレットから自動装填装置により徹甲弾が装填される

詩子「敵戦車にロックオン! ワルキュ、そっちにオーバーライドするよ!」
ワルキュ「目標ポイントに到着。データーの受け取りを確認、発射完了です。発射トリガーをお願いします」
詩子「ありがとう!・・・ふふふ、よくもビックリさせてくれたわねぇ・・・覚悟しなさい!」
ワルキュ「マスター・・・何だか恐いですよぉ〜・・・・」

詩子のメンタル(精神)センサーから感情を察したワルキュは、ビクビクしながら呟いた。

詩子「はははっ!その瞳に恐怖を刻み込んであげるわ!発射ぁ〜!!」
ただの発射スイッチなのだが、詩子は思いっきりトリガーを押しこんだ!

 ダァンッ!!

タンデムバレルの主砲塔から徹甲弾が発射されると、敵戦車に向けて高速で滑空して行った。


 グワンッ!!

ド・七瀬「な、何!?何なの!」
またもや大騒ぎする七瀬。それに対し・・・

ド・保科「敵からの攻撃に決まってるやないの! えぇ〜と・・・ダメージは・・・・!?」

ワルキューレから放たれたHEAT弾は、直撃コースを通っていたのだったが、たまたまガーディアンが車両転回した瞬間に着弾した。
それは偶然にも複合装甲と被弾経始を持った面に当たり、弾を弾いただけに済んだ。
しかし、その衝撃でリニアレールガンの制御コンピューターに支障を生じてしまったのであった。

ド・保科「あちゃぁ〜、何てこった・・・」
ド・七瀬「どうすんのよぉ〜・・・智子ぉ?」
ド・保科「くぅ〜・・こうなったらチャージの完了したやつを一発撃つ!当たるも八卦、当たらぬも八卦やぁ!」
ドッペル・保科は、弾の飛んできた方向に向って1発だけ発射可能なレールガンを適当に発射した。





詩子「どう!ワルキュ!私の腕前は?見直したでしょぉ? ははははっ!」
ワルキュ「はいはい・・・・!?」
直撃し、破壊したと思った詩子はコックピット内で高らかに大笑いしていた。その時!

  バシュゥゥー!!

今だ晴れない煙幕に穴を開け、一筋の光が飛び出して来ると、ワルキューレの側にあった廃ビルに直撃!!
そして崩れ落ちるビル・・・・・・こちらに向って。

ワルキュ「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

ワルキューレは、大慌てでダッシュを開始。ホログラムモニターに向いVサインを構えていた詩子は、
ヘッドレストに頭を思いっきりぶつけていた・・・




ド・保科「・・・・・当たったかな?」
着弾確認も分からなく不安気に呟く・・・

ド・七瀬「ねぇ、このままじゃ攻撃も出来ないし、今のうちに逃げようよ」
攻撃システムもダウンし、レールガンも発射不可能になった今、2人に出来るのは逃げるだけだった。

ド・保科「そやな。では、全速で・・・・・!?」
突如!煙幕の中から敵戦車・・・つまりワルキューレが飛び出して来る!!


ド・保科「げげっ!?」
ド・七瀬「おぉっ!?」
詩子「わわっ!?」
ワルキュ「どいてぇぇぇ!!」


 ドカァァァーーン!!


お互いの驚きの叫び声と共に両者は激突

ド・七瀬「な、何!?何なの!」
と、またまた七瀬は大騒ぎ。

ド・保科「あんたねぇ!それしか言えないの?」
ドッペル七瀬に対し抗議の声を上げるが・・・

ド・七瀬「智子・・・・その姿で文句言われてもねぇ・・・」
衝突のショックで、シートの上で上下ひっくり返った姿を見て七瀬は冷たく言い放った。

ド・保科「そんなことより、急速退避!!」
二人の乗ったガーディアンは大急ぎでその場を去って行った。そして、詩子とワルキューレはというと・・・



詩子「い、痛たたたた・・・・なんなのよ、もぅ!」
ぶつけたおでこを擦りながら顔を上げると、モニターには急速に小さくなって行く敵戦車が見えた。

詩子「あっ!? ワルキュ!急いでこちらも追うよ!・・・・・ワルキュ?」
ワルキュの専用モニターには、某ゲーム機のロゴマークのような渦巻きが回っている・・・

詩子「あぁぁ!!ワルキュ!ワルキュぅ〜!! なに気絶してるのよ!もぅ!!・・・・仕方ない、こうなったら・・・」
ハンドルバーを握りセレクトレバーをD(ドライブ)に入れると、アクセルを踏みこんだ。

詩子「待てぇぇぇ!待ちなさぁぁ〜〜い!!」
詩子の運転するワルキューレは、全速力で敵戦車を追っかけて行った。




続く


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